堀江卓というマンガ家がいた。昭和30年代が全盛期なのだが、その時代のことはよく知らない。ウルトラセブンのソノシートの挿絵を描いていたので名前は覚えていた。
その後小学校の高学年の頃、『矢車剣之助』と『天馬天平』がコミックスで出てて、はまっちゃったんだよなぁ。どちらもテレビドラマ化されている、観たことないけど。
とにかくぶっとんだ内容なのだ。時代劇なんだがカタカナ言葉連発(これは沢島忠の映画でもやってたな)、無限(?)に弾の出る拳銃、数十人の敵に囲まれ床をその銃で丸く撃ち抜いて脱出とか、敵の屋敷が戦車になって移動しちゃうとか、筋の展開も実に御都合主義だ。でもね、バカバカしいんだけど、コマ運びが映画的で、妙に納得させられてしまう。
時代劇好きの婆ちゃんに薦めたら、「荒唐無稽」の一言で斬り捨てられた。その時以来、荒唐無稽を求めてSFを読むようになった、わけではないけど。
読んでなかった『つばくろ頭巾』上下巻が復刻されてたんで購入、一気読み。なんか変だ、と思ったら3巻本でした。 この粗っぽさが、失われたテイストって言うんですか、懐かしい。こんなのばっかりになったら嫌だけど。