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暇な弁護士の暇つぶし日記

若手弁護士の日常を書いていきます。

給付金詐欺のキャリア官僚2人の判決で結論が分かれている(実刑か否か)ことについて

2021-12-21 11:22:50 | 日記
ネットの記事によると,一方(以下A)が懲役2年6月の実刑で,他方(以下B)が懲役2年執行猶予4年の判決らしい。

Aが実刑でBには執行猶予が付いている。

Aは刑務所だが,Bは刑務所に行かなくて良い。

この違いは大きい。

実刑になったAは控訴する可能性もあるだろう。

Aだけが実刑になったのは何か理由があるだろう。

例えば,Aの方が誘ったか,詐取額が大きいとか,回数が多いとか,Bは詐取金を返したなどなど。

話は変わるが,彼らは,今後また国家公務員になることはできるだろうか。

国家公務員法では次のように定めている。
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則で定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

Aは,実刑が確定した場合は,その執行を終わるまでは,公務員になれない。出所すれば国家公務員になることが法的には可能だ。採用されるかはまた別の問題だが。その前に年齢制限にもひっかかりそうだが。
真面目だろうから,仮出所で早めに出てくるだろう。
仮出所では,執行を終わるまで,にはおそらく該当しないだろう。ちゃんと調べてないけど。
なお,国家公務員法第38条第2号は,懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者とあるので,早めに出所できても懲戒免職から2年だと,国家公務員になれない。

Bは,執行猶予期間が満了すれば,執行を受けることがなくなるので,執行猶予期間が満了すれば,国家公務員に法的にはなれる。

なお,柱書の人事院規則で定めるほかとあるが,ネットで少し調べた感じだと,これに該当する人事院規則は制定されていないらしい。

国家公務員の待遇の悪さも事件の一因と思われるので,国家公務員(総合職)については待遇を良くしてあげてほしい。その分一般職はもうすこし悪くしていいだろう。

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