音楽の部屋

音楽好きの独り言です。気楽にご訪問お願いします。

美輪明宏(ヨイトマケの唄)

2024-02-26 18:11:17 | 日記
2年か3年程前にバンド仲間が、美輪明宏のヨイトマケの唄、をやりたいと楽譜を練習場に持ってきてくれたことがあった。自分もこの曲は知っていたけれど、この時はバンドではなかなか難しいと感じ、せっかくの機会を流してしまった、、、要するにその時は、この曲に集中出来なかったのである。
今回、友達から頂いた楽譜をあらためて見てみると、ヨイトマケの唄(2012NHK紅白バージョン)と書かれている。早速、YouTubeで2012年NHK紅白歌合戦でのヨイトマケの唄を聴いてみる。黒い衣装で男装の美輪明宏による、ステージだが、その圧倒的な表現力とパワーに心が釘付けになり、男泣き、してしまうほど心が揺さぶられました。
ミュージカルの主題歌のように、ストーリーが浮かび上がり、名作映画を観ているような感動も味わえました。
この曲で歌われているような、”土方の子供、、汚い、、”など、もし自分の子供とか孫が言われたら、どんなに悲しく、辛いだろうか、、どうして人間は、同じ人間なのに比較し、劣っていたら馬鹿にしたり汚がったりするんだろうか、、
みんな一皮むけば同じ人間なのに、どうして上下関係ができたり、勝ち組、負け組などとレッテル貼りをしたがるんだろうか?
少し話が私感的で、すみませんが、テレビのお笑いでも最近は少し減ってきたように思うけど、勝ち芸人たちが、負け芸人に色んなことをやらせるような番組企画が多かったように思います。負け芸人(そうでない方もいますが、)が激辛をたべたり、、食べられなければ、番組を降りてもらうなどと言われたり、、体を張った芸人が、裸でスキーを滑り、雪の中に突っ込んだりして、、
勝ち組は、スタジオでモニターを見て大笑いしている。番組のお笑い企画なんで、負け組も大げさに、演技しているんだろうけど、、なにが
面白いのか、気分が悪くなるだけで、寂しい気持ちになります。
これは、お笑いでなく、イジメです。
すみません、ヨイトマケの唄から、つまらない話になってしまいましたね。
でも、このヨイトマケの唄を聴いていると、家族のために、なりふり構わず働くことの尊さ、親と子の関係の強さは、相対的に図るものでなく、この世に一つだけの絶対的のものである。などを強く感じさせてくれます。
この歌は自分に勇気を与えてくれます。

     何度か僕も  グレかけたけど
     やくざな道は  ふまずにすんだ
     どんなきれいな  唄よりも
     どんなきれいな  声よりも
     僕を励まし    慰めた
     母ちゃんの唄こそ  世界一
     母ちゃんの唄こそ  世界一

     今も聞こえる   ヨイトマケの唄
     今も聞こえる   あの子守唄
     父ちゃんのためなら  エンヤコラ
     子供のためなら    エンヤコラ
 

井上陽水

2024-01-23 10:47:47 | 日記


陽水の"招待状のないショー″というアルバムがある。
このアルバムのリリースは、1976年3月25日で単純計算すると私がまだ18歳の高校生の時である。  この頃を思い返してみると、高校生だった私は毎日毎日、好きな音楽ばかり聴いて勉強もろくにせず遊んでばかりの生活だったように思います。けど、グレテいたわけでなく、言わば音楽好きのオタクという風情でした。結果ご多分に漏れず学校の成績も低空飛行の墜落危機状態と、本当に情けない有様でした。音楽の他は、あまり興味がわかなかったので生活力やコミュニケーション力を身に着けるいろんな場面での体験が少なかったように思います。
好きな子がいても、なかなか声もかけられず遠くで見ているようなタイプでした。 そんな中でこのアルバムを聴いたのですが、それまで聴いていたアルバムとは、何か違う感じがしました。上手く説明できないけど、明らかに違ったものが心に入ってきました。   それはこのアルバムが持っている風だと思います。 抽象的ですみませんが、アルバムにはそれぞれ風があるように感じます。強風、ハリケーン、竜巻の風、弱い風、そよ風、野原の風、穏やかな春の日差しの中の風、、などなど色々です。
私はこのアルバムを聴いて、ハーブの香りの風を感じました。そして今まで聴いてたアルバムの風とは明らかに違う風が感じられました。それが前向きな風です。今まで聴いてたアルバムが後ろ向きという訳ではないけど、私を前向きに変える風が、しかも爽やかな風が私の心の中いっぱいに満たすのを実感しました。 そのようなアルバムはこの65年間の音楽人生で色々なアルバムをきいていますが、ほとんどありません。強いて言えば、同じにおいのする風をもったアルバムがもう一枚だけありました。それは、吉田拓郎の”明日に向かって走れ”です。 このアルバムは、全く同じ風を持っていて、同じ味のするアルバムです。不思議な感情ですが、このアルバム2枚が、今まで聴いたアルバムの中で、自分にとっては強烈な風を感じた2枚のアルバムです。
高校生の私は、このアルバムを聴いて少しだけ変化したのです。
少しだけ、前向きになれたのです。これも音楽の力です。
具体的には、いままでの自分は、音楽を聴くだけでしたが、このアルバムを聴いて、自分もギターを弾いて、好きな人の前で歌いたい、歌うことが出来たら素晴らしいなどと、やっと思うようになったのです。青臭い話ですみません。
オタクの自分が、好きな人の前でギターを弾いて歌いたいと思わせたこのアルバムの風のエネルギーに感謝したいです。
アルバムのタイトル曲、、招待状のないショーと、、Summer,,の2曲が特に私に風をくれました。

