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a green hand

ジャコウアゲハを育ててみた






写真のユリと同化してる蝶がジャコウアゲハ。
といってもこれは鮮やか過ぎる。

Sさんの畑にはジャコウアゲハの食草であるウマノスズクサがたくさん植えてある。
ジャコウアゲハの名を知ったのはここ2年のあいだである。

庭友のTさんは「蝶のくる庭」を造っている。
そこでジャコウアゲハの名を知った。
優雅にヒラリヒラリと飛んでいるかと思うと目が回るほどの速さであちこちを飛び回る。

Tさんがジャコウアゲハの食草であるウマノスズクサを最初に分けてもらった相手がSさんである。

その草の葉の裏に卵を産み付け、卵が幼虫になり、蛹になるまでの間、その草だけをムシャムシャと食む。

Sさんの畑を訪問し、ウマノスズクサを数本貰ってきた。
Nさんとジャコウアゲハの幼虫を育ててみようということになったからだ。
ウマノスズクサを庭に植え付けた。







植え付けて数日過ぎてから再びSさんの畑を訪ねた。
畑のウマノスズクサの葉の陰を見ると幼虫がいた!
ドキッとした。

蛇を見たときの悲鳴は出なかったが、ドキッと身体が反応した。
あら怖いの? それではダメじゃない?と心配そうにSさんが言う。

仕事柄、虫を嫌ったり小動物を嫌うことは失格と思い、平気なフリをしていたが咄嗟の場合は冷静になる余裕はなく身体が先に反応してしまう。

その反応するのが蛇やトカゲの爬虫類である。
幼虫も可愛いという気持ちから遠く、覚悟しないとドキッとする部類である。


写真は借用 ジャコウアゲハのメス

その幼虫を2匹袋に入れて帰ってきた。
帰り際にSさんが「大事に育ててください」と深々と頭を下げた。
その言葉にどうしても育てないとの気持ちが強くなった。

その日から母と私は「観察者」になった。
メスとオスは幼虫から色が違っているのでわかりやすい。

その幼虫が、葉の裏に隠れ、黒いウンチをポロポロ下にこぼして、蛹になろうと懸命に葉を食み、無くなれば茎までも食い尽くしてしまう様子を観察した。
日毎に目に見えて大きくなる。

茎まで食べて食べるものがなくなってしまい焦る。
途中で離して植えておいたウマノスズクサを近くに移植したりで間に合わせた。

2匹の幼虫だったはずが、いつのまにか3匹になっている。
草の葉の裏に卵が付いてきていたのだ。

そしてある日を境に1匹づつ居なくなる。
どこへ行ったのか草を食べ尽くした幼虫は歩き出し、蛹になる場所を決めているはずと信じた。

友人のNは、ご主人と共に羽化するまでを玄関の観察箱で飼育していた。
羽化した後に、ご主人の肩に止まっている画像が送られてきた。

頑張って生きる姿を見て、どんな虫も殺せなくなったとNがいう。
数日観察したのち、羽化した蝶をSさんの畑に返してきたと知り、Nさんもすごい人だと思った。

ジャコウアゲハは地域により遺伝子に違いが出るので、観察した後、あちこちに勝手に放すと国内外来種になると知った。

それを知っていたのかわからないが、NさんはSさんの畑にきちんと返したのだ。

もしかしたら写真のジャコウアゲハは国内外来種かもしれない。
2日ほどの訪問だった。

私の庭には常時3匹のジャコウアゲハが舞っている。

私の庭にジャコウアゲハが姿を現したときには驚きと嬉しさで一杯になった。
「私のジャコウアゲハ」と思わず言ってしまった。

その日から母と私は「観賞者」になった。
「来てるよ」「バーベナの花が盛りを過ぎたらラベンダーの花に移ったね」「今度はユリに止まった」と。

新品だった若い羽も3週目辺りになるとくすんで見えるようになってきた。

羽がボロボロになるまで飛び続けるのか、まだ仕事を果たせていないのかもしれない。
それぞれに命を全うしようと頑張っている。

あー、どれもこれも尊いな〜。




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