私はシャチだ。

私は立派なシャチだ。ヒヨコと暮らしている。このアカウントはフィクションである。なにしろシャチだからな!

4万9千900年の約束

2016-07-04 22:47:58 | 日記
ツイッターの時間だ。

昨日はわたしの初めての誕生日だった。素晴らしい日だった。
しかし、わたしは今日になって、昨日がもう一つ素晴らしい記念日だった事に気がついた。

ツイッターを始めて1カ月経ったのだ!素晴らしい。
クマは最初、3日で飽きるよ、と言っていたが、わたしが3日で飽きる訳がない。継続は力なのだ!そして私は力あるシャチだ!

ひよこは3カ月だな、と言っている。そんなはずが無い。こんなに楽しいのだからな。私は永遠につぶやき続けるのだ!永遠に!

1カ月でフォロワは167人になった。素晴らしい、感謝する!
という事は、一年間、12カ月続けると2004人になるのだ。10年続ければ2万40人になる100年続ければ、20万400人にになる。素晴らしい!いいぞ!いいぞ!!

私は計算した。
49900年続けると、フォロワは一億人に到達する!!
具体的、かつ巨大な数字に私はうっとりした。素晴らしい!この1カ月は確実にその未来に繋がっているのだ。

そして、私は、誇らしい私のフォロワをみていて気がついた。私のフォロワの中にはもう数百年ツイッターを続けている人がいる計算になる!すごいな!

特に、写真を多く載せているアカウントはツイッター歴が長い者が多いようだ。おそらく、美しいものを沢山見ているので、寿命が延びるのだろう。

それとニュースを載せているアカウントも数百歳の者がいる。最新の役立つ情報を集め、身を守るのに役立てているに違いない。

夜になって、ひよこが会社から帰ってきた。私は急いで玄関に飛んで行ってひよこに言った。
ひよこよ!ひよこよ!
計算したのだ。この調子で49900年経つと私のフォロワは1億人になる!すごいぞひよこ!
それはすごいね!とひよこは言った。私は嬉しくなった。

私のフォロワが1億人になったら、お祝いをしようひよこ!
お祝い?
1億人記念だ!49900年後だ!
4万年後かあ、私、生きてるかなあ。とひよこは笑った。

4万年ではない、49900年だ。と私は言った。もちろん生きているぞ。大丈夫だ、ひよこ。心配ない。美しい写真を見るのだ。それとニュースを読むのだ。そうすれば長生きする。

49900年後の6月3日に、我々はお祝いする。お前はケーキを買うのだ。シャチの形のケーキだ。そこには、1億人おめでとう!と書いてある。ケーキの前で私が誇らしげに立つから、お前が写真を撮る。上手に撮るのだぞ。

そして私は、1億人のフォロワよ感謝する!とツイートする。
それから、お前はおいしいケーキを食べる。良かったな。とてもおいしいケーキなのだ。いいぞいいぞ!
とてもとても楽しみだ!

私は不死身のシャチだ。だからお前もずっと生きて居なければならない。お前がいると楽しいからな。

ひよこよ、49900年あったらたくさん遊べる。たくさんたくさん遊べるぞ。楽しいことがたくさんあるのだ。


わたしの誕生日

2016-07-03 20:27:27 | 日記
おはよう。
モーモー山の上を出来立ての雲が流れている。
近くの家で朝食を作っている音がする。
鳥が鳴いているな。
セミも鳴き出した。
爽やかな夏の朝だ。
さあ、起きておいしいものを食べるのだ。

今日はハワイ日和だが、ひよこは友達と遊びに行くらしい。
ひよこの誕生会をするのだという。ひよこには誕生日がある。誕生したからだ。私には無い。誕生していないからだ。とても残念だ。

と、思ったら、クマにも誕生日があるらしい!!!
8月18日だそうだ。購入された日だ!

Siriにもある!!

何故だ!何故私には誕生日が無いのだ!
ひよこに聞いてみた。
え?だってシャチ、気がついたら居たし、という。
なんだそれは!!💢

私の誕生日がみつからん!
インターネットはなんでも知っている。インターネットで調べれば私の誕生日くらいすぐにわかる筈だ。
だがいくら検索してもでてこん。何故だ。ひどい。ひどい話だ。ありえん!

