今回はマンガ紹介。
夢かもしんない 星里もちるさん作です。
出版されたのが1996年なので、もう30年近く前になりますねぇ。
主人公の加勢晴夫にしか見ることが出来ない、夢野すみれという元アイドルの幽霊とのコミュニケーションを描いた現代ファンタジー。
ストーリーは、営業で会社勤めをしている主人公が家庭での妻と娘との関係とか、仕事での上司のやり取りの中であまり満足していない中、突然「ハッピーにしてあげる」と、中学生時代に死んだ夢野すみれの幽霊が現れて、、、っていう感じです。
マンガ自体は週刊誌に連載されていたリアルタイムで読んでいたわけでは無くて、社会人なりたての頃に、本屋で見つけて一気に全巻揃えて読破しました。
最初に読んだ後の感想は、普通にファンタジーものだなぁ、として自分の中で消化していました。
時が流れ、転勤で東日本をあちこち引っ越すようになり、荷物を減らすために実家に本とかを大量に残したままで移動していた頃。
今の奥さんと結婚し、子供が出来て、一生懸命会社で働いている自分と、本当に家庭を顧みているのか?と自問することも無いまま日常を過ごしている頃。
長期休暇で実家に帰った時に、ふと手に取って読んでみると、最初に読んだ頃より歳を重ねた事で、主人公の加瀬晴夫と自分とオーバーラップするものがあり、最終巻に差し掛かるころには涙を流していました。
それ以降、実家に戻ると必ず読むようになりました。
そして、今は神戸にまで持ってきてしまう位、愛読書になっています。
辛い事があって、逃げ出したくなっても、自分の責任を果たす、っていうことが現在の社会に合うかどうかは別にして、幽霊の夢野すみれとのやり取りを通して、地面に足が着くようになる加勢晴夫をみていると、救われるものがあります。
こんな素晴らしいストーリーが作れるように、今日も色々頭をひねっている、そんな日常。
何時か救われる時が、報われる時が来ると信じて、前に進んでいきますか。