「このような自己認識の多重構造の中で、とりわけ近代的な自我、自覚するゆえに我ある自我、独立した意志を持つ単位としての個体、究極的な価値としての自由―こうしたものは急速にその根拠を失い、崩壊してゆくというのが、私の見方です。」(p.292) . . . 本文を読む
あなたにとっての「普通」とは何か、「普通の国」とはいったい何か、軍隊を持つことが本当に「普通」の国でそれ以外の条件はないのか。「普通の人」が、この問いにすらすらと答えられるとは、とても思えない。(岩波新書、186頁) . . . 本文を読む
ふたつの裸体、肉を開く指、私の不安、泡をふいた唇の記憶。なにもかもが、盲目のまま死のなかへ転がり落ちることにつながっていた。(「マダム・エドワルダ」中条省平訳、光文社古典新訳文庫、29頁) . . . 本文を読む
「堕落とは、本当の意味の堕落とは、他でもない女と肉体の関係を持ちながら、相手に対する道徳的関係から自由であろうとすることをいうのです。」(望月哲男訳、光文社古典新訳文庫、165頁) . . . 本文を読む
啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことができないということである。(中山元訳、光文社古典新訳文庫、10頁) . . . 本文を読む