はなれていても

届かない言葉
届かない灯り
ずっと前に放たれた
ほんの一言

止まったままの河が
時を語る

インクをにじませる
涙の粒さえ
憎らしい

ドーンと鳴る
花が咲く
この道標を
たよりにして

かたつむりと

うつる影
うつる音

耳をふさいで
雨宿りもした

紫と緑の間
じっと

もう出ても

良いよ

葉の先から
雨粒が落ちる

しずく

AIが
しずくを落とす

時間とともに
風化した
想い

今よみがえる

それが
アナタにとって
ワタシにとって

物は壊れる
想いは消える

記憶だけに
しずく
垂らす

地面に聞く

葉が落ちて
音になる

地面の楽譜
風の想い

右へ左へ
流れを受ける
石は笑顔だ

いろんな色を
吸い上げて
いろんな音を
吸い上げて

ようやく聞こえて来た
悠久の声
真っ白く小さいひとつ

時が染みる

ほんと苦手だ
この箱は
そのため

あまり開けなくなった
フタ
そりゃそうだ

雪のように
時も積もって
下の方は
押し固まってる

ぼやけた指
その隣に
笑顔の花
ごはんつぶのおさじ

白と黒のパラダイス

もう少しだけ
ここにいよう