わしらはみんな、この世に生まれて、道化ばかりの、この、世界という、巨きな舞台に放り出されて、泣いたのじゃ。(安西徹雄訳、光文社古典新訳文庫、175頁) . . . 本文を読む
しばらく人情界を離れたる余は、少なくともこの旅中に人情界に帰る必要はない。[…]人情世界から、じゃりじゃりする砂をふるって、底にあまる、うつくしい金のみを眺めて暮さなければならぬ。(新潮文庫、156頁) . . . 本文を読む
[…]戦争責任認識と非戦・平和主義を明示した追悼施設の建設に日本国家が踏み切るためには、日本国家はすでに戦争責任認識と非戦・平和主義とを確立していなければならない。(ちくま新書、216頁) . . . 本文を読む
おれは、性来構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、此所へ来てからまだ一カ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒に思い出した。(新潮文庫、108頁) . . . 本文を読む
つまり人間はひとりひとり、このような状況にあってもなお、収容所に入れられた自分がどのような精神的存在になるかについて、なんらかの決断を下せるのだ。(池田香代子訳、みすず書房、111頁) . . . 本文を読む
「[…]僕らの人生にはもう後戻りができないというポイントがある。それからケースとしてはずっと少ないけれど、もうこれから先には進めないというポイントがある。[…]」(新潮文庫、上巻343頁)/「すべての物体は移動の途中にあるんだ。[…]宇宙そのものが巨大なクロネコ宅急便なんだ」(同、下巻127頁) . . . 本文を読む