セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

PSP『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』 インプレッション

2011年01月31日 23時11分14秒 | 【旧】購入・レビュー話


ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
対応ハード : PSP
開発・発売元 : スパイク
発売日 : 2010/11/25
希望小売価格 : パッケージ版 5,229円・ダウンロード版 4,200円(共に税込)
ジャンル : ハイスピード推理アクション
プレイ人数 : 1人
備考 : データインストール対応(必要な容量:379MB)
 ※データインストール…メモリーカードにダウンロードすることで、ロード時間が短縮されます。
CERO : D(17才以上対象)

◆参考データ--------------------------◆
購入価格 : 3,980円(税込・中古)
プレイ内容 : シナリオクリアまでプレイ(難易度は「ふつう」で)

シナリオクリアまでのプレイ時間(目安) : ★★☆☆☆
 ★☆☆☆☆ … 5時間未満
 ★★☆☆☆ … 5~15時間
 ★★★☆☆ … 15~30時間
 ★★★★☆ … 30~50時間
 ★★★★★ … 50時間以上
◆-----------------------------------◆


●= さあ、学級裁判を始めましょう =●
今作は、スパイクより発売の、完全新作の推理ゲームです。
1つの学園を舞台に、捜査と、リアルタイムで進行していく学級裁判が楽しめます。

もう一気にシナリオクリアしちゃいましたので、インプレッション記事は1回きりになります。

◆-- あらすじ --◆
私立 希望ヶ峰学園(きぼうがみねがくえん)。
卒業すれば「人生に成功したも同然」と言われ、何百年もの間、有能な人材を生み出してきたと言われている学園です。
主人公の苗木 誠(なえぎ まこと)は、この学園の入学に「抽選で選ばれた」幸運の持ち主。少し前向きなこと以外は特にこれといったとりえのない彼ですが、希望ヶ峰学園の伝説につられて入学に踏み切ります。

しかし、その学園では…卒業するためには「誰にもバレないように仲間を殺さないといけない」という、残酷な条件が待ち受けていたのです。


●= 概要 =●
◆-- 初めてゲームを開始する時 --◆
新しくゲームを開始する場合、「推理難易度」と「アクション難易度」を、3段階から選択してゲームスタートします。
「推理難易度」は、選択肢での難易度や、ヒントの量に関わってきます。易しい難易度にすると、会話のなかでヒントとなる台詞が多くなるようです。
「アクション難易度」は、裁判でのアクションや、ミスをした時のダメージなどに影響します。
※難易度は、途中で変更できません。

◆-- データインストールについて --◆
タイトル画面から「データインストール」を選択すれば、メモリーカードにインストールデータを作成して、ロード時間を削減できます。インストール完了後、オプションの「インストール機能」は自動で無効→有効に切り替わります。

※注意!
ゲームの進行中に、何らかの理由で「メモリーカードが読み取れない状態」になると、インストール機能が無効に切り替わります。その場合、オプションで設定しなおしてください。

◆-- 物語の流れについて --◆
まず、特に事件が発生していない「学園生活パート」が始まります。
ストーリーを進行するために様々な場所へ移動したり、「自由時間」では仲良し度を上げたり出来ます。

そして、誰かが殺されている現場を発見すると「探索パート」に移行します。
自由に調べられることや操作方法などは「学園生活パート」と変わりありませんが、このパートでは様々な証言や情報を集めることになります。

そして、必要なだけの情報を獲得したら「裁判パート」が始まります。
獲得した証言・情報を頼りに、学級裁判に挑みます。
無事犯人を見つけることができればクリアとなり、次のエピソードに進みます。

◆-- セーブについて --◆
物語のキリがいいところでは、セーブするアナウンスが流れてくれますが、基本的には「学園生活パート」と「探索パート」の間は、メニュー画面の「システム」からいつでもセーブができます。



●= 「学園生活モード」について =●
学園内を自由に移動できます。
ストーリーを進行するために、特定の場所に移動したり、特定の人物に話しかけます。
操作方法は、「部屋」と「廊下」で若干変わってきます。

特定の場所を調べると、たまに「モノクマコイン」を獲得できます。
コインは、1つ下で説明する「モノモノマシーン」で使用できる他、おまけ要素として閲覧できるイベントシーン・資料設定画を購入するのにも使用できます。

◆-- モノモノマシーン --◆
とある場所に「モノクママシーン」というガチャガチャの台があります。モノクマコインを消費することで利用でき、様々な「プレゼントアイテム」を獲得します。
利用していくうちに、当然のことですが「同じアイテムが出現する確率」が上がっていきます。その場合、一度に複数枚のモノクマコインを消費して利用することで、その確率を減らすことができます。『大乱闘!スマッシュブラザーズDX』でフィギュアを獲得するときのガチャガチャと同じだと思ってもらうと良いです。分かる人にしか分かりませんが。

