怯儒独言~酒と××の日々+

この世にはおもしろいものがいっぱいある。つまらないものはその数万倍はあるだろう。微妙なものもあるよね。

画力

2010-04-30 20:10:03 | 書籍
リリー・フランキーとかみうらじゅんとかしりあがり寿とか、本書『人生画力対決』の作者、西原理恵子とか20年くらい前はサブカル系ってことでマイナーな感じだったのが、結構メジャーになりました。本書は西原さんが題名通りのことをゲストとするわけです。ライブで行ったのを漫画化してるのですが、正直なにが面白いのかわからないとこが多いけど、「漫画」の本来持ってる粗っぽさの魅力を認識させていただきました。

値踏み

2010-04-27 10:42:44 | 書籍
『売春論 love for sell』読んだ。著者の酒井あゆみは、元風俗嬢のノンフィクション作家、と書くとエロ読み物って感じだが、「論」というほど広さや深みはないが、実感主義というか経験に根ざした分析がリアルだ。
売春に対する筆者の姿勢は、かなり否定的に思える。春を売ることの「怖さ」は、自分を「値踏み」されることにある。思わぬ評価に、平静でいられるか。ここが成功・失敗の分かれ目のようだ。

女賊

2010-04-23 13:01:55 | 書籍
江戸川乱歩の小説を元にした三島由紀夫の戯曲『黒蜥蜴』です。原作もなかなか素敵、女盗賊という発想は、Irma Vepあたりからかしら。映画でも演じてますが、美輪明宏の当たり役です。かれこれ40年になりますか、本名の丸山明宏を名乗っておりました。私の祖母が大の女形好きで、自分もかなり幼い頃から知っていたように記憶しております。
三島の台本は、すこぶるつきの気障なもので、その言葉だけを取り上げたら、赤面しそうな科白でありますが、美輪という肉体を得ることで息づき始めるのです。ばかばかしさが現実を侵食し始めるのです。ばかばかしいのは現実の方、これは現実逃避か、あるいは現実との対峙の一形態か。これってOtakuの世界に非常に近しいんじゃないかと…。

告白の行方

2010-04-22 08:58:56 | 書籍
映画化と言うことで大宣伝していたので、購入、読んでみた。
『告白』という題名の通り、複数人の「告白」によって語られる。一人一人の思い込みや嘘が「真相」を明らかにしながらも、読者の感情移入をどこか遠ざけていく過程が、なかなかスリリングだった。叙述にキモがあるミステリー、最近多いし面白いと思うが、映画化となると難しいと思う。画像は映画のスチールから。
公開されたら、HIVの扱いとか登場人物の造型で、批判や抗議が来そうな気がする。そこのエクスキューズが「告白体」にあると思うんだが…。

葉桜

2010-04-18 18:22:39 | 書籍
昨日は引きこもりをしていたので、今日は表に出たら、すっかり葉桜になっていた。それを見て『葉桜の季節に君を想うということ』という小説を思い出した。歌野 晶午の推理小説協会受賞作だ。
題名も伏線になっているので、あまりくわしく書けないが、面白かった。歌野の作品は何作か読んだが、これが一番よかったかな。「頭のよい」人ほど結末に悔しがる傾向があるようだ。