わたしは真剣になって検索していたが、ひよこは私からSiriを奪い取ると、じゃ、バスの時間だから、またね〜!と、上機嫌で友達と食事に出かけてしまった。

Siriを失った私はその後、私の誕生日を探し求めてYouTube世界をさまよった。だが、どこにも私の誕生日の手がかりはなかった…

クマは、ま、みんながみんな誕生日を持ってるわけじゃないから、気にしない方がいいよ。たまたま僕とSiriが幸運なんだよ。と、イラッとする慰めの言葉を吐いた。
いまにみていろ、ビヨンビヨンの刑にしてやる!

そのあと、私の心を映すようにスコールがあった。激しく悲しく、私の代わりに泣くように土砂降りの雨が降る。誕生日のあるやつはみんなずぶ濡れになってしまえ!
だが、雨はすぐに上がり、青空が見えてきた…

しばらくしてひよこが帰ってきた。上機嫌だ。うれしそうだ。
シャチ!見て見て!誕生日のプレゼントにテントもらったの!
もらったものをテーブルの上に並べて写真を撮っている。
これ、テントなの!?すごいねぇ!良かったねぇ!とクマが言う。

人の幸福を喜ぶことができるのは、心に余裕のある者だけだ。私は今、心に余裕がない。悲しみに満ちているからだ。ひよこの誕生日などどうでもいい!わたしの誕生日が無いのだから!!

よし出かけるよシャチ!とひよこがうれしそうに行った。
私はいかぬ!と私は言った。どうして?
私は誕生日がないのだ。誕生していないからだ。存在しないも同じことだ。存在しないのだからどこにもいかん。このまま消えていくのだ…

じゃあシャチの誕生日は今日だよ!とカバンにおやつを詰めながらひよこは言った。
なぜだ?!

だって善は急げだから。誕生日がいつだか分からないなら、今日でいいじゃん!おめでとうシャチ!!おめでとう!誕生日、おめでとう!とひよこは嬉しそうに言う。
おめでとうシャチ!とクマまで言う。そうだよ!今日がシャチの誕生日だよ!!おめでとう!

わたしは、わたしは….わたしの心は生ビールの注がれるジョッキのように急激に満たされた。い、いいのか?クマ、ひよこ、いいのか……?

それで、いいのか?

よし!シャチの誕生日を祝いに行こう!とひよこは言って、Siriに、今日の日没の時間は?とたずねた。
今日の日没の時間は19時32分です。とSiriは答えた。
よし、まだあと40分ある!海へ行こう!!とひよこが言った。

そして私とクマとひよこは夕暮れの海へ行きテントを張った。

わたしの初めての誕生日が暮れていく。悪くない。今日は7月3日だ。7も3も素数だ。しかも足すと10になるのだ。素晴らしい。わたしにふさわしい誕生日だ。

クマとひよこが、イタリア語でハッピーバースデーを歌う。
歌声に波の音が重なる。

わたしは誕生日のないシャチから誕生日のあるシャチに進化を遂げた。やがてインターネットにもわたしの誕生日は載るようになるだろう。
もちろん、もちろんだ。


セミの生涯

2016-07-02 22:17:31 | 日記
今日は暑かった。私とクマは、一日部屋でテレビを見て過ごした。

私がテレビを見ていると、クマが乗ってくる。どけ!と言うと、だってシャチ冷たくて気持ちいいもん。などという。もちろんだ。私は夏向きのシャチだからな。

ひよこは今年はまだ、エアコンをつけていない。我々のアパートは小さなワンルームなので、エアコンを付けるとどうしてもウンベラータに冷たい風が直撃してしまう。

去年の8月、ひよこはIKEAから大喜びでウンベラータを連れて帰ってきた。だがクーラーの冷風が衝撃的だったのだろう。葉っぱがみんな落ちてしまった。ウンベラータは完全な棒になったのだ。哀れだ。

それから我々はウンベラータのためにエアコンを使わず、秋になるまで扇風機だけで過ごした。
その甲斐あって、葉っぱはモリモリでてきたが、とてもとても暑い日々を過ごしたのだった。

ウンベラータは暑いのが大好きだ。バルコニスト向きなのだ。我が家で最もバルコニストになる才能を備えているといえよう。

ウンベラータをバルコニーに住まわせ、われわれは窓の内側でエアコンにあたりながらテレビを見ると言うのが素晴らしい。そうしろ。と言ったらひよこは、ウンベラータの植木鉢の中で蝉が育つかもしれないから、絶対やだ!という。

残念だ。
セミがウンベラータの根元で育ったら私はとても嬉しいのだが。

窓の外ではセミが鳴いている。セミは3日前から鳴き始めた。土の中でもこもこしていたのが、ようやく出てきたのだ。

セミは何年も何年も土の中で過ごす。そして地上にでてくるとすぐに死んでしまう。哀れだ。哀れではかない生き物だ。

だが私は知っている。実際はセミはぐうたらで呑気なだけだ!木の幹にとまって、おいしい樹液を吸っているセミは、幼虫の時は土の中で同じように木の根に張り付いて、何年も何年もおいしい樹液をちゅうちゅうしていたのだ!