◆-- 自由時間について --◆
自由時間では、一緒に過ごしたい人物に話しかけることで友好を深められます。
一緒に過ごした相手には「プレゼントアイテム」をあげることもできます。相手のタイプにあったアイテムをプレゼントできれば喜ばれて、ちょっとした台詞イベントが発生したり、スキルを獲得できたりします。
ただ、イメージとしてはあくまでスキルを獲得するための行為だと思ったほうがいいです。だって、その人がいつ死ぬか分からないわけですからね…。

ちなみに、自由時間が面倒な人は、自分の部屋のベッドで眠ることで自由時間をスキップできます。

◆-- 操作方法・廊下 --◆
アナログパット上下 … 前進・後退
アナログパット左右 or 方向キー … 視点の向きを操作
LボタンまたはRボタン … 真横に移動
○ボタン … 話す・調べる
画面中央には、常に「照準マーク」が表示されています。移動や視点の調節で人物や調べたい場所に照準マークを合わせると、照準マークに変化が現れます。その状態で○ボタンを押すと、話したり調べたりできます。
扉などを調べると、その部屋に入ることができます。

×ボタンを押しながら移動 … ダッシュ
「ランニング」のスキルを獲得しないと、ダッシュは使えません。

△ボタン … 全体マップ表示のON/OFF
全体マップは、画面いっぱいに半透明で表示されます。
基本的には、表示しててもそこまで邪魔に感じることはないですが、邪魔な時にはOFFにしておきましょう。

□ボタン … メニュー画面を開く
SELECTボタン…会話のログを見る
STARTボタン…操作説明の確認

◆-- 操作方法・部屋 --◆
アナログパット … 照準マークの移動
方向キー or Lボタン or Rボタン … 視点の操作
○ボタン … 話す・調べる
部屋では「移動」という概念はありません。定位置から、アナログパットと方向キーで部屋内をくまなく調べるという形になります。

△ボタン … 観察
△ボタンを押すと、画面に映っている中で調べられるポイントにマークが表示され、どこが調べられるか?が一目で分かります。
ただし「観察眼」というスキルがないと使用できません。

×ボタン … 部屋から出る
□ボタン … メニュー画面を開く
SELECTボタン … 会話のログを見る
STARTボタン … 操作説明の確認


●= 「探索パート」について =●
事件発生後に、このパートに移行します。

操作方法は「学園生活モード」と変わりありません。
ただし、事件に関係ある場所を調べたり、あるいは人物と会話した時に相手が事件に関係のある証言をした場合、調べたデータや証言を「言霊(ことだま)」として獲得できます。
獲得した言霊は、□ボタンでメニューを開いて確認することができます。

必要なだけの言霊を獲得すると、学級裁判を開始する合図が出るので、学級裁判が行われる場所へと移動します。



●= 「裁判パート」について =●
全員が集って、事件の犯人を突き止めるパートです。
通常の会話を挟みつつ、「ノンストップ議論」「閃きアナグラム」「マシンガントークバトル」「クライマックス推理」の、4種類のアクションパートをクリアしていくことで、真相に近づいていきます。
真相にたどり着いて、全てのアクションパートをクリアすれば裁判終了で、成績に応じてモノクマコインを獲得できます。

※説明が長くなるので、「ノンストップ議論」「閃きアナグラム」「マシンガントークバトル」の基本的な概要については、体験版インプレッションを参照下さい。

全てのアクションパートには「制限時間」があり、そのタイムが0になるとゲームオーバーです。
また、以下の失敗をするとハートマークが減っていき、ハートマークが0になるとゲームオーバーです。
・通常の会話のなかで発生する選択肢で、間違った答えを選択
・「ノンストップ議論」で矛盾していない言霊をぶつけた
・「閃きアナグラム」で間違った言葉を選択
・「マシンガントークバトル」で言葉アイコンを破壊できなかった
・「マシンガントークバトル」で最後に矛盾した言霊をぶつける前に、相手側の体力が回復してしまう
・「クライマックス推理」で間違ったコマを当てはめる

ただし、ゲームオーバーになってもその場からリトライができます。
特にペナルティはないっぽいです。(難易度がふつうの場合)

