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a green hand

東日本大震災12年目のリサイタル 牛田智大

2:46 1分間の黙祷があり、3時からリサイタルがスタートした。

牛田智大(ともはる) 私は2度目である。
1度目は2021年 第18回ショパン国際ピアノコンクール前であった。

惜しくもショパンコンクールでは入賞できなかった。

今回は、牛田さんの短いトークがあった。
彼は今年23歳である。
東日本大震災時に11歳だった彼は音楽家として生きる道が決まったという。

心のこもった音で人々の光になれたらという事なのだろう。
それで今回の福島でのリサイタルを選んだという。

選んだ曲も震災に因む、「葬送」が、シューベルト シューマン ブラームス それぞれの曲の一部に入っているという。

曲選びにだいぶ時間をかけたという彼の真摯な気持ちがくみ取れた。

どれも私には馴染みがなく、リサイタルがなかったなら聞くこともない曲だった。

それで大きな思い違いをしたエピソードがある。

シューベルト シューマン ブラームスの曲の演奏と、だいぶ前から捉えていたが、シューベルトの曲が2曲とは思っていなかった。

シューベルト、シューマンはピアニストなら誰でも好きだというきれいな曲。ブラームスのピアノ曲は聴いたことがなく、私はブラームスのあの顔からして重く壮大な曲なんだろうなという先入観で臨んだ。

会場が暗く途中でチラシを見る事もなく聴いていた。

3曲が終わった時、休憩のアナウンスが入り、「え?休憩の後何をするのと笑える疑問が起こった」

シューベルト   あー美しい曲だ。冬の旅を思い起こしながら、歌ってるな〜と感動していた。
シューマン      同じような時代の作曲家らしくシューベルトに似てるな〜(シューベルトの曲である)

ブラームス      やはりシューベルトとシューマンとは曲想が違うなとブラームスの顔を思い浮かべていた。(シューマンの曲である)

休憩中にチラシを読めばわかる事だが納得できずしばらく混乱気味の私。

シューベルトの曲が2曲続いた後にシューマンだったのだ。w


1曲目が シューベルト       小品 アルグレットハ短調 D915
2曲目が  シューベルト      ピアノソナタ第13番 イ長調 D664 Op.120
3曲目が  シューマン         ピアノソナタ第1番 嬰へ短調 Op.11
休憩

 4曲目    ブラームス         ピアノソナタ 第3番へ短調

ブラームスの第3番へ短調は、5楽章まであり、ビックリである。

全曲がそれぞれ20代で作曲されたという。
その曲を20代の牛田君が弾いた。




アンコール曲も11日に相応しい3曲も弾いてくれた。
トロイメライは前回も聴いたが、牛田君のトロイメライと称したいほどに美しい。

私の勝手な感想だが牛田君はどこかに日本人にはない雰囲気を持っていると。
福島県、いわき市で生まれた彼が父親の仕事の都合で、海外で過ごした。
生まれて直ぐに海外ということだから、乳幼児期の6年間は上海である。
どこかに上海の風を感じて育ったのだろうと思ってみた。

もう一つ気になった事は、前回も牛田君のピアノの音で気になったのだが、調律が悪いのかピアノが悪いのか、はたまた私の耳が悪いのか最後に残る音に微妙な音が共鳴し混じる気がするのだ。

前回は同級生のピアノ調律師だったので身内気分で評価してしまって心配していたが、今回の調律師でわかった。
調律だけの問題ではないと。

前回より、多くの気になるところがあったからだ。

youtubeでも家庭のオーディオ機器でもより研ぎ澄まされたピアノの音が再現されている。
そのせいなのか気になる部分を感じるのだ。
聴く場所によるのかもしれないが、

音楽堂は福島市民として自信のあるホールであるが、ピアノは判らない。

せっかく福島まで来てくれるピアニストなのだから、私の耳のせいだと思いたい。

この3年、東京に出かけることがなくサントリーホール、東京芸術劇場、紀尾井ホールなどでの演奏を聴かなくなった。
そろそろ出かけたいと思うが3年という年月は老いてからは大きい。w





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