今夜の気分 goo ブログ版 

時事問題やトレンドワードを、その日の気分で解析します。

受験生へのアドバイス : 浪人だけはするな

2009-02-27 00:15:52 | 時事


「 人類永遠の課題は、起きている時間をどのように構成するかだ 」

                 エリック・バーン ( アメリカの精神病理学者 )

The eternal problem of the human being is how to structure his waking hours.

                                    Eric Berne



受験生を持つ親御さんたちから、よく、色々な相談を受ける。

留学させるか否か、大学院に行かせるか否か、どの学校が オススメ か。


親御さんとは親しくても、肝心の 「 受験生 」 がどんな学生なのか知らない場合が多いので、一概に、こうすればよいとは アドバイス し難い。

ただ、一つだけ、共通して言えることは 「 浪人させないほうがよい 」 という点で、これだけは、すべての人に伝えている。

よほど必然的な理由がないかぎり、「 浪人した 」 という経験がプラスに働く可能性は少なく、圧倒的にマイナス面が多いことは間違いない。

現役の実力では三流校にしか入れないので、他人よりも一年長く勉強して、少しでもマシな学校に入れようなんて考えは、捨てたほうがよい。

よい学校に通ったかどうかは、人生を決定する上で大きな意味を持つが、他人より長い 「 助走 」 をとって勝負に挑むのは、敗者の発想である。


どの大学を出たかで、人生の選択に大きな差が出るのも社会の現実だが、過去の学歴によって、すべての人生が決まるわけではない。

自分の人生は、親の教育や、周囲の状況だけに左右されるものではなく、その後の努力によって、自分を磨き、鍛えることで、どうにでもなる。

だから、高校三年生の時点の実力で、入れる大学に通い、卒業後、さらに勉強したければ、そこから留学するなり、大学院に行くなりすればよい。

仕事柄、企業の人材採用を手伝う機会も多いが、優秀な人事担当者なら、どの大学を出たかだけでなく、その人物の 「 浪人歴 」 も、必ず確認する。

もちろん、「 浪人しているから不採用 」 という判断は下さないが、現役との比較をした場合、浪人 ( あるいは留年 ) は、かなり減点対象となる。


高校時代を振り返ると、学業はもとより、スポーツ、趣味、恋愛、仲の良い友達との交遊など、「 その時期にしか出来ないこと 」 が山積していた。

わずか三年で、部活に励み、彼女とデートし、仲間とバンドを組み、バイクを乗り回し、その上、一流大学に合格するというのは、至難の業といえる。

なぜ、面接官が、学生時代の部活経験や、日常生活、趣味などを尋ねるかというと、それで 「 その人物のバランス感覚 」 が窺えるからでもある。

すべてを犠牲にし、勉強だけに没頭して A 大学 へ進んだ者、高校生活を満喫して B 大学 へ進んだ者、無計画に C 大学 へ進んだ者、みな違う。

浪人して大学へ進んだ人の場合は、「 なぜ、人と同じことが、同じ期間内で消化できなかったのか 」 という疑問を持たれるのも、当然の話である。


いまは少し違うかもしれないが、我々の学生時代、大学の運動部において 「 一年 奴隷、二年 平民、三年 将軍、四年 神様 」 という序列が存在した。

私も含め、仲間内に浪人した者が少ないのは、「 大学でも部活を続ける 」 連中が大半で、前述の序列を思えば、浪人できなかった事情もある。

なかには、親も兄弟も 東大生 なので、どうしても 東大 へ行かねばならず、高校在学中から 「 一浪する計画 」 を建て、文学部に受かった者もいる。

しかし、同じ 東大 でも、現役で法学部を卒業後、国家公務員試験上級職 ( 一種 ) に合格、官僚になった別の友人との評価は 「 月とスッポン 」 だ。

どちらが偉いという話ではないが、人間には 「 分相応 」 というものがあり、実力の無さを “ 一年間の延長 ” で無理に補っても、後が続かない。


浪人という経験は、他人からの評価が低いだけでなく、自分自身の中にも、人より時間や経費をかければよいという 「 甘えの感覚 」 を残す。

安倍 政権 のときに、「 再チャレンジ = 就職活動や大学入試などで失敗した人が、何度でも挑戦できる社会 」 という概念を提唱したことがある。

一見、素晴らしい発想とも思えるが、逆の見方をすると、「 なぜ、最初から失敗しないように、真剣にやらないのか 」 という疑問が拭えない。

人生は、「 やり直しのきくこと 」 ばかりではなく、結果が良くても、悪くても、「 一発勝負 」 に臨む集中力が求められる局面も多いはずだ。

正念場で、「 いまは都合が悪いから、来年、勝負しましょう 」 では通らない話が多く、浪人という 「 悪癖 」 を植え付けるのは、子供のためにならない。

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『 おくりびと 』、『 つみきのいえ 』 が、オスカー同時受賞

2009-02-24 00:36:34 | 時事


「 映画というものは、それが幻想であるところに秘訣がある 」

                  ジョージ・ルーカス ( ハリウッドの映画監督 )

The secret to film is that it's an illusion.

