怯儒独言~酒と××の日々+

この世にはおもしろいものがいっぱいある。つまらないものはその数万倍はあるだろう。微妙なものもあるよね。

荒唐無稽

2011-03-26 15:02:58 | 書籍



 堀江卓というマンガ家がいた。昭和30年代が全盛期なのだが、その時代のことはよく知らない。ウルトラセブンのソノシートの挿絵を描いていたので名前は覚えていた。
 その後小学校の高学年の頃、『矢車剣之助』と『天馬天平』がコミックスで出てて、はまっちゃったんだよなぁ。どちらもテレビドラマ化されている、観たことないけど。
 とにかくぶっとんだ内容なのだ。時代劇なんだがカタカナ言葉連発(これは沢島忠の映画でもやってたな)、無限(?)に弾の出る拳銃、数十人の敵に囲まれ床をその銃で丸く撃ち抜いて脱出とか、敵の屋敷が戦車になって移動しちゃうとか、筋の展開も実に御都合主義だ。でもね、バカバカしいんだけど、コマ運びが映画的で、妙に納得させられてしまう。
 時代劇好きの婆ちゃんに薦めたら、「荒唐無稽」の一言で斬り捨てられた。その時以来、荒唐無稽を求めてSFを読むようになった、わけではないけど。
 読んでなかった『つばくろ頭巾』上下巻が復刻されてたんで購入、一気読み。なんか変だ、と思ったら3巻本でした。 この粗っぽさが、失われたテイストって言うんですか、懐かしい。こんなのばっかりになったら嫌だけど。

これは

2011-03-25 08:47:06 | 書籍
 日ノ出町の古本屋にて100円で購入。だいぶ前に絶版になっていた『黄金郷の蛇母神Snake Mother(1937)』Avram Merritt著、団精二=荒俣宏訳。
 表紙の絵を見て、何か股間に疼くものがあったんだよね。
 調べてみたら、秋吉巒、SMイラストで有名な方、30年近く前に亡くなってるんだけどね。中学生のときこっそり立ち読みしたのが、潜在意識に刷り込まれていたか。

言葉

2011-03-24 00:23:39 | 書籍
 なんかいやぁな雰囲気感じる。「愛国主義」ってやつです。被災したのは日本人だけではないはず、ましてや低賃金労働者として日本に来ている外国人、被害は日本人より大きかったのではないかと思うのです。特にブラジルの方はどう過ごされているのでしょう、なんて考えて読み始めてしまいました。
 『はじめてのポルトガル語(講談社現代新書)』浜岡究著。自分の周囲にはいらっしゃらないんですがね。まずは言葉からということで。
 苦境に入るとスケープゴートを作りたくなる傾向がある、大正大震災の教訓もあるし。「愛国者」の私としては他国で災難に遭われた方のことも考えたい。排他的にならず、日本という「国」でなく「土」を、そしてそこに住む人が皆、よりよくなれるように…。ま、綺麗事ですが。
 「外国人」ていうと白色人種だけをイメージしちゃう人が多いですよね、老若男女問わず、ネットでの「在日」って言葉の使われ方から見ても。

汚らわしきもの

2011-03-21 20:34:59 | 書籍
 恋愛やセックスは若いうちだけ、てなことはなくて生殖は若いうちだけだけど、枯れるなんてこたぁなかなか凡人にできるもんじゃない、煩悩は深うございます。
 おじいちゃん、いい歳して汚ならしい、と言われても、そこはもう開き直ってしまおうというお話、快楽なくして老いなし、だそうです。共感いたします。
 『シルバー世代の性愛学』団鬼六著、であります。

大地震のあと

2011-03-18 18:35:54 | 映像
 11日の東北関東地震の初発より1週間、ある映画を思い出した。昔、池袋の文芸地下で観た、関東大震災後の軍部による反政府活動家に対する弾圧と、それに対する反撃そして挫折を描いた『大虐殺(1960)』である。
 震災のどさくさに紛れて大杉栄をはじめとするアナーキストたちが暗殺された。さらに自警団による不逞鮮人征伐と称するリンチ殺害、これが「大虐殺」の題名の由来だろう。
 生き残ったアナーキストたちはテロにはしるが、ことごとく失敗、メロドラマが入って幕となるとこは大きな傷だけど、60年安保の影響がなければ作られなかったんだろうな。

 暴行・略奪が起きなきゃいいけど、起きても報道管制でしばらくは洩れないだろうし、洩れてもひっそりなんだろうな。
 スーパーやコンビニに行っても買い占めで物がないって状況見ると、同列にしちゃいけないんだろうけど、日本人の下劣さは昔と変わってないのかなぁと悲しくなる。下劣な人は極一部と思いたいけどね。極一部の人にいろいろな「力」が偏ってる気もする、特に金銭ね。