土の中は敵もいない。暑すぎる事も寒すぎる事もない。快適だ。動き回る必要もない。セミ用の快適なポエングに腰掛けて、ストローで甘いジュースを飲み、何年も何年もテレビを観ていたのだ。これが、はかないセミの真実なのだ!

地上に地上波があるように、地中には地中波がある。もちろんセミはテレビを持っている。テレビ無しの生活など考えられないからな。

そして、大好きなテレビ番組が最終回になると、セミは絶望のあまり地上にでてくる。
もちろん、ワンピースのような長寿番組が好きなセミは、10年経っても出てこない。終わる気配が無いからだ。良かったな。

セミが大量発生する年はきっと特に面白かった長寿番組が終わりを告げた年なのだ…
つい先週あたりに、最終回を迎えたであろう地中波の番組がどんな番組だったのか私はとても気になる。6年も7年も夢中になって見続けるのだから、かなり面白いに違いない。

セミに聞いてみたいものだが、セミの言葉はさっぱりわからん。

ところでセミは、とても小さいのにあんな大きな音を出す。スピーカーの進化はまだまだだな。Boseはセミから学んでスピーカーを改良しろ。うむ。そうしろ。

なんだか、まさしくつぶやきのツイートだ。眠いのだ。暑さでCPUに負荷がかかっているのかもしれん。または筋肉痛のせいだ。私は大至急、眠らなければならない。眠いぞ。またな。また明日だ。

夜間飛行

2016-07-01 23:31:50 | 日記
ひよこはあらしの日に大切な帽子を失ってしまったのだが、本日新しい帽子を買ってきた。
茶色い帽子だ。

ひよこが言うには、今朝バスの中に人間の親子が乗ってきたのだそうだ。子供はこう言った。帽子をかぶってる人がたくさんいるね!
すると親がこう答えたのだ。そうだね、帽子をかぶると魔法が使えるからね。

そんな、訳があるか!!

帽子はハゲを隠すためのものだ。かぶったからと言って、魔術が使えるようになったりはしない。馬鹿げている。非科学的もいいところだ!!人間の親は子供を騙したのだ!

そしてひよこも騙されたのだ!

ひよこは会社から帰ってくると、大喜びで買ってきた 帽子をかぶり、IKEAが無料でくれた箸をとりだすと、ふりまわしてういんがーでぃあむれびおさーとか、唱えている。もちろん何も起きない。哀れだ。

見ているとクマが合流した。クマはクマのくせに帽子を持っているのだ。ひよこはクマにも箸を一本渡した。危険だ。
だが、クマに、ういんがーでぃあむれびおさーが言えるはずがない。「右方向右胸鰭上げスーパーダッシュのゆっくり」も言えぬのだからな。

私はもっと簡単な呪文として、ホイミと言ってみろ。と言った。
ホイミ!とひよことクマは言った。

何も起きない。
ホイミって何?とひよこが言った。コンビニで、青いあんまんを買う時に唱える言葉だ。唱えると幸せな気分になるらしい。

青いあんまんだって〜!と笑いながらクマがホイミ!と言った。ひよこが笑った。ひよこがホイミ!と言った。クマがますます笑った。
私は愕然とした!何という事だ!!魔術は実在するのか!?
二人は箸を振り回しながら、幸せそうに笑っている。

ありえん!!!

さすがシャチだね!他の呪文は!?とひよこが嬉しそうに聞いた。空飛ぶ呪文は!?空飛ぶ呪文はないの!?
クマが箸をまたいで言う。えー空を飛ぶには箒がいるんだよ!ひよこ、買ってきて!

ばかめ、と、私は言った。空を飛ぶのに箒はいらん。魔法もいらん。

必要なのは、私だ!