◆-- 学級裁判を始める前に --◆
「裁判パート」開始前には、メニュー画面から言霊の確認をしたり、「スキルセット」を行ったり出来ます。

スキルセットでは、学園生活パートで獲得したスキルを、SPがある限りセットすることができます。
能力としては、「照準マークの移動が遅くなる(早くなる)」「特定のバトルで与えるダメージが大きくなる」などがあります。


◆-- 「ノンストップ議論」について追記 --◆
△ボタンで証拠となる「言霊(ことだま)」を発射してウィークポイントとなる台詞を攻撃できますが、△ボタンを長押しすると、ウィークポイントを「記憶」することができ、それを言霊として使用できます。
手元にある言霊で乗り切れない議論では、この手段を利用してみましょう。


◆-- 「閃きアナグラム」について追記 --◆
答えだと思う文字を次々と撃ち抜いていくというアクションパートですが、どうやら1発で撃ち抜けるわけではなさそうです。
文字の背後にマークがあり、選択して弾を撃ち込むたびに色が赤くなっていきます。そして真っ赤な状態で打ち抜くことで、初めて「選択した」ことになります。


◆-- 「マシンガントークバトル」について追記 --◆
このアクションパートは、リズムゲージにあるポインタを参考にしてリズム良くボタンを押すというものですが、ここでも「ノンストップ議論」と同じで星ゲージがあります。
Rボタンを押し続けている間、リズムに関係なくボタンを押すことができるようになります。もちろん、星ゲージがなくなると使用できません。

ただし。このパートでは相手側も星ゲージがあり、相手の場合は使用している間、リズムゲージのポインタが見えなくなってしまいます。
本当に音楽のリズムだけを頼りに攻略していかないといけません。どうしても厳しい場合は、自分も星ゲージの能力を使うと良いでしょう。


◆-- 「クライマックス推理」について --◆
こちらは、体験版では遊べなかったものです。

学級裁判の佳境で発生するアクションパートで、この事件の全貌をマンガ形式で再現します。
マンガのコマには、「?」となっているコマがいくつかあります。すでに表示されているコマを参考にして、?の部分が事件のどのタイミングの出来事かを推測して、バッチ型のコマから正しいコマを選択して当てはめていきましょう。
全てのコマを埋めると、苗木(主人公)のボイスとともに、コマを見ながら事件を振り返っていきます。

当てはめたコマが全て正しければ、会話が最後まで進んで、推理完了となります。
途中、間違ったコマがあった場合はダメージを受けてしまい、そこで振り返りが中断されます。再度、正しいと思うコマを考えましょう。再開すると、その間違えた手前から振り返りを再開します。

◆-- 「クライマックス推理」の操作説明 --◆
方向キーまたはアナログパット … コマの選択
LボタンまたはRボタン … 選択するコマのスクロール切り替え
○ボタン … コマの選択・コマを当てはめる
全てのコマを埋めて△ボタン … 推理開始


●= ロードメニュー画面について =●
セーブデータをロードした場合、すぐに続きから始めるわけではありません。
ロード後には、専用のメニュー画面があります。

◆-- コンティニュー --◆
以前セーブした場面から、ゲームを再開します。

◆-- チャプターセレクト --◆
すでにクリアした物語の最初から始めることもできますし、学級裁判から始めることもできます。
各物語での、学級裁判の最高記録を確認することも出来ます。

◆-- エキストラ --◆
ゲーム内で登場したイベントシーン・ムービー・収録曲などを自由に見聞きできます。
ただし、モノクマコインで購入する必要があります。


●= その他の細々としたシステム =●
◆-- リアクショントーク --◆
「学園生活パート」などで会話中、台詞に「紫色の言葉」が出てきます。
その時に△ボタンを押した後、その言葉を選択して○ボタンを押すことで、その言葉に対して苗木が質問などを行います。


◆-- 瞬間移動 --◆
メニュー画面でマップを開くと、どこに誰がいるか?とかを確認できるほか、「瞬間移動」をすることができます。マップが広くなってくると、歩いての移動が面倒になるでしょう。そこで、この瞬間移動をガンガン利用していきましょう。
ただし、瞬間移動で移動できる場所は限られています。(大抵は、別の階に移動する階段の手前が多いです)

◆-- バックログ --◆
過去の会話内容は、SELECTボタンを押すことでいつでも確認できます。
メニュー画面の「システム」からも確認できます。


◆--- partygameの評価 ---◆…90点(100点満点)
久々に感じる「黒い魅力」

○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点

限りなくブラックな世界観&ストーリー
グラフィック自体は可愛らしいですが、物語は限りなくブラックです。ところどころでギャグ要素もわりとありますが、それがないと重くてやってられないというレベルかもしれません。
ギャグ要素もマニアックなものが多く、オタクなネット用語などがあったりして分からない人には分からないです。ブラックなストーリーとも相まって、万人向けとは言いがたいです。

