
Nさんから、カボチャの4分の1を食べるのを手伝って欲しいと託された。
Nさんがどなたかにいただいた大きなカボチャである。
美味しいからともらうことはあっても美味しくないといただくのは初めて。
気の置けない友だから許される。
さて長いこと冷蔵庫で眠っていた美味しくないと評価されたカボチャの存在。
暑くて私も眠ってばかりいたが、その間もカボチャが気になっていた。
早く料理しないと。
美味しくないカボチャをいただく前にYさんから京野菜のお漬物をNさんと共にいただいた。
それは、小さなカボチャ半分の漬物である。
なかなかのお味で美味しい。
さて、何にしよう。
塩バターカボチャ煮ならいいかと思いきや、甘いカボチャと塩がマッチして等など。
甘いカボチャじゃないから却下。
カボチャの漬物は未経験なのでちょっと不安。
カボチャのチーズケーキ。
これも材料を揃えるのが大変なので却下。
ポタージュ?
甘さが欲しいのでタマネギをたっぷり使おう。
ジャガイモもおいしいのがある。
二種ともに野菜作りエキスパートからの頂き物。
母がトウモロコシを外して冷凍保存しておいた、これも使おう。
こうして出来上がったポタージュスープである。
1番味にうるさい、なかなか美味いと言わない母の気にいるように作るのが問題だ。
途中で夫に味見してもらう。
「ここに牛乳と塩コショウが入るのだけど」
「こういう味のレシピなの?」
微妙なコメントである。
「いやオリジナル。」
オリジナルで作るほど私は料理が得意ではない。
ただ、夫の入院中に本気で作り続けたポタージュの感覚はまだ残っている。
辰巳芳子さんの「いのちのスープ」
材料も切り方も辰巳さんのレシピに忠誠を誓い、野菜嫌いの夫のため病院にまいにち運んだのだ。
今回のはオリジナル。
それで母に味見をお願いすると「甘いない」
野菜だけの甘さである。
「母ちゃんはうまいと思わない」だとか「普通」とか、はっきりしすぎる言葉は聞かれず、めでたしめでたし。
Nさんに、いただいたカボチャでポタージュを作ったことを報告すると。
「カボチャもっと欲しい?」
「えっ!」と一瞬思ったが、「いただきます。この間と同じカボチャですか」と聞いてみた。
「いえ、こんどは もっと美味しそうなもの」
「皮の赤い金山カボチャ🎃」
「Yさんにも4分の1上げてきたの」と。
「金山カボチャ、それはすごい」と返信した。
どちらも私の5歳、10歳も違う友人である。
「気の置けない」は微妙にふさわしくない言葉だったかもしれない。ボソボソ