令和の世には、無数の”アイドルグループ”がある。さかのぼれば、江戸時代にもあったようだ。芝居小屋で踊り手の”オーデション”を行うことになり、火消し「め組」と懇意の太夫・美鈴(三林京子)はその審査員におさい(浅茅陽子)と新之助(吉宗)に加わってほしいとお願いに来る。「剣は得意だが、踊りはな・・・」と尻込みする新之助だが、美鈴は「踊りは入れてからどうにでも覚えさせられるんですよ。女の子を見てください」と懇願する。渋々審査員を引き受けた新之助だが、この後に事件が待っていた。
(右端が美鈴)
選ばれた10人ほどの中には、実は御庭番(吉宗の密偵、忍者)の疾風(菅野玲子)を紛れ込ませていた。そのころ、江戸では若い娘のかどわかしが横行していたので、美女が集まるこの集団も狙われかねないと思ったからだ。案の定、厳しい稽古に嫌気がさしてきたころ若い娘たちは町で、悪徳海鮮問屋に「もっと楽におカネになる仕事がある」と誘われそれに乗る。
(娘たちの右から二人目が疾風)
悪徳商人は、商船のチェックをする船手組頭と組んで、若い娘を外国に売り飛ばして大金を儲けていたのだ。御庭番の活躍もあり、それを暴いた吉宗は、娘たちが外国に売られていく現場に舟で現れ、
丸ごと成敗する。合格した娘たちの中に、美鈴と生き別れになっていた娘が偶然にいたというサイドストーリーもあったが、これまでに若い女優さんが最もたくさん出演したお話だったのではないかと思った。