怯儒独言~酒と××の日々+

この世にはおもしろいものがいっぱいある。つまらないものはその数万倍はあるだろう。微妙なものもあるよね。

Ninja

2012-03-16 00:25:39 | 映像


 『忍びの者(1963)』です。

 わたくしが物心ついた頃は、世をあげての「忍者」ブーム。雑誌やテレビでもよく忍者ものを見かけました。

 そのブームのきっかけの一つになったのが、この作品なんだそうです。リアリズム忍術であります。

 初めての観たのは、時代も下って高校生のときなんですけど。そのときの印象は、スペクタルかつ残酷てな感じでした。爆薬の使い方とか贅沢だし、肉片飛び散る殺陣とか。

 市川雷蔵扮する石川五右衛門、結構地味なんですが、シリーズが進むにつれ、キャラが変わってくるんくるんですが、これは後の話。

 織田信長が徹底的にヒール設定てのもよかったなぁ。当時不遇をかこっていた若山富三郎、城健三郎の名前、豪快かつ酷薄、これってありそうでなかなかないように思います。

 続編もすぐに観てしまった。これがすぐできるってのも、いい時代になったもんだ。

気持ち悪さ

2012-03-12 10:20:58 | 映像
 『アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人』大野左紀子著。

 なんかここ20年ほどでしょうか、「アーティスト」ってのが増えましたな。そのへんの気持ち悪さを、ちょっぴりだけどすっきりさせてくれる本です。

 本書にもありましたが、アートから毒が抜かれちゃったように思います。そしてもっとひどいものが蔓延してるような…。

黄色い戦慄

2012-03-10 04:03:26 | 映像


 マカロニホラーてかジャッロ『影なき淫獣/I Corpi presentano tracce di violenza carnale/Torso AKA Carnal Violence(1973)』です。これまたトラウマになってた街角のポスター、1976年日本公開。題名からして猟奇ポルノだと思ってたんだけど、微妙に違う。

 わたしが観たのは"Torso"のタイトルの付いたリージョン1のDVD、日本語字幕がないので苦労しました。登場人物の二人を混同しちゃったりして…、そんな複雑な話じゃないんですけど…。

 どっちかってえとおざなりなストーリに、妙にスタイリッシュな映像、何より変態じみた感性てのが、ジャッロの魅力でしょうかね。買ってあってまだ観てないのが何本かあるので、ぶっ続けで観ようかな、頭変になりそうだけど。

BUTO

2012-02-29 13:15:31 | 映像



 唐沢"カルト"俊一と村崎"鬼畜"百郎の対談本『社会派くんがゆく!』(ひやぁ~、11年も前の本になってしまった)に、日本オリジナルの現代文化って「暗黒舞踏」じゃない、って記述があったと記憶している。

 白塗りにカラダくにくにとインプットされている。石井輝男の映画で観たことあるぐらい。『徳川女刑罰史』『猟奇女犯罪史』『恐怖奇形人間』『怪談昇り竜』なんかね。

 で、ライブの記録動画とか残ってないのかと、探してみたら見つけた。『土方巽 夏の嵐 2003-1973燔犠大踏鑑(2004)』、USA盤のDVD、日本版も出ていたようだけど。石井作品の助監督だった荒井美三雄が、1973年に自分が撮った8ミリフィルムをデジタルリマスターして、編集したものとか。

 ヘアーヌードもNG、官能小説も摘発喰らってた時代、不思議と「自由」な雰囲気がするのは、なぜなんだろう。

新官能派

2012-02-23 22:45:22 | 書籍
 "新官能派"なる冠が付されている、小説家「桜木紫乃」、雑誌掲載の随筆が気になったんで読んでみた。『恋肌』短編小説集。

 “新官能派”とは?検索したら、この人しか出てこない。スクールを表すんでなく、キャッチフレーズなのね(笑)。

 「情痴小説」というのがあるが、異性に惑溺してしまう主人公は「ダメ男」と相場が決まっている。本書の各編に登場する男女もそういう意味じゃ「ダメ」な人ばっかなんだけど、どこかいとおしい。

 自分は情に溺れる前に、冷めてしまう傾向があるので、そういう人らしさが悲しいかな、よくわかんないんだけどね。