甥っ子への手紙

今日は甥っ子の話。お手紙形式で…。

君は根はいい子なんだが、どうも冴えないヤツである。勉強はそれほどできない。
かといって、運動もそんなにできるわけではない。甘ったれで小学校４年生とは
思えない幼稚な分別の持ち主だ。お留守番もまともに一人ではできない。しかも
一人っ子で我侭なところがある。我慢を知らない。そしてヘタレだ。

そんな君が、今日はおじいちゃんとおばあちゃん、そして君の母親と一緒におばあ
ちゃんの実家にお墓参りに出かけたね。そこにはおばあちゃんの甥っ子や姪っ子、
そしてその子供たちが揃って帰省していたんだってね。

おばあちゃんの家系は素晴らしく、勉強も運動もできた。その血筋は未だに脈々と
受け継がれており、水泳では全国レベルの子がいたり、サッカーでもかなりのレ
ベルの子…本気でオリンピック選手にまで育てようかとか思ってしまう、そん
な子ばかりだ。

今日もそんな話で盛り上がっていたらしいねえ。そんな子たちは君と同じような
年頃の子である。が、君は話混じらずに幼稚園児の子とばかり遊んでいたそうだね。

そこでは黙っていたが、激しい劣等感にさいなまれて居たたまれなくなったのか？
途中で部屋から出て行って、玄関でぽつんと一人でいたそうだね。特に自分と同じ
水泳をやっている子の話が堪らなかったのだろう。君は最近、昇級試験
に４回連続
で落ちていたから尚更かもしれないなあ。

でもね、甥っ子よ。可哀相だけど、これは自分で何とかしなければならない問題な
のだよ。劣等感とどう折り合いを付けて生きていくか。劣等感をバネに頑張るか、
他の誰にも負けないような特技を見つけるか、ありのままの自分を認めるか。この
感情は一生付きまとうものだ。ここで君がどういう選択をしてこれから生きていく
か。自分の性格や性質と相談しながら自分なりの生き方を見つけてくれ。

困ったことに、甘やかされて育った君は、自分の思うように物事が進まないと、
わざといじけて見せて大人に言うことを聞かせようとする癖ができてしまってい
る。自虐行為に走ればいいと思っている。おばちゃんも、おじちゃんもそれは絶
対に許してない。

この間、友達がいる前で平気で言ってたね？自分は一人っ子だから皆が甘えさせ
てくれる。そうなるのが当たり前だと。おばちゃんがその場ですぐに叱った意味
が君にはわかったかな？そんな根性では駄目なのだよ。周りに守ってもらうしか
ないイジケ虫に一直線だ。君は今でさえ年下の子にも子ども扱いされているね？
自分で気がついているかい？まずはそれを自覚して、恥ずかしいと思うようにな
ろうね。

甥っ子よ、ものは考えようだ。いま活躍してても、大人になったらただの普通の
人になる人なんて山ほどいる。勉強やスポーツができたって、基本的な人間がで
きていなければ人として失格だ。今は冴えない君でも、将来はどうなっているか
わからないのだよ。…まあ、いま言ったって分からないだろうけどね。

とにかく、プライドだけは高い何もできない甘ったれの嫌なヤツにはなるな。根は
優しくていい子なんだからさ。何も取り柄がなくたって、普通のいい人でもいいん
だよ。世の中はそういう人が支えてるんだ。普通の人って偉いんだよ。

それが嫌だというのなら、何回転んだっていいから、立ち上がれ。立ち上がれなく
てもいいから、這ってでも前へ進め。そうすれば何か糸口が見つかると思うよ。

安心しろ、おばちゃんだって大器晩成型だし、今だって自信なんて皆無に等しいよ。
だから頑張れ、甥っ子。

※画像クリックで少し大きくなります。

☆私のデザインしたタンブラーがお求めいただけるサイトです☆
「エムズ・イーコレクション」→http://www.ms-e-collection.jp/
和柄コーナーへどうぞ！筆文字の２点がそうです☆

☆実はmixiもやってます☆→http://mixi.jp/show_friend.pl?id=5560508

☆石川県ポータルサイトKITEMIで紹介されています。
ＰＣ→http://www.kitemi.net/index.html（アーティストへ）
携帯→http://www.kitemi.net/m/08gan/080807/gan.html（特集記事へ直接とびます）