パリ裏ラ

ステキパリのみならず
ちょっと裏側のパリをも
案内します

討論

2009-10-16 21:16:00 | フランス生活
きのうの晩は マックス&ソランジュ宅に呼ばれて 夕食をごちそうになりました。
といっても フレンチフライが夕食なんだけど。
ジャガイモを切って フレンチフライ用の機械で2度揚げし それを サムライソースと言われるチリ風味のマヨネーズにつけたり、ソランジュ特製のカレー味のマヨネーズにつけたりと 寒いときにはもってこいの夕食でした。(栄養バランスは知らない)

そして 昨日は 私が話しだした「ユニクロでの 青年しかられ事件」を発端に かなりの討論会になりました。

話は フランスのサービスの悪さについて移行して行き
マックスが 「デカトロン(フランスのスポーツショップビッグチェーン)で自転車買ったけど サービス最低だったよ。
対応が冷たいとかに関しては今更いう必要もないと思うけど 間違ったものをかわされたのには本当に腹が立ったよ」と言った。

すると 彼らの友人のクリストフ(NGOで働いている)は 「デカとロンは労働条件が悪くて有名な会社だからね。彼らに良いサービスを求めるのは間違ってるよ。会社からきちんとした扱いをうけてないのに どうしてその人たちが会社の利益になることに対して笑顔を作る必要がある」 と 言った。

ソランジュと 私は反抗する 「いやいや でもさ 彼ら只で働いているわけではないし 第一お客には何も利害はないはずだよ。 きちんとした対応をすることと 従業員と会社の問題は 同じではないし それは もっと人間性の問題だと思うよ」
と言うが クリストフは納得しない。

そして 「日本のサービスは確かにすばらしいよ でも 自殺者の数があれほど多いというのとは 関係していないのかな」
と言う。

フランスでは 従業員もお客も 同じ人間という考えを元に お客にこびをうる必要はないと考えている人が多い。お客の身からしたら 「ちょっとちょっと 何故私の方が 君たちのおしゃべりが終わるのを待たねばならないんだい?」「何故私の方が 良いサービスをしてもらうために あなたに必要以上に気を使う必要があるの?」など 感じることが 多いが
(でも確かに 日本はちょっと行き過ぎなところもある。同じ人間同士なのに なぜ お金を払う側とそうでない側で 地位が変わってしまうのか。たとえば 挨拶もしないし 始めてあった人なのに すごく失礼な言葉使いをしている人などもいる。
もちろんそれを当たり前に受け入れて 飲み込んでしまっている部分もあると思うが 言われた側にはストレスが残る。)

自分が従業員だったら 「何だか楽だろうなー 失礼なこと言われたら言い返したっていい社会だし」 と思ったりもする。

最近 フランスのNTTである フランステレコムの従業員の自殺者が急増している ということが話題になっている。
ノルマを達成するためのプレッシャーから鬱になる人が増えたり 電話対応もマニュアル通りにやることが義務づけられたらり
と それにたまりかねた従業員が 会社の窓から飛び降りたり 会議中にお腹を刺したり と 会社に見せつけるように自殺を図っていると聞く。
 
これに関しても 「フランス人は何かと 権威のあるものに反抗したがる」とか「コントロールされることが以上に嫌いだ」などなど 色々と熱い討論が繰り広げられましたが フランステレコムの事態はもっと深刻なようです。

しかし 日本の自殺者の数は異常だ。年間3万人以上の人が ここ11年連続で命を絶っていると聞く。
理由は色々だと思うが 会社からのストレス 社会からのストレスが原因というのもとても多いらしい。
そんな自殺者が後をたたない社会より
少々サービスが悪くても 少々融通が利かなくても つまり少々不便でも もうすこし 自分に正直にいられる社会のほうが健全なのかもしれない。
フランスと日本 お互いに爪のあかをせんじて飲んだら 調度よいくらいかと思うが
どうやって現実になるかは わかりません。

しかし昨日は こんな私も負けじと色々言いたい事が言えて
いやあ 無駄に年をとってないなあ と ちょっと嬉しかったのでした。

追伸
先日あるスーパーマーケットで 商品が切れていたので(よくある)在庫はないのかと聞くために 側にいた店員さんに
「すみません」と話しかけました。すると そのお兄さんは 私がこれから言おうとしていたことを遮り「ボンジュール!!」と言います。私は にこっと笑い また自分の質問をその人に投げかけるのですが またまた遮られ「ボンジュール!!」と言ってきました。 つまり 彼は 私に「ものを頼む前に 人として挨拶をするのが当然だ」と教えようとしたわけです。
蹴っ飛ばしたくなる衝動を押さえ 私はこんな馬鹿者にボンジュールと言うのを拒み その場を去りましたが こういう考えの人がたくさんいるのが フランスです。 「すみません」だって 立派な挨拶だと思うのですが。 ね 腹立つでしょ?
これが フランスなのですよーーー。