       誰一人見てない
       僕だけのこのショー
       好きな歌を
       思いのままに

       声よ 夜の空に
       星に届くように 声よ
       変わらぬ言葉とこの胸が
       遥かな君のもとへ 届くように



      何も言わない貝殻に 思い出なんて喋れない
      また来る夏のどこかで 優しい人に会いたい


ローリングストーンズ(2)

2023-12-26 06:53:37 | 日記


今まで聴いたアルバムで、それをライブアルバムに限定してみると最も多く聴いたアルバムが、浮かび上がってくる。中学生時代から何回もレコードの上に針を載せてきている。その針を載せる時の心の高揚感は、何年たっても変わらない。
還暦を過ぎたら今でも、昔ほどではないが時々聴きたくなるアルバムだ。そのアルバムとは、ローリングストーンズのゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウトというライブアルバムだ。このアルバムはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで1969年11月27日と28日の2晩に亘ってのライブレコーディングである。

このアルバムのジャケットは、チャーリーワッツのジャンプである。しかもギター2本持っての大ジャンプ!!そのわきにロバが一頭、チャーリーのドラムを背中に積んで、首からはギターを1本下げて歩いている。
これから2人(?)で、、じゃなく、1人と一匹でライブ会場に、いざ出陣といういで立ちである。本当に楽しいジャケット写真だ。

今回の文章を書きながら、久しぶりにレコードに針を落としてみた。
出だしが、かっこいい! 妙に落ち着いた感じでのスタートである、ジャンピングジャックフラシュだ! でもイントロのエッジのきいたギターの刻むリズムが最高のグルーブを作り出していく。
2曲目の”かわいいキャロル”はチャックベリーのロックンロールだが、ストーンズも負けじとロックンロールしている。キースのギターが素晴らしい。
そしてもう1曲、チャックベリーの曲が入っている、8曲目の”リトル・クイニ―だ。この曲も2曲目と同様に、ロックンロールの何とも言えないグルーブ感を表している。ビル、ワイマンのベースも光っている。
このチャックベリーの2曲がこのアルバムの牽引力になっているが、2曲とも、ただ突っ走らない少し抑えた演奏になっていて、それがまたこのアルバムの心に届く重たいリズムに繫がっているように感じる。そのリズムが自分には凄く心地よい。
4曲目の”むなしき愛”はブルースマン、ロバートジョンソンのバリバリのブルースだが、ストーズなりに、ブルースしていて好感がもてる。
ここでの、ミック、テイラーのボトルネックギターは流石である。ギターが泣いている。
このアルバムのハイライトは、
ここでもミック、テイラーになってしまうが、5曲目”ミッドナイトランブラーと6曲目”悪魔を憐れむ歌でのギターである。高校時代、ディープパープルのリッチーブラックモア好きの友達に、ストーンズを聴かせたとき、ロックンロール曲を聴いたときは、(なんだ、ギターソロが短いなあ、、)ってガッカリしていた友達が、この2曲を聴いたら、(リッチー以上だ!)っと感激していたことを思い出します。
ロックする楽しみが、心にしみる一枚だと思います。
このアルバムは私の大切な宝物です。







