一般に覚せい剤というと,古典的なものでは 1893 年に長井長義が発見した,エフェドリンにヨウ化水素酸を反応させた,d-デス オキシ エフェドリン (読みやすくするため,官能基ごとにわざと分けました)がいわゆる「塩酸 メタン フェタミン」,商品名「ヒロポン」てぇのがあります.この物質は様々な合成法があって,ある程度の化学の知識があれば接触還元法でラクに合成できます.もちろん,ある程度とは大卒や院卒を意味します.最近流行っているMDMAなんかも,マニュアル通りに合成機械を操作すれば,工業的に作れてしまいます.
Die Weblogtagesschau laut dem kaetzchen 覚醒剤の製法を教えたのは誰だ? - 魚拓
「1893年に長井長義が発見した」が「エフェドリン」にかかるのか「エフェドリンにヨウ化水素酸を反応させた,d-デス オキシ エフェドリン (読みやすくするため,官能基ごとにわざと分けました)がいわゆる「塩酸 メタン フェタミン」」にかかるのかわからない書き方ですね。エフェドリンは長井長義が1885年に麻黄(マオウ)から単離したもので、メタンフェタミンは1893年に長井長義が合成した物です(ふつう、合成した物は"発見した"とは書かないものですが)。
それと、メタンフェタミンはエフェドリンからの接触還元法で合成できますが、エフェドリンを調達するのが困難です。メタンフェタミンは覚せい剤取締法対象物質ですが、エフェドリン自体も覚せい剤原料として覚せい剤取締法対象物質です。
しかも、さらりと接触還元法と書いてありますが、金属触媒を用いて水素ガス加圧下での反応なので、水素ボンベが必要です。化学の知識があるからといってちゃんとした設備が無いと、ラクに合成できるとは思えません。
あと、出発物質をどこにするかによりますが、少なくとも接触還元法を使うのなら、原料はエフェドリンでしょう。エフェドリンは覚せい剤取締法対象物質のためラクには手に入らないと思います(一般に咳止めとして含まれているのはメチルエフェドリンであり、メタンフェタミンの原料にはなりません)。
メタンフェタミン(methamphetamine)
IUPAC命名法では、1-phenyl-2-methylaminopropane
ちなみに アンフェタミンのスペルは (amphetamine) です。
メタンフェタミンは元は綴りをみればわかりますが、methane(メタン) + phetamine(フェタミン) ではなくmethyl(メチル) + amphetamine(アンフェタミン)です。分けるなら メト アンフェタミン とすべきです。構造的にもアンフェタミンにメチル基がついた構造をしていますし。
d-deoxyephedrine は ephedrine から de (除く) oxy (酸素) した構造をしているということです。d-は立体配置のこと。
この de は除去されたことを示す接頭語であり、des の意味は無い(なんで、わざわざデスと書いてあるのかね)。俺の持ってる命名法の本にもわざわざ「desではない」と書いてあるぐらいだし。通常、de は demethyl のように methyl (メチル) (de の後に続く置換基) が水素に置換されたことを示す時に用いられる。ただし、dehydro の場合は水素が無いこと(通常は2個の水素が無い)ことを示し、deoxy は ヒドロキシ基 (-OH) が 水素に置換されたことを示す。
しかも de は後に続くものを除くという意味の接頭語であるため、基で分けるにしても、deoxy は分離しないし、deoxy 基という官能基が書けるものなら書いてもらいたいものだ(前述のように酸素原子を除いたという意味しかないので、deoxy 基というものは書けないため、官能基ではない)。
官能基は物質の化学的属性(Chemical Profile)や化学反応性に注目した原子団の分類で、それぞれの官能基は特有の物性や化学反応性を示す。化学的な性質を化合物に与える原子群のこと。
Wikipedia - 基 より
有機化学を習ったものにとっては命名法は初歩ですよ。