杉浦由美子『腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち』

一九九〇年代の「自分探しブーム」を終えた今、女性たちは「自分忘れ」を追求しつつある。／そんな女性たちが、自分たちが感情移入しないで読める「物語」を必要とするのは当然であろう。（中公新書ラクレ、146頁） . . . 本文を読む

ニール・サイモン『おかしな二人』

「結婚はできたりこわれたり、でもゲームは、何が何でもやらねばならぬ。」（酒井洋子訳、ハヤカワ演劇文庫、174頁） . . . 本文を読む

ルソー『孤独な散歩者の夢想』

僕の短かった繁栄の間は、この同じ孤独の散歩が、今日ではこのようにこころよいのに、味気なく、退屈なものであったことをまざまざと思い出す。（青柳瑞穂訳、新潮文庫、167頁） . . . 本文を読む

ディケンズ『大いなる遺産』

「［…］つまり、わしたちゃ、わしがいまこうしてつかんでいるこの川の底を、見とおすことができないのとおんなじで、これからさきの何時間かのあいだの奥を、見とおすことはできないんだ［…］」（山西英一訳、新潮文庫、下巻318頁） . . . 本文を読む

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」（新潮文庫、216頁） . . . 本文を読む

辻惟雄『奇想の系譜』

［…］＜奇想＞という言葉は、エキセントリックの度合の多少にかかわらず、因襲の殻を打ち破る、自由で斬新な発想のすべてを包括できる［…］（ちくま学芸文庫、242頁） . . . 本文を読む

ジョナサン・カラー『１冊でわかる 文学理論』

理論は、ひたすら読むことを、前提に挑戦することを、あなたが前提としていたことに疑問を持つことを要求する。（荒木映子・富山太佳夫訳、岩波書店、179頁） . . . 本文を読む

村松秀『論文捏造』

実際問題として、変容を遂げた科学の状況に、科学界がシステム的に対応できていない、という現実があることを指摘しているのである。（中公新書ラクレ、309頁） . . . 本文を読む

リチャード・バック『かもめのジョナサン』

「そうだ、本当だ！　おれは完全なカモメ、無限の可能性をもったカモメとしてここに在る！」（五木寛之訳、新潮文庫、76頁） . . . 本文を読む

小川洋子『博士の愛した数式』

博士の幸福は計算の難しさには比例しない。どんなに単純な計算であっても、その正しさを分かち合えることが、私たちの喜びとなる。（新潮社、252頁） . . . 本文を読む

谷崎潤一郎『春琴抄』

佐助は今こそ外界の眼を失った代りに内界の眼が開けたのを知り嗚呼此れが本当にお師匠様の住んでいらっしゃる世界なのだ此れで漸うお師匠様と同じ世界に住むことが出来たと思った（新潮文庫、65頁） . . . 本文を読む

モリエール『人間ぎらい』

もし何事も正直ずくめで、だれも彼も率直で公明正大で柔順だったら、美徳というものは、大部分無用なものになってしまうよ。（内藤濯訳、新潮文庫、96頁） . . . 本文を読む

トゥルゲーネフ『初恋』

青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれません。（沼野恭子訳、光文社古典新訳文庫、154頁） . . . 本文を読む

金原ひとみ『蛇にピアス』

何も信じられない。何も感じられない。私が生きていることを実感できるのは、痛みを感じている時だけだ。（集英社文庫、87頁） . . . 本文を読む

冷泉彰彦『「関係の空気」「場の空気」』

中間的な共同体を支える「関係の空気」が希薄となり、その代わりに「場の空気」がどんどん濃厚になっているのだ。（講談社現代新書、176頁） . . . 本文を読む