セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

議論~皆に知ってもらいたい「うつ病」のこと

2007年04月07日 15時06分31秒 | 【旧】コンテンツ集
ただいま会社では研修をコツコツとがんばっております。そんな中で、私ができれば皆さんにも知って欲しいと思ったことは、話しておきたいと思います。ただし研修内容というのも一応機密事項にはなりますので、そんなに切り詰めてのお話はできないと思います。

さて。タイトルには「うつ病」とあります。会社の研修の中では技術的なことや実践的なことだけではなく、いわゆるメンタル面・精神面での講義をしたりします。
この会社がなぜそのようなことをしたかと言いますと、もう皆さんご存知のとおり世の中はストレス社会。会社でのストレスはもちろんですが、そこにプライベートでのストレスが重なってくるとその重さは何倍にもなります。ゲームの企画者は「ストレスをお金に換えている」といっても過言ではない職種なので、とくにメンタル面においてはいろいろ理解しておけば、仕事に入ってやはり得はすると思います。
その中でも今回は「うつ病」にターゲットを絞ってお話します。


まあみなさん色々ストレスの解消はしているとは思います。私なんかはゲームを遊ぶというのももちろんのこと、カラオケで声を出す(あまり曲知らないうえにへたくそですがw)とか、あとしっかり寝ることもストレス解消になりますかね。しかし、仕事がクソ忙しくなって、ストレスを解消する暇すらなくなることがあります。そうなるとどんどんストレスが蓄積されて蓄積されて「心の病気」、つまり「うつ病」になってしまうということです。

さて、今から5つの項目を挙げます。自分に当てはまるかどうか診断してみましょう。

1.自分は几帳面である
2.約束事には忠実である
3.人から何かを頼まれたら断れないタイプ
4.世間体を気にするほうだ
5.気配り屋で、宴会などでは盛り上げ役になることが多い

上記の項目のうち3つ以上当てはまる方は、「心の病気」になりやすいです。あくまでなりやすいかも?というレベルなので、そこまで気にしないように。ちなみに私は3つ当てはまりました。


…というか、そもそもなぜ長ったらしく「うつ病」という話をしているのか?
皆さんはどれくらい「うつ病」のことを知っていますか?今、うつ病は社会現象と化してきています。私の会社の同期の人も学生時代に周りの友達がうつ病になったという人はたくさんいましたし、私の会社でもうつ病にかかっていらっしゃる方は何人かいると聞きました。しかし世間的にはまだまだうつ病に対する認識があまりに低いです。

うつ病とされる人には次のような傾向がみられます。
・表情や動作がおかしい
・遅刻、欠席が多くなる
・口数が少なくなる、あまり進んで意見を言わなくなる
・話しかけても反応しないことが多くなった など…
その他もろもろ、つまり基本的には周りの人間が「あの子、何か最近おかしいな…」と思った時、それはもしかしたらうつ病の傾向かもしれません。ちなみにこれは元々そうなのではなくて、今まではまともだったのに急におかしくなることが、おかしいということです。
考えてみてください。例えばうつ病について何も知らない教師などが上記のような傾向が見られる生徒を見たら、何ていうでしょう?
「頑張ればできる」「ビシッとしろ」「怠けてるんじゃない」という、根性論で押し付けることになるでしょう。
それが非常に危険なんです。そういった言動が最悪の場合、ホントに自殺へと招くかもしれないのです…。冗談を言っているわけではありません。
うつ病は名前にあるとおり、れっきとした「病気」です。怠けてるとか、そういうことではないんです。怠けたいわけではないのにそれができない、というのがうつ病なんです。病気ですから「治療」すれば大抵は直ります。その為の薬だって普通に存在します。
例えば風邪とかインフルエンザとか、はたから見ていてもおかしいと分かりますし、発熱もしますから分かりやすい症状ですよね。しかしうつ病は非常に分かりにくい。内科に言ったって大抵は「異常なし」で済まされますからね。精神科でないと完全に見つけるのは難しいです。だから余計に世間がうつ病に対する意識が薄いのだと思います。

