セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

E3でのPS3とWii、名クリエイターたちは何と見る? 前編

2006年06月05日 11時33分57秒 | 【旧】ゲーム関連記事(重要)
2006/06/02に発刊されましたファミ通20周年記念号にて「クリエーター28人の証言 ~E3 2006は、やっぱりスゴかった~」という特集があります。まあ内容はタイトルのまんまです。
全コメントを載せると膨大になるので、各クリエイターの重要点のみをまとめて載せてみました。それでもけっこう多いので、2回に分けて掲載します。



アイレムソフトウェアエンジニアリング 九条 一馬(くじょう かずま)氏
(代表作:絶体絶命都市シリーズ、ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロットなど)

・一番の興味は「ほぼ同時期にこれまでに対照的なゲーム機が発売する」という点
・提供するものによってインターフェイスを変えなきゃいけないという新しいフェーズに入った中で、どのゲーム機に注目しているかというと、全てです

アトラス 橋野 桂(はしの かつら)氏
(代表作:超執刀カドゥケウス、ペルソナ3など)

・ゲームユーザーにとってもゲーム開発者にとってもこれまでとは違う刺激が得られそうで楽しみ

ガイア 岡田 耕治(おかだ こうじ)氏
(代表作:真・女神転生シリーズなど)

・一番驚いたのはPS3の価格発表
・PS3はあの時期にあの微妙な価格の発表に疑問、Wiiはゲーム操作は分かりやすいが長く遊ぶにはつらい、「まさに混沌とした時代の始まりか?」

カプコン 小林 裕幸(こばやし ひろゆき)氏
(代表作:バイオハザードシリーズ、戦国BASARAシリーズなど)

・例年に比べアクションゲームの出展タイトルが減ったと感じた。と同時に新しいジャンルを切り開いているタイトルは少ないように思えた
・E3に行ってよかったという点は、PS3「デビルメイクライ4」の完成イメージをつかめた気がすること

ガンバリオン 山倉 千賀子(やまくら ちかこ)氏
(代表作:ONE PLECEグランドバトルシリーズ、ジャンプスーパースターズなど)

・PS3がゲーム機以上のことを目指しているのが、仕様や価格から少しだが感じ取れた
・Wiiに関して「これほどまでに多くのユーザーが笑顔でゲームをプレイしているトコを見たことが無い」
・今後注目していくのは、開発中のタイトルがあることは関係ないと考えると「Wii」です

キューエンタテインメント 水口 哲也(みずぐち てつや)氏
(代表作:スペースチャンネル5、メテオス、ルミネス、N3など)

・すべての新ハードの方向性が、それぞれの個性をもって印象付けられたショーだった

クラフト&マイスター 船水 紀孝(ふなみず のりたか)氏
(代表作:ストリートファイターIIシリーズ、モンスターハンターシリーズなど)

・PS3の値段に関して「よくがんばったな」という率直な感想
・PS3は何がウリなのかをまだ明確に打ち出せてない気がした
・Wiiに関して「現地に実際に行った人に聞いても、ひとつ抜け出そうな気配がしてます」

クローバースタジオ 稲葉 敦志(いなば あつし)氏
(代表作:逆転裁判シリーズ、ビューティフルジョーシリーズ、大神など)

・次世代機に関して「様子を見たい」というのが正直なところ
・一番気になるのは「多くのユーザーが本当に据え置き型次世代ゲーム機を欲しいと思うのか?」ということ

ゲームリパブリック 岡本 吉起(おかもと よしき)氏
(代表作:GENJI、エブリパーティなど)

・次世代機についていろんな友人に質問したら意見がバラバラ。つまり混沌としてるということだと思った
・Wiiブースでは4時間待ちとか普通にあったけど、遊べたのは数分間だけ。「…やっぱり物足りなかったなぁ。」

コーエー シブサワ・コウ氏
(代表作:信長の野望シリーズ、三國志シリーズなど)

・次世代機に関して「発売中のハードやPC関連にも新たな取り組みが数多く見られ、ゲーム業界自体の盛り上がりを肌で感じました」

コーエー 鈴木 亮浩(すずき あきひろ)氏
(代表作:真・三國無双シリーズなど)

・今回のE3は、PS3とWiiの方向性の違いが際立った印象

コナミデジタルエンタテインメント 谷渕 弘(たにぶち ひろし)氏
(代表作:パワプロシリーズなど)

・PS3とWiiに関して「明らかに異なる、全く違う方向性を持ったハードなので、作り手としても選択を迫られますね」。また「ある意味共通していること、それはネットワークに対応することとコントローラーの改良」

サイバーコネクトツー 松山 洋(まつやま ひろし)氏
(代表作:.hack//シリーズ、ナルティメットヒーローシリーズなど)

・PS3とWiiに関して「Wiiのほうがやや優勢か?と思われてますが、私としてはそれは違う気がする。奇想天外なアイデアも素晴らしいですし、テクノロジーの素晴らしさも感動であり面白さだと思う」

ジニアス・ソノリティ 山名 学(やまな まなぶ)氏
(代表作:ポケモンコロシアム、ポケモントローゼなど)

・PS3に関して「価格も高いが、真の性能を発揮させるのに最新のテレビなどの周辺機器も必要に思えて導入に手軽さが感じられない。ゆえにゲーム機としてもブルーレイディスクプレーヤーとしても割安感がないので一般普及させるには値下げの必要を感じた」
・Wiiに関して「価格が気になるが、仕様を見る限りではそう高くはないと思う。体全体を使うゲームの展示が目立ったが、座ってじっくりプレイするものがもっとあってもいいと思った」
・3つの次世代機のうちひとつを選ぶならWii



いろいろ意見があって面白いですね。PS3の価格に関しても、高いという人、いいんじゃないという人、いっぱいいます。Wiiに関してはとにかくアイデアの面で評価されてますね。

個人的にはクローバースタジオの稲葉氏の「多くのユーザーが本当に据え置き型次世代ゲーム機を欲しいと思うのか?」という言葉が印象に残りました。我々は「どっちだ?」なんて言ってますが、もしかしたら両方に魅了を感じてもらえず、結果市場規模そのものが縮小するという可能性もあるわけです。同者は「次世代機は、開発費高騰のPS3、アイデア一閃のWii、開発能力の低いメーカーはすぐ振り落とされていくだろう。そして残った者がさらに3ハードに分散することが、果たしてユーザーに恩恵をもたらすのか?」とも付け加えてます。

「今、無理をして買うことも無い」

PS3にばっかり当てはまるかと思いましたが、Wiiにだって当てはまりますよね、コレ。そうなると据え置きゲーム機市場はどうなるのか?ましてや現在DSやPSPによって携帯ゲーム機市場規模が膨れ上がっています。それに相応するだけの魅力が打ち出せるか?そこがやはり次世代機の最大の課題ととなりそうです。そのためにはハードもそうですが、やっぱりソフトで一発突っ込んでいかないとダメですね。それこそ脳トレのような革命児でもでないと携帯ゲーム機市場と競り合うのは厳しいですね。

後編はまた後日(。´・д)ノ゛

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