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「別れの色彩」

2023-03-20 18:09:00 | 日記
シュリンクの小説「別れの色彩」、まだ読み終わっていないのだか、シュリンクはやっぱり素晴らしいな、と思った。

最初の「人工知能」という短編について。
まとまってないが、現時点で思ったことを少し書いておこうと思う。

東ドイツで研究機関に勤めていた2人の友情(不穏な友情)の話。西ドイツに逃げようとした友アンドレアスを、秘密警察に主人公は密告する。その為アンドレアスは逮捕され投獄される。刑期を終え出国したアンドレアスを支えて、2人はその後長きに渡り「友情」を育む。主人公の密告については、アンドレアスは何も知らない。アンドレアスが死に、主人公は、もう友に対する裏切りがバレる恐れが無くなったと安堵するのだか、アンドレアスの娘が父親の過去について調べ始める事で、主人公は自分の密告が明るみに出ることを恐れ苦しむ。

最初この話のどこが「人工知能」なのかわからなかった。だが、That's DanceのカリーナさんとミカスさんがAIの話をする中で、クラウド上の情報から亡くなった人を復元して云々という流れになり、あ、と思った。

「人工知能」にAIそのものは出てこないが、主人公は自分の意識や記憶、感情で、亡くなった友人(自分が裏切った友人)を「復元」し、メチャクチャ悩み苦しんでいる。

テクノロジーがなくても、人間は自分の脳からいくらでも「仮想現実」を作り出すことが出来る。というか、結構しょっちゅう作り出している。作り出してしまっている。

え、こわい。



戸野茂雄 彫刻 展

2023-03-08 11:39:00 | 日記
「戸谷成雄 彫刻」展を観に北浦和にある埼玉県立近代美術館へ行く。
時々浦和に行くが、京浜東北線の浦和辺りでよく、いいな、と思う人を見かける。昨日は黒いフード付きコートにパンツ、柄の靴下に黒のスニーカー、と至って普通、地味、なんだけど全体的なバランスがよくて、とそんなご婦人。熱心に本を読んでいらっしゃる、そこがまた気になる。何の本だろー。

今からスーパーで食材を買って帰り、料理をすると思う。それ程手の込んだものではないけれど、同僚に今日教えてもらった新しい何かに挑戦するくらいの余裕がありそうだ。読みかけの本もあるけど、本屋に立ち寄って色々チェックもすると思う。
猫とか飼ってるのかな、年齢的に中学生くらいの娘とかいそうで、案外「ちいかわ」とか読んでいるかもしれない。などなど妄想が止まらない。

戸谷成雄展は素晴らしかった。宮沢賢治に喚起された作品もあり、全体的に森のイメージから宇宙に繋がるような広大な世界観があり、アートから受け取りたいものってこれだよね、と思い心が満たされる。
ただ、兎に角自分の力不足で掬い切れていないところも沢山あると思う。勉強しなきゃ。

あと、アートテラーとに〜さんもブログで指摘していたけれど埼玉県立近代美術館の床のカーペットが、やはりなんとも微妙で、うーん、と思ってしまいました。
埼玉県大好きなので、美術館もリニューアルとかしないかな。全体的にオフィスっぽいのが残念。

お化け階段

2023-02-27 20:23:00 | 日記
姉と上野で食事をして山手線に乗る。今度谷中に行きたいね、なんて話しをしていたら日暮里というアナウンスがあり、間違った方向に乗ってしまったことに気が付き、2人で慌てて下車する。正しいホームに向かいながら、まだ谷中の話を続ける姉と私。私がお化け階段の話をしたら姉が知らないというので、上るときと下るときで段数が違う階段があるのだ、と説明する。
私たちは、正しい山手線のホームに辿り着けず、しばらく行ったり来たりした。結局、正しいホームは間違ったホームから階段で上がって降りた隣のホームに普通にちゃんとあった。電車に乗ってから「でも、さっきは絶対なかったよね」と頷き合う私たち。そして「お化けホーム!」と2人ではしゃいだ。
50代と60代の姉妹。楽しい。

読む力

2023-02-20 22:45:00 | 日記
「異常」エルヴェル・テリエを読んだ。

去年翻訳版が出版されて、良い評価を色々聞いていたので買ったけれど、なかなか読み始めても興が乗らず、読んでは止め読んでは止め、を繰り返していた。

で、この週末、他の本に目を向けない!と決心して、一気読みしました。

が!
どこが面白いのか、全く分からなかった。
SF(これ、SFなんだよね)を普段読まないので、読み方が駄目だったのかな。
でも、過去と現在の人間が同時に存在する、っていうその設定自体は凄く凄く古典的だよねえ。ドラえもんか!

いやいや、もっと深い事が書かれているはず。と読み終えてからも、ずっとぼんやり考えてはいるけど。
例えば、平野啓一郎がよく言ってる「分人」の考え方、人間は一人の内に何人も別のキャラクターが存在し、無意識の内に場面場面でそれが使い分けられている、というような、そういう考え方を敢えて古典的な設定で描いてみた?
としても、つまらないよー、そんなの。

以前、ウェルベック「服従」と、マーガレット・アトウッド「請願」を読んだ時も実は似たような感覚を持った。

うーむ。
軽く感じる、というのかな。
もちろんウェルベックやアトウッドが軽い筈はない。けれど、なんとなく、読者の力量に合わせて来ているというか、時代に合わせて来ている、というか純文学のライトノベル化というか、安っぽいさを感じてしまったのだ。

「異常」もそういう匂いがかすかにした。


直島

2023-02-14 21:08:00 | 日記
直島に行った。
アート、アート、アート。
アートという温泉に浸かっているような感覚になる。
朝も昼も夜もアートに浸かる、気持ちいい。

旅行中に少し話した女性が、別れ際、「残り時間、精一杯観ます。」と言っていて、凄くいいな、と思った。

直島は、現代美術が中心のアート島なので、どれを観ても、わかる!というものではない。

けれど自分の感覚を思い切り柔軟にして、まっさらにして、オープンにして、目に入る作品を受け入れようとする。
それで、観た後、心が運動したかのようなスッキリした気分になる。
何かが理解できた訳でもないし、なんなら頭の中はこんがらがってさえいるのだけれど。
でも、本当に本当に「精一杯」観る。

また行きたい。
というか行かなければ、と思う。