ユニクロへ

2009-10-15 14:48:25 | Weblog
日の出がだんだん遅くなってきました。朝8時頃にやっと空が明るくなります。
冬時間にかわるのも もうすぐでしょう。(いつかは知らない)
日の入りは 夜7時頃でしょうか。最近気温もぐっと下がり出しました。
何だか これまでずっと温かかったので ちょっと寒いパリもいいかなあと思う今日この頃です。

話題のユニクロにも先日行ってきました。さすがに外での待ち時間はなくなりましたが もうすごい人っていったら
ありません。老若男女、肌色いろいろ、多言語が飛び交い 活気に溢れていました。商品は多分にほんとほぼ同じで 値段も
それほど変わりません。観光客が集まる オペラ界隈(ギャラリーラファイエットとプランタンという2大デパートがあるすぐ目の前にユニクロはあるのです)で 他の国の人への宣伝効果も高いのだろうなあと思います。きっと パリで成功したら 他のヨーロッパ国へどんどん進出するのでしょうね。
ストレッチのズボンが9、9ユーロと破格の値段だったので 30分並んで試着しましたが お金を払うにも長蛇の列。
なんだかうんざりで 結局自分のサイズを確認しただけで 帰ってきました。もうちょっと落ち着いたら買いにいこっと。

ユニクロ。サービスも日本式でというのを宣言していただけあって 店員さんの対応もしっかりしていました。
そして ちょっと面白いことも(彼には面白くないだろうけど)
オープニング期間だけ雇われているという 「お勘定最終列」という看板を掲げた男の子が 友人が遊びにきたので
おしゃべりしていました。すかさず 40代くらいの日本人スタッフ(多分日本から派遣されている感じ)から
「君 しゃべってんじゃないよ。看板曲がってるよ」みたいなことを言われて怒られてました。青年は驚いて「えーぼく何もしてませんけど」とフランス的に身振り手振りで言い訳してましたが その日本の人は表情も変えず「いやいや ちゃんと働いて」と言って去って行きました。 それを見て 何か日頃のうっぷんがすっきりしてしまった私。

日本の店員さんが結構たくさん働いています。試着の列でならんでいるときに 女の子たちが 「ここでも中国の人がたくさん働いてるねー どこでも中国の人だよねー最近ー」と言っているのが聞こえて何か笑えました。私が ヨーロッパ人を区別できないように(最近はちょっとできるようになってきましたが)彼らも アジア人の区別はつかないようです。
その彼女らキティーちゃんの話もしていました(暇だったのできいてたのです)「えろきてぃ、えろきてぃ」って。
Helloはフランス語読みすると エロ なんですよね。  サンリオ商品らしからぬ発音ですがしょうがありません。
エロキティーはエロキティーなのです。

最近 つなみ(猫)がすっごい早起きで きょうは5時に起こされました。
そして それから寝付けない最近の私。としか これは。。。

さてさて 外も明るくなってきたのでこの辺で。

フランス女子

2009-10-09 18:53:38 | Weblog
フランス女子はお洒落である。
決して ブランドで身を固めているというわけでなく(そういう人ももちろんいるけど)
そう高価でないものを 上手に組み合わせて 自分のお洒落にしている人が多いように思う。
18区では 古着をうまく着こなしているお姉さんたちも多くて いつも振り向いてしまう。
まあ スタイルがいいですからね 何をきてもかっこいいのだ。

お洒落であるのは 若い人たちだけではなく どの女子も
年齢を重ねれば 重ねただけの魅力あふれるお洒落をしている。
隣りに住む ご夫婦 多分70~80歳くらいだと思うのだが
旦那さんは パンを買いに行くだけでも きちんとジャケットを着て
お出かけなさる。
奥様は いつでも 素敵な洋服を着ていて 決して健康シューズのような ださい靴は履いていない。
必ずヒールのある靴を履いている。口紅は赤。かっこいい人である。

