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a green hand

行って来ました。

行くまで調子が悪かったのに出かけると即元気になった。
一足先に出かけ、楽器屋さんに用があったMさんと東京駅で待ち合わせた。

東京お昼ごろの新幹線のぞみで新山口に降り、特急ときで夕方5時過ぎには津和野に着いていた。

コンビニもないところだからと聞いていたので、どんな町かと期待していた。

駅からすぐに今回の目的地「安野光雅美術館」の赤い屋根が右方向に見えた。

安光<あんみつ>ファンのIさんは津和野には何度も来ている。

美術館は5時で閉まるから外側から眺めて置くようにと前日にFAXがきていた。
それでも荷物が重いのでその日に泊まる「吉野屋」を先に目指すこととした。

津和野駅に着き、すぐにタクシーに乗るご夫婦がいた。
「よしのや」と言ってるのが聞こえたので、私はめざとくタクシーがどの方向に行くかを見届けた。

なぜならIさんから駅からタクシーに乗れとは言われず、その道すがらの「見学リスト」が届いていたからだ。

明石のIさんとは翌日に津和野駅で待ち合わせることになっていた。

吉野屋に着き、チェックインを済ませると再度、言われたとおり安野光雅美術館へと向った。

途中、「鯉の泳ぐお米屋さん」を見るようにといわれていたのでウロウロしていると、店の人が鯉は中庭にいるという。

餌が置いてあり、100円で鯉の餌を買う。
Mが餌をやるとものすごく太った鯉が音を立てて寄ってきた。

なるほど、観光客に餌をもらい、津和野の鯉は育てられているのだ。

近道もできそうなので、裏道から美術館を目指す。
すぐに、焼き杉の壁となまこ塀が見えてきた。

津和野の町にすっかり溶け込んだ和風建築様式の美術館である。
この建築に関して、安野さんの著書「職人たちの春」がある。
7年前にIさんからいただいていたがIさんほどにその本に気持ちは入っていなかった。

しかし、実際にその建築を目の前にするとなんだかその本に申し訳ないような気持ちになり、気づくと家に帰ったならその本をすぐに見るつもりになっていた。

一回りし、写真を撮り、美術館の下見を終えた。

あたりは薄暗くなっていたが、きれいな水に津和野を象徴する花菖蒲と太った鯉が泳ぐ堀が続く殿町を散策する。

古い建物が落ち着いた空気を放ち、観光客は我々とあとわずかな人が歩いているだけ。
細い路地に入ると、津和野町の花なのだろう、ツワブキの濃い緑の丸くて固い葉があちこちで光っていた。


歩いているうちに津和野の三日月が丸い山の間に空高く見え、絵になる。
安野光雅はこの中で育ったのだ。

なまこ塀と堀と門構え、明かりのついている古いお屋敷らしい門があるので、のぞいて見ると津和野町教育委員会とある。

なるほどコンビニなどは絶対に似合わない町である。

津和野の蛍バスのシーズンも終わり、花菖蒲もチラホラと咲き残り、寂れて人のいない町とここの人のいない町とでは全く雰囲気が異なっていた。

歴史が昔のまま止まったような町である。
ホテルや旅館が少ないことが津和野らしさを残しているのだと思う。

津和野はさっと通過する町なのかもしれない。
我々はまたもやいい「くじ」を引いたかもしれないと思った。
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