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(左側が通常版・右側はGBA『ユグドラ・ユニオン』同梱版です)
『ナイツ・イン・ザ・ナイトメア』
対応ハード : DS
発売日 : 2008/09/25
希望小売価格 : 通常版 6,090円(税込)
D・H・Eシリーズ スペシャルパック 8,190円(税込)
ジャンル : アクティブ&タクティカルRPG
プレイ人数 : 1人
CERO: A(全年齢対象)
○『約束の地~リヴィエラ~』『ユグドラ・ユニオン』に続く、スティング渾身の最新作
他に類を見ないオリジナリティをたたき出してきたスティングの、リヴィエラ、ユグドラに続く最新作です。
今作もまた、他に類を見ないプレイスタイルと、神秘的な世界観が特徴です。
○戦闘の流れ
…そもそも、ムービーを見たけどよく分からないという人は、けっこう多いのではないかと思います。私もそのクチなんですが(笑)
できるだけ、わかりやすく説明します。あまり細かいことは省いて、重要なポイントだけ説明します。
◆ウィスプについて
プレイヤーは、タッチペンで「ウィスプ」というものを操って、戦闘を行います。ウィスプ自体は、敵に攻撃することができません。
また、敵は味方の兵を攻撃しません。ウィスプを攻撃してきます。シューティング的な感じで敵の攻撃を避けつつ、味方の兵に命令していきましょう。
◆味方の兵について
味方の兵は、移動しません。(一部、攻撃で移動可)また、種族によって攻撃できる方向が制限されていたり、攻撃範囲が変わったりします。
ウィスプで味方の兵に触れると、その兵が実体化します。その状態でスライドしてタッチしたままにすると、攻撃範囲が表示されていきます。離すとバイタリティを消費して攻撃を行います。バイタリティが0になると、その兵は消滅していなくなります。
◆ターンについて
基本スタイルとして、戦闘にはターン数があります。1ターンに制限時間が設けられており、0になるとそのターンが終了します。決められたターン数以内に勝利条件を満たせないと、ゲームオーバーになります。
また、他のゲームオーバーになる条件として、全ての味方キャラ・もしくは重要キャラのバイタリティが0になって消滅してしまった場合がありますが、バイタリティはそうそう減らないので…。
◆ターン開始の前にやること
毎ターン開始時には、いろいろ準備することができます。
・味方の兵をセット
味方の配置できるグリッドに味方の兵を配置します。最初から兵が配置されていても、重要キャラでなければ交代させることができます。
・アイテムのセット
戦闘で一度に持てるアイテムは4つまでです。
◆勝利条件と、敵の選択スロットについて
で、画面上には常に4×4マスや5×5マスのマス目があり、各モンスターがいずれかのマス目と対応しています。
モンスターを倒すと、対応したマス目が塗りつぶされます。そして、いわゆるビンゴの容量で、縦・横・斜めのいずれか一列が塗りつぶされると、ステージクリアとなります。
なお、ボス戦など、単純に特定の敵を倒したらクリアのケースもあります)
で、ですね。2ターン目以降は兵やアイテムの準備の前に、スロットで敵キャラを決めることになります。その時にスロット上では、敵キャラとマス目がシンクロして表示されます。うまくタイミングを計って、ビンゴになるように敵キャラを選択できれば、より早いステージクリアが可能になります。
◆アイテムについて
アイテムには、使用することでより強力な攻撃が出せる「武器」と、特定のキャラに使用することで仲間になってくれたりアイテムがもらえたりする「キーアイテム」の2種類があります。
「武器」の場合、アイテムをタッチしてその武器が使用可能な味方兵にスライドすると、攻撃の準備に入ります。タッチを離すと、攻撃範囲に対して武器を使用した攻撃を行います。基本、これを使用しないと敵を倒せるほどのダメージは与えられません。通常攻撃は弱すぎるので(笑)
◆MPについて
しかし、武器による攻撃はアイテムさえあれば使えるわけではありません。使用には、MPが必要です。使ってばかりだとなくなってしまいます。だったらどうするか?