おばあちゃんだからといって 日本で言うおばあちゃんの色を身につけている人は見た事ないと言ってもいいかもしれない。
みんな 元気になる明るい色を着ている。

ダイアナは 今年62歳だけれど いつも 紫や濃いピンク そして赤(おちついた赤)を着ている。
決して黒は着ない。彼女曰く「若い頃は 黒とかグレー着てれば様になったからね いつも着てたけど、年取ったら暗く見えるだけだし 実際気分も暗くなっちゃうからね、もう絶対きないことにしてるの黒は」
そんな赤パン効果抜群で 確かにいつも元気がよくて 太陽みたいである。
観光に来ている日本の60歳くらいのおばさんたちは こちらだと80歳くらいに見えてしまうのは(でもこちらの80歳の人派手だけどね)その色にあると思う。まだ若いのにそんなおばあさんみたいな色を着ている奥さんを見て 何もいわない旦那さんが私は悪いと思う。奥さんを放置しすぎである。

こちらの女性が いくつになっても女であるのには 男性がいくつになっても男であるからだと思う。
例えば60歳の女性が きれいに着飾っていたら  まわりの男性は「わーきれいですね」と言う。
そんなことを言われると 女性はますますきれいになっていくものなのだ。
そして 男性もきれいな女性から「まーありがとっ」とか言われて まんざらでもない感じで嬉しくなる。
そこには相乗効果があるのだ。



その点 日本人は褒めるのが下手だなと思う。 けなすことが 愛情だと勘違いしている人が多いのだ。
そういう文化だからと言う人もあろうが そう毎回けなしてばかりでは 相手もやる気が減るではないか。3回に1度くらいは
褒めなくてはだめだ。 今はセクハラという問題もあって大変かと思うが(でもあれ 人によることが多いように思うな)
女性が男性を褒めるのは まだ許されると思うので 素敵なネクタイしてるおじさんがいたら ぜひ褒めたい。
勘違いされないように褒めないといけないけどね。
人間何歳になっても 褒められるのは嬉しいものです。

岡本太郎の著書の中で 彼が「日本では芸術家は育たない」と言っている。
例えば 子どもが絵に目覚めたとして 部屋で静かに絵を描いていると 家族の者が入って来て「何だその色」「もっとこうこうではないかい?」「お前が絵を描くなんて熱でもあるんじゃないかい」などなど 失礼なことを言う。
たとえ才能があったとしても こんな環境の中では 自分の才能に目覚める前に その芽を摘み取られてしまうのだと。

褒めて褒めて勘違いの子になったら困るからね そんなに褒めないよ と言う人もあるけれど
自分に自信がないより 勘違いの自信でもあったほうがいいように私は思う。勘違いの部分は きっと学校や社会で
踏みつけられる可能性大だけれど 残った自信で何とか立ち直るように思うから。
子どもは褒めて育てたいものです。
そして 子どもだけでなく家族も同じく。

                 
              TF1のお天気お姉さん(多分50歳代?)。見習いたい。

ミーハー心で

2009-10-05 20:05:04 | パリ表
最近 友人から借りた「東京タワー」というドラマを連日観ています。
日本で第一回だけをちらっと観たのですが こんなにいい話だとは知りませんでした。
毎回 泣いています。翌日 目が腫れていますが 何か心は少しすっきり。こうやって時々泣くのは
目の掃除になってよいのかもしれません。(本当に悲しくて泣くのはいやですが)
それにしても アジアのドラマは 家族愛だったり 切ない恋愛だったり もどかしさがあっていいですね。
フランスも大変な日本ブームですが まだドラマなんかは放映されてません。もしされるようになったら
禅や漫画の日本でない 本当の今の日本が伝わるのになーっと思います。(ちなみに 風雲たけし城が時々やってます。
あと しばらく前ですが とんねるずの人間パネルくぐり?のパクリ番組がありました。)

ところで 先日 友人の知り合いが現場で働いている ということで(頼んで)「のだめ」の撮影現場に行ってきました。
行くぎりぎりまで 何だかちょっと恥ずかしい気持ちがしてたのですが、いやあ 玉木宏を見たらそんな気持ちもふっとびました。 玉置じゃなくて玉木くんは 顔はテレビのままでしたが 体はもう細いのなんのって。
でも そんなことよりも 番組制作に関わっているスタッフの数に私は 驚きました。
ただ 玉木くん一人が道を歩くだけのシーンに 何人もの人が一斉に玉木くんと 歩きだします。照明さん カメラさん マイクさん そのアシスタントさん 10名以上の人が一斉に動き出すのを見て 少し感動すらしてしまいました。
もの作りって本当に何人もの人が関わって そしてその思いがつまっているのだなあ と 改めて思い そんな人たちの気持ちを一身に受けて演技する俳優さんたちは 本当にすごいし 大変な職業だなと思ったりしました。
 
