「 体を少し前にかがめ、ギターは胸で支えなさい。
音楽の詩は、心に鳴り響くものです 」
アンドレ・セゴビア ( ギタリスト )
Lean your body forward slightly to support the guitar against your chest,
for the poetry of the music should resound in your heart.
Andres Segovia
釣竿、スキー板、ゴルフバッグ、ギターには、一つの共通点がある。
それは、我が家で 「 滅多に使わないが、場所を取る道具 」 という特徴だ。
兄がアコースティックの上級者だった影響で感化され、学生時代は毎日のようにギターを弾いていたが、最近20年間は、ほとんど触ってもいない。
優れたギタリストの名演を聴いて、一時は憧れもしたけれど、身近な兄すら超えられない現実を知り、早々に諦めたような次第である。
Rolling Stone誌の選ぶ 「 歴史上最も偉大な100人のギタリスト 」 は、1位がジミ・ヘンドリックス、2位がデュアン・オールマン、3位がBB・キングだ。
そして4位には、私の好きなエリック・クラプトンが入り、5位からはロバート・ジョンソン、6位チャック・ベリー、7位スティーヴィー・レイ・ヴォーンと続く。
クラプトンの場合、演奏もさることながらクリエイターとしての才能が豊かで、特に、『 Tears In Heaven 』 などは珠玉の名曲と呼ぶに相応しい。
先日、NYフィルが北朝鮮に招かれ、平壌でコンサートを開いたが、今度はクラプトンにオファーが入り、実現する方向で動いているという。
個人的な希望としては 「 絶対に止めてもらいたい 」 気持ちが強く、仲間内で署名を集め、クラプトンの事務所に送り付けたい気分だ。
親日家で知られるクラプトンだが、北朝鮮がどんな国状で、どれだけ日本に迷惑をかけているのかまでは、情報が入っていないのではないだろうか。
それに、ブルースの流れを汲むクラプトンの音楽を、民度の低い北朝鮮で理解されるとは思えないし、実現したところで 「 猫に小判 」 である。
彼らに対しては、カビの生えたクラシックか、ラララライ体操でも聴かせとけば十分で、クラプトンなんて 「 10年早い 」 ように思う。
NYフィルであろうが、ベルリンフィルであろうが、クラシックの場合はすべてが 「 カバー音楽 」 であって、本家本元のオリジナルではない。
指揮や演奏技術は評価できるし、優れた芸術家、技術者であること自体は認めるが、クラシック関係の音楽家は、所詮 「 カバー 」 を極めるだけだ。
けして 「 偽物 」 とは言わないが、作品を創出したバッハやモーツアルトが演奏するわけではなく、たとえ上手に演奏しても 「 本家 」 とは違う。
その点、クラプトンの場合は紛れも無く 「 本物 」 であり、本物を招聘する国は、それなりの努力や、姿勢を示すことが求められるように思う。
傲慢な独裁者が支配し、それに追随して横暴のかぎりを尽くすような国に、のこのこと出向いて演奏するような真似は、してもらいたくないものだ。
おそらく、ジョン・レノンやボブ・ディランが最初だと記憶しているが、近年のアーチストは知名度が上がると、やたら 「 平和活動 」 に参加したがる。
本気で取り組むならまだしも、そんな気は毛頭ないのに 「 ファッション 」 として名を連ねたい人や、グループのほうが、どうにも多いようだ。
もともと商業音楽を基点としていたのに、頂点を極めた途端に 「 売れ筋 」 から一歩離れ、いきなり 「 メッセージ性の強い曲 」 に走る人もいる。
クラプトンのファンを代表して、彼だけは 「 そんな傾向に乗る “ つまらない音楽家 ” に混じらないでいてほしい 」 と心の底から願う。
彼を呼びたい北朝鮮の意図もよくわからないが、一時期、彼は薬物中毒に溺れ、『 コカイン 』 という曲も発表しているので、国歌にでもするつもりか?
『 Tonight 今夜の気分 = エンピツ版 』
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