ホームでのCL予備予選セルティック戦に起きたエドゥアルドのダイブ問題について、UEFAはエドゥアルドに対しCL2試合の出場停止という処分を下しました。このUEFAの裁定について掘り下げて書きます。状況把握をしやすくするために普段の書き方を少し変えます。
・エドゥアルドのダイブの状況
セルティック側のPA内でセルティックのゴールキーパー、ボルツが飛び出した所エドゥアルドが倒れ判定はPK。スローでのリプレイではボルツはエドゥアルドには直接触れていない。当然ボルツが審判に抗議するが判定は覆らず。エドゥアルドがこのPKを決めてアーセナルが先制点を獲得した。
・エドゥアルドの責任
このシーンはとても微妙なところではあるが、ゴールキーパーが直接触れていない以上はダイブと見なされてもおかしくはない。この場でエドゥアルドにイエローカードが出された場合はそれでこの件は終わりだった。残念ながら正当な擁護は出来なかったかもしれない。ただ、故意なものであるかという議論は別の問題であるように思う。エドゥアルドは07-08シーズン、足首を地に残したがためにバーミンガムのテイラーの足の裏を見せたタックルを受け腓骨骨折の大怪我を負った。そのときの状況を考えれば怪我を避けるために無理をせず体を流したと考えられなくもない。
・審判の責任
一言で言えば、審判が下したPKの判定は完全な誤審である。上記の通りエドゥアルドがPA内で倒れた時点でエドゥアルドにイエローカードを出し、セルティックボールから試合を再開すれば問題は無かった。しかしながら、審判はエドゥアルドがボルツに倒されたと誤って判断してしまった。よってこの判定に関する責任は完全に審判にある。だが、審判は一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない。判定に関する責任は全て審判にあるが、際どいシーンを見直して改めて正しい判断を下すという選択ができなかったことについては審判の責任ではない。
・UEFAの責任と処分に対するまとめ
上で書いたように審判は一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない。こういった状況に対処するためにベンゲル監督を含め、現場の監督達は以前からテクノロジーの導入、つまりビデオ判定の導入を主張してきた。しかしながら、UEFAのプラティニ会長はこの案については議論すら頑なに避けている。試合中にビデオ判定を用いると試合の流れを止めてしまう可能性があることは、確かに懸念されることではある。だが、選手や監督が抗議してそれについて審判が説明するために余計な時間を使っている現状を考えれば、速やかにビデオ判定をして双方のチームにとって納得のいく決定を下すというシステムが非現実的であるとは到底言えない。テクノロジーの導入について少なくとも話し合い議論をする余地はあるはずだ。UEFAに現場の声を聞く意思が無い以上、テクノロジーの導入による正当な判定は不可能である。以上のことを踏まえれば「審判が一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない」ことの責任は全てUEFAにある。責任があるにも関わらずUEFAはエドゥアルドに対しCL2試合の出場停止という処分を下した。ダイブによる出場停止の前例はあるようだが、少なくとも一般的にはイエローカード1枚程度の行為に対しUEFAはCL2試合の出場停止の処分を下したわけである。百歩譲って、今回のエドゥアルドに対する処分が「(テクノロジーの導入を求める声を黙殺してきた)UEFAが、ダイブという行為に対し(後付ながら)2試合の出場停止という厳罰を課す英断を下した」としよう。ダイブという行為そのものに対して毅然とした態度をとるのであれば、今回のエドゥアルドに対する2試合出場停止はフットボールのファンとしても受け入れることが出来る。しかしながらUEFAが今回の厳罰を正当化したいのであれば、例外的にダイブを見逃されるような選手の存在を認めることはありえない。これまでUEFAがクリスティアーノ・ロナウドやスティーブン・ジェラードといった選手たちの同様の行為に対し同様の厳罰を下したことは無かった。今後、もしもUEFAがこれまで同様一部のダイブをした選手を見逃すことが万が一あるのであれば、今回のエドゥアルドに対する裁定はダイブという行為にたいする厳罰ではなく、単なるWitch hunting(魔女狩り)である。