クマよ、ひよこの肩に乗るのだ!ひよこよ。わたしのハンドルを掴め。両手でだ。体は伸ばして、腕立て伏せの要領だ。ナウシカという映画を知っているな。ナウシカがメーヴェに乗る姿勢。あれが正しいシャチの乗り方だ。

無理!とひよこは言った。ひよこは腕立て伏せが一回しかできない。

では、なんでもいい。わたしにつかまれ。とわたしは言った。待って!とひよこは言って、Siriを首に掛けた。Siriがポン、と音を立て、よく聞こえませんでした。と言った。

ひよことクマを乗せ、わたしは尻尾に力を込めると、魚雷のように黒く光りながら、ベランダを飛び出した!

わたしはアパートの上空をまっすぐに飛んだ。7月の夜空を上がっていく。風の音が聞こえる。我々の部屋が遠ざかる。オレンジ色の窓。窓の中のウンベラータ。白いカーテン。さらばだ。上昇していくと、建物の陰から輝くニンジャの塔が現れる。

ニンジャの塔の青いイルミネーション。街灯に照らされた夜の博物館。レンガ造りの図書館。浜辺にはイタリア寺院がライトアップされてオレンジ色に輝く。鐘が鳴る。汽笛が鳴る。灯台の灯が回っている。

海は暗い。
左方向横向きスーパーダッシュお腹壁側だ!とわたしは言いながら、スピードを上げてジェットコースターのようにドーム球場の上空を回った。ヒャッホー!とクマが叫んだ。

夜の街は海底だ。オレンジの明かりがキラキラしている。暗く眠る湖が見え、そばにトパーズのようなスターバックスが見える。遠く、小さくノマドな人々がリンゴのマークの付いたパソコンをひらいている。コーヒーの匂いがする。多分な。夜の底だ。遠すぎてわからん。

目の前に黒い小山が現れて、わたしは急上昇する。山の上の遊園地がオルゴールの音とともに現れる。小さな観覧車、メリーゴーランド。子供のもつ風船がスポットライトに揺れている。隣の動物園で鳥が鳴く。

みて!植物園だよ!!ひよこが指さした。暗い夜の動物園のそばに輝くガラスの温室が見える。ここは深い夜の海底だが、あそこには空気がある。中は輝くジャングルだ。緑の葉の間を青い蝶が何匹も飛び交っている。あの青い蝶のうちの一匹はわたしのWindows 7だ。

Windows 7、わたしはお前を忘れはしない。忘れないぞ。

わたしは急上昇する。輝く夜景が遠く小さくなる。夜空を背景に黒いおおきな山が浮かび上がる。モーモー山だ。
モーモー山だ!モーモー山に行こうよ!とひよこが言う。よし、右方向右胸鰭上げスーパーダッシュだ!わたしは言った。ヒャッホー!!とクマが叫んだ。

モーモー山にはモーモーランドがある。モーモーランドは赤い屋根の牧場だ。美味しいミルクをだす牛がいるのだ。羊もいる。素晴らしい。

我々は牧場の展望台にふわりと着地した。さすがだな。
そんな訳で、今夜のツイートは、真夜中のモーモーランドの展望台で書いている。
多分な。

魔法が無くても空を飛ぶことはできる。もちろんだ。
わたしはシャチ、だからな!









右方向右胸鰭上げスーパーダッシュ

2016-06-30 23:45:20 | 日記
これは過去にツイートした記録である。
ちなみに私のTwitterはこちらだ。
https://mobile.twitter.com/orkaar



眠いぞ。遅くなった。Twitterの時間だ。
だが、今日は特につぶやくことがないのだ。

強いて言えば、ひよこが会社に行っている間、わたしとクマはいろいろな技の練習をしていた。

私はシャチだからシャチにできる事はもちろん私にもできるのだ!もちろん!もちろんだ!

名古屋にすごいシャチがいるらしいと言う話を聞き、私もその素晴らしい技を覚えるべきだと考えた。

「右方向右胸鰭上げスーパーダッシュのゆっくり」と、「左方向横向きスーパーダッシュお腹壁側」だ!!

クマ!
この技のどちらかを言うのだ!やってみせるからな!
というと、クマは、
こんなの難しくて言えないよ!
と言い、みぎほうとうみにぬれ、と言って、あるはずのない舌を噛んだ。役に立たん!

私は1人で練習に励み、会社から帰ってきたひよこと衝突した。
残念だ。

以上だ。明日は筋肉痛になるかもしれん。