少し話をそらしまして、現在、日本での自殺者は1日で1000人前後と言われています。1日ですよ?先進国としてはダントツで世界一。割合としては「団塊世代」とされている30代が一番多いそうです。さらにこの数字は、日本での自動車などの事故による死亡者のおよそ4倍と言われています。死にたくなくても事故で死んでしまう人がいるというのに、それよりも遥かに多くの人が、死にたいと思って死んでいるんですよ。こんなむごい話がありますか?
自殺した人のどれくらいの人がうつ病による自殺者がは分かりませんが、うつ病の症状からしてとても少ない割合とは思えません。

だからこそうつ病は知っていてほしいんです。「無知は罪である」はちょっと言い過ぎではありますが、本当に無意識な言動が自殺に追い込みかねないのがうつ病の怖いところなんです。


せめてこれだけは知ってください。
うつ病の人に対して絶対にしてはいけないことです。


○叱らない、非難しないこと
先ほども言いましたがこれは病気なので、怒ってどうなるもんじゃありません。逆効果になるのは目に見えてます。
また、非難というのはどちらかと言うと先生が生徒に対して注意して欲しいところです。これがそのまま「いじめ」に発展することもありますからね。

○無理に励まさない
ここが非常によく勘違いされそうなところです。周りの友達からすればうつ病を早く直して欲しいという気持ちはあると思いますが、「頑張れ」などの励ましは実は危ないのです。だって本人は頑張ろうとしているのに頑張れないんです。そういう病気に対して「頑張れ」といっても、かえって心に重くのしかかるというものです。
例えば大怪我をしたときのリハビリとかで「頑張れ」というのはすごい励ましになりますし、結果として本当に早く復帰できることはあります。しかしうつ病は場合によっては治療に非常に時間のかかる病気です。しかも精神的な病気なので、励ますのではなく、暖かく気長に見守ってあげるほうが本人のためになります。

○気分や努力の問題にしない
これは先ほど例に挙げた教師のような感じです。当然うつ病になった人は追い込まれていくでしょう。せめて「どうした?」くらいの気遣いの声からはじめるようにしてやってください。

○行動をうながすことをしない・薦(すす)めない
ちょっと言葉が分かりにくいと思いますが、ようするに「気分転換にピクニックに行こうよ」とか「疲れてるなら温泉に入ってきたらどう?」というように誘ったり進めたりいうことですね。実はこれもよろしくありません。うつ病の人が明らかに「自分に気を使っている」と分かってしまうと、それが心により重くのしかかる原因となります。
さっきも言いましたが、暖かく見守ることです。

○治療を否定しない
うつ病=病気という認識が低いものだから「薬なんか飲むの?」とか思ってしまうでしょうが、絶対に口に出さないこと。
また、例えば子供がおかしいと思っても親は「まあ別に…」とか「よく分からない症状で病院に行くのも恥ずかしい…」とか思ってしまい、治療の機会を逃してしまうことがあるでしょう。そうなるくらいなら、少しでもおかしいと思ったら周りに相談したり病院にいったりしましょう。
また、一人暮らしでどうしようもない人は自分で精神科に行ったり産業医に相談してみましょう


とにかく大事なことは、うつ病が「病気」であることと治療すれば大抵は直るということを理解すること。「怠けているわけではない」ということを理解すること。そして、ただ暖かく見守ってやるということです。正直、医者でもうつ病に関してはあまり理解が広まってないというのが実情なので、自分だけでも理解してあげてください。

最後に、あなたがうつ病かどうかが分かる診断を載せます。

1.毎日の生活に充実感がない
2.これまで楽しんでやれていたことが急に楽しくなくなった
3.以前は楽にできていたことがとても億劫に感じる(体力的な問題は除く)
4.自分が役に立つ人間だと思えない
5.理由もなくいつも疲れたような感じがする

上記のうち2つ以上当てはまる人は、うつ病になっている又はなりそうな状態にある可能性があります。
以前、私もブログ上で「うつ病かも…」とぼやいていたことがありましたが、上記の診断を見てみるとどうやら本当にうつ病だったみたいです。ただしあの時は1ヶ月ぐらいで自分自身でなんとか乗り切ることができました。就職活動が着々と進んでだことが良かったみたいです。


