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a green hand

行ってきました、西会津

高速に乗り、朝早く出かけた。
震災以来、旅行気分を初めて味わった。

行き先は会津地方。
西会津というのは夫が決めた。

Aさんに話すと、そこの町はとてもお年寄りには恵まれている住みやすいところ
であるとの情報を得た。

ロータスインという温泉施設もある。
そこを目指した。

磐梯山が見えなくなると前方右側に雪の飯豊連峰がみえてきた。
その姿に、気持ちが洗われた。
美しい!実に美しい飯豊連峰。

高速に1時間と少し乗ると西会津のインターチェンジが見えてきた。
福島中通りからずい分離れたことで嬉しくなった。

途中、大きな道の駅があり、そこで駐車した。
朝早いので、野菜を求めに来たお年寄りの静かな優しい声が響いていた。
なんと穏やかなイントネーションの会津弁なんだろうと。

そこで頼まれた山椒を探した。
「あった」
3袋あった。
一袋でもぎっしり入っているので、間に合うかと思ったが一袋を誰かのために残した。

次に、ふき、わらびの山菜類を買った。母へのお土産である。
レタス、きゅうり、味噌、も買った。
そこで2000円以上の買い物をすると、ロータスインの50%割引券が提供
されるという。2枚もらう。

西会津の線量は0・1マイクロシーベルトである。

わが町の1・7近くある線量からするととても羨ましい。

バンガローには被災者で満杯であり部屋も6室は被災者用であるという。


緑濃い中に入り、清らかな風が通るところにロータスインの標識が現れて
きた。


ロータスイン・・天国の入り口のような名前だ。

車から降り、深呼吸をした。
今さらながら失ってしまったわが町の清らかな空気を悲しんだ。

そこの温泉は、塩化ナトリウムを多く含む泉質であり、源泉かけ流しの湯である。

温まりすぎるぐらいの温泉で、露天風呂も気持よく5月の空気を初めて吸った気がした。
お風呂から上がると眠くなり、窓から緑の風が入るのを感じながらウトウトした。

私は、友達に手紙を書き、夫はそこで〈原発事故残留汚染の危険性〉という武田邦彦の
本を読んでは眠り、お風呂に入りという具合に過ごした。

周りはお年寄りが多く、私はそこではとても若い人であった。

3時ごろになり、帰り仕度をした。
帰りたくなかった。
すぐに車に乗るのは勿体無いので散歩した。

バンガローが森の中に佇み、普通ならどんなにか楽しい会話をして過ごす、非日常を楽しむための
バンガローであったろうに、帰る当てもない人々の避難場所になっていると思うと辛かった。
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