夏色釣行

白馬岳の帰り、shinichiさんとこんな話をした。

shinichiさん：「○○のあたり、あそこはヤマトがいるらしいですよ。」
papachan：「そうなの？　あそこの水系はヤマトじゃないと思うんだけど…」

そうは言ってみたものの、あれから頭の隅に引っかかって離れない。
shinichiさんに抜け駆けするわけじゃないけど、確めてみないと気が済まない。
ちょっくら行ってくるか、と深夜に車を飛ばした。


地図を見ながら未明に到着。
これまで先行者らしき車は見当たらない。
とりあえず一番乗りか。
安心して仮眠をとる。


明るくなるのをまって入渓した。

気温は１９度。下界の猛暑がうそのようだ。
花崗岩の多い渓は、夏らしく明るい。



源流域まであと少しというところである。
水深は浅く、慎重な釣りを心がける。
やや遠目からスポットを狙うと必ずといっていいほど反応があるのはうれしい。
でも、ルアーを引ける距離が短いので、バイトに持ち込むのが大変だ。

ファーストフィッシュは、綺麗なニッコウイワナ。


標高がそれなりにあるので、真夏だというのに蜘蛛の巣がほとんどない。
これはありがたい。ストレスフリーの遡行である。


魚影が濃いのだろう。
こんなおチビもたくさん釣れてしまう。
フックをバーブレスにしておいてよかった。

おチビは１０匹上釣れたけど、どれもニッコウだった。




もちろんお兄さんクラスもいっぱい出てきた。

沢の規模からアベレージは２０ｃｍそこそこだが、何度もアタックしてくる無邪気さが楽しい。
フローティングをちょこちょこ動かすと、数匹のイワナが背びれが丸見えになる浅瀬まで追ってくる。


メスが多いのだろうか？
釣れるイワナの表情が皆やさしい。




じゃあね、もっと大きくなってまた会おう。


ばいば～い。

リリースしたイワナは、ジンクリアの水の中を落ち込みの白泡に向かってゆっくり泳いで行った。



素晴らしい渓と無垢なイワナたちにすっかり癒されてしまった。
ナッツフルをポリポリ食べて、岩の上で休憩。

ヤマトは釣れなかったけど、心と体が十分すぎるほど満たされてしまった。
この奥は、次回の楽しみにとっておこう。
ひょっとしたら、本当にヤマトが出てくるかもしれないし。


山の上には、夏雲が湧き上がっていた。

黒い稜線、白い雲、そして濃紺の空。
どれも夏の象徴だ。



帰りにひまわり畑に立ち寄った。


この鮮やかな黄色も夏の象徴。

ちょっと余裕のある今年の夏。
次にどんな夏色に出会えるか楽しみだ。