・エドゥアルドのダイブの状況
セルティック側のPA内でセルティックのゴールキーパー、ボルツが飛び出した所エドゥアルドが倒れ判定はPK。スローでのリプレイではボルツはエドゥアルドには直接触れていない。当然ボルツが審判に抗議するが判定は覆らず。エドゥアルドがこのPKを決めてアーセナルが先制点を獲得した。
・エドゥアルドの責任
このシーンはとても微妙なところではあるが、ゴールキーパーが直接触れていない以上はダイブと見なされてもおかしくはない。この場でエドゥアルドにイエローカードが出された場合はそれでこの件は終わりだった。残念ながら正当な擁護は出来なかったかもしれない。ただ、故意なものであるかという議論は別の問題であるように思う。エドゥアルドは07-08シーズン、足首を地に残したがためにバーミンガムのテイラーの足の裏を見せたタックルを受け腓骨骨折の大怪我を負った。そのときの状況を考えれば怪我を避けるために無理をせず体を流したと考えられなくもない。
・審判の責任
一言で言えば、審判が下したPKの判定は完全な誤審である。上記の通りエドゥアルドがPA内で倒れた時点でエドゥアルドにイエローカードを出し、セルティックボールから試合を再開すれば問題は無かった。しかしながら、審判はエドゥアルドがボルツに倒されたと誤って判断してしまった。よってこの判定に関する責任は完全に審判にある。だが、審判は一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない。判定に関する責任は全て審判にあるが、際どいシーンを見直して改めて正しい判断を下すという選択ができなかったことについては審判の責任ではない。
・UEFAの責任と処分に対するまとめ
上で書いたように審判は一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない。こういった状況に対処するためにベンゲル監督を含め、現場の監督達は以前からテクノロジーの導入、つまりビデオ判定の導入を主張してきた。しかしながら、UEFAのプラティニ会長はこの案については議論すら頑なに避けている。試合中にビデオ判定を用いると試合の流れを止めてしまう可能性があることは、確かに懸念されることではある。だが、選手や監督が抗議してそれについて審判が説明するために余計な時間を使っている現状を考えれば、速やかにビデオ判定をして双方のチームにとって納得のいく決定を下すというシステムが非現実的であるとは到底言えない。テクノロジーの導入について少なくとも話し合い議論をする余地はあるはずだ。UEFAに現場の声を聞く意思が無い以上、テクノロジーの導入による正当な判定は不可能である。以上のことを踏まえれば「審判が一度決めてしまった判定を試合中に見直す術を持っていない」ことの責任は全てUEFAにある。責任があるにも関わらずUEFAはエドゥアルドに対しCL2試合の出場停止という処分を下した。ダイブによる出場停止の前例はあるようだが、少なくとも一般的にはイエローカード1枚程度の行為に対しUEFAはCL2試合の出場停止の処分を下したわけである。百歩譲って、今回のエドゥアルドに対する処分が「(テクノロジーの導入を求める声を黙殺してきた)UEFAが、ダイブという行為に対し(後付ながら)2試合の出場停止という厳罰を課す英断を下した」としよう。ダイブという行為そのものに対して毅然とした態度をとるのであれば、今回のエドゥアルドに対する2試合出場停止はフットボールのファンとしても受け入れることが出来る。しかしながらUEFAが今回の厳罰を正当化したいのであれば、例外的にダイブを見逃されるような選手の存在を認めることはありえない。これまでUEFAがクリスティアーノ・ロナウドやスティーブン・ジェラードといった選手たちの同様の行為に対し同様の厳罰を下したことは無かった。今後、もしもUEFAがこれまで同様一部のダイブをした選手を見逃すことが万が一あるのであれば、今回のエドゥアルドに対する裁定はダイブという行為にたいする厳罰ではなく、単なるWitch hunting(魔女狩り)である。