敵を攻撃すると、ダイヤ型の宝石のようなものがばら撒かれます。それにウィスプで触るとMPを獲得できます。MPがなくなってきたら、通常攻撃でMPを稼ぐといいでしょう。
ちなみに、MP回復の宝石だけでなく「オーブ」や「メディウム」といった一回り大きな宝石も落とします。それは、アイテム強化に使用できるので、一緒に拾っておきましょう。
◆CフェイズとLフェイズについて
フィールドには2種類のフェイズが用意されており、画面右のフェイズが表示されている位置を操作すると、いつでも入れ替えることが出来ます。
CとLでは、味方兵の攻撃範囲が変わります。
また、マップ上は基本、濃い霧に覆われており、この間はMPが手に入りやすくなっています。しかし、アイテムによる攻撃を行うと霧が晴れていき、MPが手に入りにくくなります。ただし逆にもう一方のフェイズは、アイテムによる攻撃を行うと霧が濃くなるので、その場合はフェイズを入れ替えて、もう一方の霧の濃いほうに移ったりすることで対応します。
…まあ、こんなところでしょうか?口で説明すると、なんか余計ややこしそうですが、プレイしていくと分かってきます。正直、このテのものはプレイしてみないと何とも言えませんね。
○セットアップ
ステージクリア後はセットアップを行えます。いわば次のステージに向かうための下準備ですね。できることは以下の通りです。
◆アイテムの強化・統合・廃棄
戦闘で手に入るオーブやメディウムを使用して、「武器」のアイテムを強化することが出来ます。強化に成功すると、名前に「+1」「+2」という風に付加し、ダメージがアップします。
統合とは、同じアイテム同時を統合して耐久度を高めるというものです。基本は同じ武器は1つに統合してしまっても問題なさそうです。ただし、+の値が違うものを統合した場合、少ないほうの値にあわせられるので注意しましょう。
◆EXP割り当て
戦闘で手に入れた経験値を、仲間になっている兵に割り振ってレベルをアップさせます。バイタリティが少し回復する他、装備可能な武器アイテムが増えるなどの変化もあります。
◆トランソウル
味方兵の1人を犠牲にして、その魂を他の味方兵に受け継がせるというシステムです。魂を受け継いだ兵は、バイタリティが少し回復する他、レベルの上限値が上がったり、Cの時の強さとLの時の強さを示す、インデックスの値が変化したりします。
◆ユニット追放
不要なユニットを追放します。タダで捨てるわけではなく、追放すると武器アイテムを入手できるみたいです。
●理解できるまでが少し長いが、理解できてしまえば「オンリーワン」が楽しめる
過去作でいうと、リヴィエラはどちらかというと単純な操作がウリでした。それが、ユグドラになると多少複雑な戦略性が出てきて、そして今作ではより他に類を見ないものに変貌しました。
ぱっと見た印象は、ムービーを見てもどういうルールなのかが瞬時には理解できず、購入にはどうしても戸惑ってしまうでしょう。絵画で言えば、ピカソのようなものです。
実際、ゲームの中には「ファーストステップ」というチュートリアル用のモードが用意されており、そこでルールを把握することはできます。そしていくらか戦闘を重ねて、ようやく全体像が理解できるという感じの作りになっています。
ストーリーも、今回はなかなか突拍子もない感じで、理解するのにちょっと時間がかかりました。1つのステージの流れが
シーンイベント(現在進行中の物語が読み進められます)
↓
戦闘
↓
過去イベント(戦闘を行ったその場所で、過去に何があったかが読み進められます)
の繰り返しなので、物語自体はもしかしたら単純なのかもしれませんが、それを悪く言うと遠まわしに、良く言うと謎をほのめかした感じで見せてきます。
ただ、イベント部分がけっこうじっくりと見せる感じなので、戦闘を楽しみたい人はいずれスキップしたくなる衝動に駆られそうです。実際、スキップボタンは随所で利用できるんですが、スキップすると物語の大筋が分からなくなる恐れがあるので、なんか…飛ばしたいけど飛ばせないという微妙な感じになる人もいるかもしれません。
少なくともこの作品は、他に類を見ない「オンリーワン」な作品であることは間違いないでしょう。戦略的にも完成度の充分高いシステムですし、難易度も今回はそんなに高くありません。…私が「Easy」でプレイしているからかもしれませんが(笑)
ただ、あくまでこれは戦略性を楽しむ作品です。今時に多い爽快感とかではなく、むしろ達成感を味わうタイプのゲームです。『世界樹の迷宮』…みたいなものでしょうかね?
そんな、オンリーワンなシステム。そして、幻想的な世界観と物語を楽しみたいかたは、手に取ってみても良いかと思いますよ。