
長いこと、ミツバチトトウライと読んでいた。
お恥ずかしい。
4日、封切り。
5日にK先生と映画を見に行った。
K先生にこの本をお貸ししている間に、急にTの形見となってしまった「蜜蜂と遠雷」
返してもらうのもそこに触れる事も嫌というほどショックを受けた。
彼女の死を知ったのは今年の初め、ひと月ほど経ってからだった。
Tは本を買っても手元に置かない主義の人だった。
色々な人が読みついで最後に私のところに来た「蜜蜂と遠雷」
K先生も長いこと借りてることに気が急いていたのか電話をくれた。
ようやく私の気持ちも落ち着き、映画化されたのをきっかけにK先生と一緒に映画を見る日に返してもらう約束をした。
映画を見てみるとこんな風だったかしらと定かでない。
先生も違和感を感じたらしい。
おおよそ、本を読んでからの映画はそんなものである。
風間塵が1番印象的で記憶に残っていたので、栄伝亜夜を中心にするとこうなるのかとの思いで映画のイメージをもちつつ再読した。
いや、原作では主人公は1人と決められない同等のストーリーがあったから、「主演の栄伝亜夜………」に違和感を覚えたのだと思う。
「ピアノの森」の熱狂的なファンだった10歳下のTさんが初日に観て主人公について話すのを聞いた私は「主人公っていたっけ?だとすると風間塵?」の感覚であった。
映画はところどころジワっときて心が動いた。
とにかく観てきてよかった。
そしてもう一度原作に親しみたくなった。
分厚い本で500ページぐらいあるのだけれど読みやすく、音がビッシリ詰まっているようでうれしくなる。
500ページもの中身を2時間の映画に収めるのだからそれは大変である。
映画でプロコフィエフの協奏曲がガンガン鳴り響いてコンサート気分を味わった。
良かった〜。
でもサントリーホールあたりで、プロコフィエフのピアノ協奏曲2番か3番をじっくりと聴いてみたい。
誰のピアノでどこのオーケストラで?
指揮者は?
こんな妄想は楽しそう。