 そして 当たり前って言ったら当たり前ですが のだめに出てくるフランス人ってみんな日本人が描くフランス人ですね。
撮影でも 通行人としてフランス人(と思います)役者が歩いていたのですが 口髭はやして ちょっと太った スーツを着たおじさん達でした。休憩中に モロッコかどっかの長ーいあごひげ生やしたおじさんが民族衣装、しかも足下はサンダルでという出で立ちで 通り過ぎたのですが こういう人こそ使ってくれたらいいのにい=と勝手に思ったりしました。(撮影中にぜひカメラの中に入っちゃって カーット!!カーット!!と言われてほしかったけど)


のだめ放映楽しみです。

その後すぐに会った友人に「ねえねえ 聞いて!私 今ねえ 玉置浩二見てきたのーーー」と言ってしまった私。
似非玉木ファンであることがばれ かつ 自分が昭和の人間であることを再確認したのでありました。

追伸
一緒に行った友人は 日本のテレビドラマなどまったく見ない人で 「のだめの予習してくから俳優さんの名前教えてー」と言うので たまきひろし と教えてあげたら 「玉置宏」とネットで調べたらしい。
「みなちゃーん。なんか NHKのおじさんアナウンサーでてきたんだけどーーー」と翌日言ってました。
この人 日本に帰れそうになさそうです。


                
                撮影場所近くから見たエッフェル塔

祖父母に会いにイギリスへ 1

2009-10-01 18:58:17 | Weblog
9月1日から急に寒くなったパリでしたが
9月中旬あたりから またまた温かくなり連日秋晴れが続いています。
秋は私の一番好きな季節です。
少し 寂しいところがいいのです。夕日がきれいなのがいいのです。
陸上部だったころ 体を吹き抜ける秋の風の気持ちよさを今でも覚えています。(いつの話?)

こんな天気のよさに背中を押され 夫のおじいちゃん、おばあちゃんに会いにイギリスはブリストルまで
行ってきました。(夫の母 ダイアナはイギリス人なのです。今はおいしいところだけ フランス人になる彼女ですが)
シャルルドゴールから エアフランスのプロペラ機で 揺れに揺られてブリストルに1時間半で到着しました。
10人くらいしかのってなかったと思います。フライトアテンダントの方はこんなプロペラ機でもきれいな女性でとっても親切で感激しました。(タイ航空のバンコクーバングラのダッカ間のアテンダントさんはひどかったなあ。何で私がこんなラインで働かなきゃいけないの!ってのが顔に出てたし、体臭が強い人が多いので思いっきりスプレーまいてたし)

ダイアナに迎えられ 家に行く前に「今日しか時間ないからね ショッピングしたいでしょ 行きましょう」と 
ショッピングモールへ。マークアンドスペンサーという イギリスの老舗洋品店へ行ってきました。
対ユーロの ポンドがあまりにも安くなっていて もう驚いたのなんのって。質もフランスのものよりずっと良いし(マークアンドスペンサーは質がよくて有名)サービスがまたこれ 良い。

日本にいたら 普通に感じるサービスでしたが フランスから行ったものだから もう感激感激。店も清潔。店員もおしゃべりしないで働いている(フランスでは彼らのおしゃべりが終わるまで待たないといけない理不尽なことが多々あります)
試着室には中にボタンがついていて「御用の方は押してください」とあったので 押してみました。
すると 忍者のように素早く店員さんがやってきました。ドアを少し開けると「どうされましたか」と笑顔(フランスではまずない。)ちょっとサイズが合ってるのかどうかわからなくて。。と言うと「ちょっとはいっていいですか?」と
これまた忍者のように できるだけドアを開けずにするするーーーと中に入ってらっしゃる。
すぐさま「そうですね 別のサイズをお試しになられたほうがいいですね。」と別の物を持って来てくれた。
感激 感動 雨あられ でした。

このマナー、ジェントルマンシップが残っていることには 皇室の存在があるからではないかと考えてみました。
王様の首をちょんぎった国にはない何かが この国にも 私の国に共通してあります。島国ということも挙げられるのでしょうか。何か尊いと思われている存在が上のほうにあるっていうのは 国民を安心させるのでしょうか。
一体なんなのでしょう。

結局5時間もショッピングに費やし 家についたのは夕方。
到着してすぐに ダイアナとその母のけんかを目の当たりにしたのでした。
母「事故にでもあったかと思って心配してたのよ」
ダ「遅くなるって言ったじゃない。事故が起こると思うとおこるのよ。そういうのやめて」
母「遅くなるってこんなに時間かかるとは」
ダ「お母さんと行くときは いつも足が疲れたとか言うから 短いのよ。私の買い物はこんなものよ」
母「そうね どうせ私はすぐ疲れるわよ」
ぶりぶりぶりぶり。

あのー 私たちここにいますけどー と けんかが一段落するまで待っていた私たちでした。 
                                            つづく