延喜十八年四月、東宮の御屏風、八首桜の花のもとに人々のゐたるところかつみつつ あかずとおもふに さくらばな ちりなむのちぞ かねてこひしきかつみつつ あかずと思ふに さくらばな 散りなむの
三月うつろはぬ まつのなだてに あやなくも やどれるふぢの さきてちるかなうつろはぬ 松の名だてに あやなくも 宿れる藤の 咲きて散るかな...
ほととぎす まつところには おともせで いづれのさとの つきになくらむ時鳥 待つところには 音もせで いづれの里の 月に鳴くらむ...