a green hand

野良の決意



日曜日、「玉三郎が出てったまま戻りません」とYちゃんからメールがあった。

そうか〜野良として生きることを選んだのかと私は、複雑な気持ちになった。

私がこんな気持ちなのだからYちゃんはどんなに寂しいだろうと思い、心配していた。

野良として生きる決心をしても、尻尾は無くなり、手術のため体の半分にはまだ、毛が生え揃っていない。
耳先を小さく三角に切られ、他の野良とは違うんだぞという病院から貰った刻印もある。
以前の腐った尻尾と体に傷のある姿の猫ではなくなっている。

私の心配は、仲間外れにならないんだろうかであった。

火曜夜、猫は戻ったかとメールすると直ぐに電話をくれた。

翌日に戻ったが私に報告すべきか迷っていたという。

泣いてばかりいた野良の「玉三郎」が、帰ってきたら全然泣かなくなったという。
大人になって帰ってきたというのだ。

Yちゃん曰く、「自分の居場所をこの家に見つけたんだと思う」
「泣いていたのは自分はここにいていいのか」と不安だったのではという。
「それとも仲間に挨拶に行ったか」
妄想に近い想像はどんどん膨らんだ。

帰ってきた野良を抱っこしてYちゃんはいろいろと聞いたらしい。

喋れたら、外であったことを一気に話して、やっぱりここにおいて欲しいとYちゃんに頼んだ筈だ。

居場所を得た野良は泣くことをやめた。

野良が泣き始めると、「さくら」も「ジゲン」も嫌がって外に出て行くという。
泣かなくなった新参者の「玉三郎」を他の2匹が受け入れて落ち着いて過ごせるのもそう遠く無いように思う。

電話の向こうにとても嬉しそうな満足そうな彼女を感じた。
野良は「玉三郎」として彼女の家で生きることを自分で決めたからだ。

めでたしめでたし
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