しかし、物語や謎解きの構築は、非常に良くできていたと思いました。
雰囲気作りを徹底しているのは体験版でも感じた通りでしたし、最後まで全く読めない展開もGOOD。その「黒い魅力」にいつしか引き込まれ、しかも自由時間以外でこれといって止め時がなく、いつまでもプレイしたくなります。

進行はけっこうスムーズ
これも『逆転裁判』と比較して話してみますが、『逆転裁判』では捜索パートで、わりと総当りで調べていかないといけない場面があったりします。そこで多少面倒に感じるようなことがあったりします。
しかしこの作品では、次に何をするのか?というのが常に提示されるので、基本、ストーリーの進行で迷うことはほとんどありません。最悪、メニュー画面でマップを開くと、行くべき場所には「!」が表示されます。
あと、自由時間も人によっては面倒に感じるかもしれませんが、イヤならベッドで眠ってスキップもできます。その点の配慮も欠かしていません。

裁判モードもいいですね
細かく気になる点はいくつかあるものの、『逆転裁判』と似ているようで違う感覚を楽しめました。特に、クライマックス推理でのクライマックス感は、イヤがうえでも高揚感が増します。
推理の難易度の上がり具合などもバランスが良かったかな~と。けっこうヒントが散りばめられているので、『逆転裁判』シリーズよりは易しいと思います(難易度設定にもよると思いますが)し、本来の裁判のように法律で固められているものではなく、わりと限られた校則のうえで裁判を行うので、ある種「入門用裁判」といった感じだったように思います。

△微妙に色々なゲームの腕前が問われるので注意
「ノンストップ議論」では多少のアクション要素がありますし、「マシンガントークバトル」はいわゆるリズムゲームなので、推理だけではなくアクションやリズムゲームの腕前も問われます。良く言えばバリエーション豊かですが、悪く言えば、自分に合わない裁判でのアクションパートがある可能性が高いともいえます。
私は、アクションもリズムゲームもそれなりに嗜(たしな)んでいるので問題ありませんでしたが、苦手な人はアクション難易度を下げてプレイされることをオススメします。

△その他、思ったことを細々と
・ロードはほとんど気になりませんでした。ただ、これはインストールデータがあった場合です。インストールデータの容量が思いのほか大きいので…インストールデータなしだと、けっこうロードが気になるのかもしれません。

・BGMも、雰囲気に合っていて印象強く残っているものが多いです。

・体験版でも指摘した「リザルト画面が邪魔」という意見ですが、製品版でもなくなっていませんでした。ただ、BGMが途切れなくなったり、ロードが短いこともあって、最終的にはそこまで気にならなくなりました。といっても、やはり会話が中断されているような気分にはなるので、最後まで気になる人もいるでしょう。

・ゲームオーバーになってもペナルティがないので、あまりミスに対する緊張感はなかったですね。せめて、最終結果の成績にマイナス点を入れるくらいのペナルティはあっても良かったかな~と思いました。

・全体マップを表示しながら移動すると、2D表示のマップを見つつ3Dのマップを移動するので、人によっては酔うかもしれません。ご注意下さい。

・インストールデータを利用している状態でPSP本体をスリープモードにし、一定時間置いて再開すると、どうやらメモリーカードが読み込めなかった影響でインストール機能がOFFになってしまう、ということが一度だけありました。稀(まれ)なケースだとは思いますが、もしスリープモードから復帰した後、ロード時間に違和感を感じたら、オプションを確認してみてください。


細々と気になるところはありますが、雰囲気やストーリー、システムは最後までしっかりと構築されており、その「黒い魅力」にどっぷりハマることができました。
体験版とは全然違う展開になっていますし、なにより、いま思うと…体験版は印象の悪いところが目立ちすぎていたように思います。だからこそ私も、体験版を購入して「まあ、すぐには買わなくても良いかも…」と判断してしまいました。
私と同じ心境で購入を控えている人は、騙されたと思って遊んでみてください。細かいシステムが気になる…なんてことはいつの間にか忘れて、世界観の魅力にグイグイと惹かれることでしょう。

ただし、上記でも言いましたがストーリーや世界観は限りなくブラックで、オタクやお下劣な要素もあったりしますので、それを理解したうえで購入を検討してみてください。


関連記事:
PSP『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』 体験版インプレッション(2010/10/12)

その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日のゲーム情報 2011/01/31 | トップ | セグメントゲームズ = 週一ゲ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

【旧】購入・レビュー話」カテゴリの最新記事