うつ病は本当に誰にでも起こりうる病気です。しかも気を付けていればかからないというものでもありません。しかしうつ病になったこと、あるいはそれを知られることを恥ずかしいと思わないでください。これは「病気」なんですから。そして自分自身でどうしようもなくなった場合は理解ある周りの人、会社であればできれば目上の人や上司に相談してみてください。あるいはもう直接精神科に行ってみてもいいと思います。
現在では4~5人に1人がかかっていると言われています。また、再発もしてしまう病気であり、中には一生うつ病と付き合わなくてはいけないという人もいるそうです。さらに現在、うつ病になった人の15%もの人が、自殺をしてしまっているそうです。
だからこそ本人、そして周りの人間がうつ病について最低限は理解しておいて欲しいと思い、今回はこんな堅っ苦しい記事を載せてみました。


ゲームと直接は関係ない話でしたが、皆さんが生きていく中でほぼ必ずぶち当たるであろうことなので、頭にとどめていただけたら嬉しいです。
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4 コメント

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Unknown (サク)
2007-04-07 23:23:05
心の病気って非常に難しい問題ですよね。注目され始めたのもここ10年くらいですし。目に見えない部分なだけに、その研究も遅れてきたんだと思います。
で、実際私もうつ病に関しては殆ど無知で、どうしても精神論にもって行きがちです。ですのでこの記事はとても参考になりました。ただ許せないのは、明らかに病気でない人が「心の病です」と言うこと。実際何人かそういう人を見てきましたが、彼らのような存在が、この事態を悪化させてきたのではないのではないか、と感じてしまいます。
因みに私は先の5問、後の5問殆どに当てはまりましたwでも恐らく私は大丈夫だと思います。と言う考えが危ないのかな?


あと、横槍を入れるようで申し訳ないのですが、いくつか気になった部分を失礼します。
30代は団塊の世代ではなく、その子息である所謂団塊ジュニアです。
先進国で最も自殺率が高いのはロシアと言われています。日本は民主主義国家一といったところでしょうか。
自殺者を計算してみたところ、年間の自殺者が3万人ですので、1日辺り80人程度になるかと思います。
差し出がましいようですが、念のためと言うことで(^^;
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2007-04-08 00:26:35
人というのはどうしても目に見えるものしか信用できませんからね。そういう存在から生まれたうつ病というのは、本当に難しい問題です。



明らかに病気でない人が「心の病です」と言う>>

悩んでいるなら分かりますが、自分からいきなり「心の病です」なんてハッキリ言ってくるようなことは、おそらくないですね。ハッキリ断言できるだけまだ精神は安定しているということなので。うつ病というのは精神が不安定で「何となく面白くない」とか「何となく疲れている」とか、曖昧な感じになると思います。



恐らく私は大丈夫だと思います。と言う考えが危ないのかな?>>

大丈夫と思える間は大丈夫だと思いますよ。診断もあくまで目安的なもので、断定するわけではありませんので。



横槍>>

ご指摘ありがとうございます。…ということは、会社のデータが間違ってたんでしょうかね?ただ、私もおぼろげながら「自殺者は何分かに1人」というのをテレビで聞いたことがあるような気がするんですが…。またちょっと自分で調べてみます。

ちなみに指摘いただいたのに申し訳ないですが、携帯電話からでは編集ができないので、訂正は今しばらくお待ちください。
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お久しぶりです (Big Game)
2007-04-11 00:34:58
久々のコメントですが、会社のほうは順調にがんばれているみたいでなによりです。
うつ病ですか認識が薄いわりにデリケートな病気みたいですが、しかし記事を見ると結構自分該当項目があるんですが。。。あ、あれ。もしかし鬱予備軍なんでしょうか?寧ろすでにうつ病なのか・・・?
まぁ現状ゆえにストレスは感じずにはいられないでしょうが、私もゲームをすることはストレス解消になっていたと思います。ですが現状が現状だけにおおぴらにゲームなんてやり辛くてここんところ据え置きなんかはまったく触ってないですからねー。そういえばゲームをすることすら億劫になってるきが。。。
確かに自分が思っている以上にメンタル面は気を使ったほうがいいかもしれません。
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ども、お久しぶりです (partygame(管理人))
2007-04-15 15:06:15
精神的な面、と聞くとどうしても「根性でなんとかなる」的な印象が強いゆえに病気という認識が薄いのだと思います。

鬱病の度合いも様々でして、ひどいと愚痴しかこぼさないようなことになりますからね…。そういう面では、Big Gameさんはきっとまだ大丈夫です(そうなのか?w

…とはいえ、もし心配であれば恥ずかしがらずに精神科に相談してみるというのも手だと思いますよ。マジで。
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