ジョンの魂

2023-11-27 18:05:35 | 日記


小難しい理屈抜きに、素晴らしいアルバムがある。
ジョンの魂である。
曲は勿論、ジャケットも素晴らしい!
このアルバムは、ビートルズ解散後のジョンの最初のソロアルバムである。
世間一般の評価も、~自己の内面を歌った純粋無垢なジョンをさらけ出した芸術作品とある。
私の持っている立川直樹氏のレコードの解説書でも、数あるロックアルバムのうち、5本の指に入る名盤だと歌っている。自分も同感で、私だけの個人的見解では、全ての音楽ジャンルの中でも、5本の指に入ると思う。それだけ、人間の悲しみの本質をついている,芸術性が高いのである。自分がこのアルバムを聴いていちばん感じることは、ジョンの心の奥の深い悲しみである。ジョンは小さい頃、両親の離婚により、父親から捨てられ、母親からも育児放棄を受け叔母に育てられている。純粋無垢の少年が、生まれてから初めて受ける強烈な悲しみや不安を、ジョンは何回も受けてきているように思われる。
そんな悲しみを素直に表して、アルバムの一曲目が始まります。
オープニングナンバー,マザーです。この曲は、教会の鐘の音(日本でいえば、お寺の鐘の音のような~)で始まります。
     母さん行かないで、、、父さんもどってきて、、、
子どもにもどったように、ジョンが叫んでます。圧巻です。

このアルバムで、音楽的に好きな曲は、I found out ,悟り、という曲である。
トリオのシンプルなロックで、荒くアンプ直結のギターの音が、とても力強く心に残る。それにベースとドラムが絡みつき、ロッキングしている。余計な音がなく、これぞ、ロックみたいな貫禄がある。かっこいい!!

メロディー的に好きな曲は、working class hero 労働階級の英雄である。
  ジョンの弾き語りで、ギター一本の曲である。
   旋律だけで心が締め付けられる。
   悲しい感じだが、何故か勇気づけられもする。

アルバムの中で、一番のヒット曲は、ラブだろう。
   愛は、愛されたいと望むこと、、、
   愛は君、君と僕、、、

アルバム最後の、2曲は、GOD,神、と母の死である。
    2曲とも、詩が素晴らしい。
    
   僕は自分だけを信じる  ヨーコと僕だけを それが現実なのだ

   この苦しみを 説明なんかできない
   誰にも言えなかったんだ 僕のお母ちゃんは死んじゃった

最後に、このアルバムは悲しく重いが、不思議と何故か爽やかで前向きになる。そして聞き終えたあとは、ジャケット写真のジョンとヨーコのように、大木の下で、心を空っぽにしたくなる。






ソニークラーク

2023-10-24 09:58:34 | 日記
20代のころ、東京でしばらく暮らしたことがあった。
その当時知り合ったバイト先の先輩がジャズ好きで、LPレコードを抱えて私のアパートへ、遊びに来たことがあった。ジャズをレコードで聴いたのは、たぶん初めての経験だったと思う。酒好きの先輩が、ビールを片手に、目を閉じてじっと聞き入っていたのを、覚えています。私は、音楽と言えばローリングストーンズを中心にハードロック、後はフォークソングを聴いて喜んでいた頃である。
何かレコードで聴いたジャズは、その当時の自分の嗜好には合わない音楽ジャンルで、心にあまり響かなかった。
ただこの時一番印象深かったことは、ジャズの音楽そのものではなく、先輩の持ってきた数枚のジャズアルバムの中の一枚のジャケット写真である。
何とも、白黒でカッコよかった。アルバム写真は、女性のスカートからでた足の写真で、大都会のニューヨークマンハッタンを歩く、オフィスレディの足である。(なんてセンスの良い写真なんだろう!) 不思議と、そのジャケット写真を見ながら聞くと、そのアルバムのジャズもセンスが良いと感じましたが、当時の私としては、何回も聴きたくなる音楽にはなりませんでした。
ジャズに目覚めるには、もう少し年を重ねて、人生の苦労や悲しみを重ねて色んな体験をしなければなりませんでした。
やっと40代のころから、ブルースを聞き始め黒人音楽の精神的深さなど、感じられるようになって来たあたりから、少しずつ、ジャズの良さも理解できるようになったと思います。黒人音楽の素晴らしさが、ブルースにはあるけど、その素晴らしさを、少しおしゃれにして、ブルースとは違うパワーで仕上げたのが、ジャズのような気がします。
ジャケット写真は当然だが、このアルバムのリーダーソニークラークのピアノの素晴らしさも、40代になってから、徐々にわかり始めました。
バックビートの2拍4拍を強調した、ファンキーな演奏、アルバムスタートの一曲目は、アルバムタイトルのcool struttinだが、ジャズブルースの渋い演奏でとても素晴らしい。
最後に、小川隆夫著、ブルーノート、ジャズより
    このブルースを聴くと、細身のスーツでビシッと決めた黒人がマンハッタンの雑踏をクールに気取って歩く様を連想する。