                                  George Lucas



絵画、彫刻、文学、建築、音楽、演劇に次ぐ 「 第七の芸術 」 が、映画だ。

他者に比べ、その歴史は浅いが、まだまだ、新しい可能性を秘めている。


米映画界最大の祭典、第81回アカデミー賞の授与式で、『 おくりびと 』 が外国語映画賞に、『 つみきのいえ 』 が短編アニメーション賞に選ばれた。

日本作品のアカデミー賞受賞は、02年度に 『 千と千尋の神隠し 』 が長編アニメーション賞を受賞して以来、6年ぶりとなる。

外国語映画賞は、まだ、名誉賞の一部だった時代に 『 羅生門 (51年) 』、『 地獄門 (54年) 』、『 宮本武蔵 (55年) 』 の3作品が獲得している。

56年度に、同賞が独立した賞になって以降、日本作品は03年度までの間11回ノミネートされながら、いずれも受賞を逃していた。

短編アニメーション賞も日本作品では初の受賞だが、邦画二作品が同時にオスカー像を獲得した快挙に、関係者が歓喜に沸く一日となった。


日本のアニメーション技術が、海外でも高い評価を受けていることは、既に周知の事実だが、実写の 『 おくりびと 』 も栄誉に輝いた功績は大きい。

冒頭に挙げた ルーカス の言葉通り、過去、オスカー候補となった邦画は、アニメや時代劇など、「 幻想 = illusion 」 を抱かせるものが大半だった。

今回の 『 おくりびと 』 は現代劇だが、日本独特の死生観や、死者に対する敬虔な弔い方など、特異な様式美が、審査員を幻想に誘ったようである。

昨年、中国で大地震が発生したとき、応援に駆けつけた日本のレスキュー隊員が、遺体を丁重に扱う姿が現地で報じられ、中国人民の心を打った。

日本人にとっては、ごく普通の所作なのだが、これほど丁寧に弔い事を行う民族は他に類がなく、外国人には、荘厳で美しく、幻想的に映るらしい。


この作品は私も観たが、たしかに 「 外国人が好み、興味を持つだろう 」 と思える内容で、もちろん、作品としての出来栄えも優れている。

だが、これが邦画の ナンバーワン なのかと問われれば、そうとは思えず、葬式を題材に 「 死の中に生がある 」 という描き方も、私の好みではない。

いくら美化しても、死は死であって、老いや病、不幸や悲しみの象徴であり、たとえ泥の中を這いずり回っても、はるか生命の躍動美には及ばない。

できれば次回は、気高く、雄々しく、たくましく生きる日本人像を描いた作品で、再びオスカーに挑んでもらいたいと思う。

すると、結局 「 時代劇 」 に回帰するかもしれないが、武士道精神を世界に発信することで、昨今の軟弱さを見直す機会になれば、それもよいだろう。

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公務員を 「 親方 日の丸 」 と妬む “ 負け犬 根性 ”

2009-02-22 23:18:33 | 時事


「 決して怠惰に浸りきるな。 つとめて読書、執筆、祈り、瞑想をするか、

  公共の役に立つようにせよ 」

               トーマス・ア・ケンピス ( オランダの宗教指導者 )

Never be entirely idle ; but either be reading, or writing, or praying, or meditating, or endeavoring something for the public good.

                               Thomas a Kempis



不景気になれば、当然、雇用情勢は悪化する。

そのため、各自治体では、臨時職員採用などの雇用対策を実施している。


だが、「 臨時 ( 大半が2ヶ月~一年間 ) 」 という言葉の響きが悪いのか、求職者には意外と不人気で、応募が “ 定員割れ ” のケースも目立つ。

現在、職を探している人の中には、派遣など 「 元 非正規社員 」 の人たちが多く、過去の痛手からか、次は正社員を希望する人が多いのは事実だ。

そんな折、大阪府吹田市が緊急に実施を決めた事務職員採用の一次試験では、募集人員 5人の枠に対し、2782人が応募、2362人が受験した。

実に 472倍という高い競争率だが、年齢制限を撤廃し 59歳までの応募を認めたことと、長期雇用の見通しがあることで、応募が殺到したらしい。

東京都は、雇用情勢の悪化を踏まえ、本年度の新規職員採用の予定数を前年比1.47倍とし、都職員への門戸を広げることを発表した。


長引く不況、厳しい雇用情勢の下では 「 公務員 」 を希望する人が増える傾向にあり、逆に、市場が好景気に沸いているときは、不人気になる。

たしかに、公務員の立場は安定しており、不祥事でも起こさないかぎりは、滅多に解雇されることもないし、定年まで給料が下がることもない。

一部の評論家、個人の ブログ などでは、「 公務員数が多すぎる 」 とか、「 公務員は “ 親方 日の丸 ” なので、気楽なもんだ 」 と、よく批判する。

実際には、国民 1000人あたりの公務員数を国別で比較すると、アメリカ が 約 80人、イギリス は 約 100人、日本は 約 40人 と、極めて少ない。

今後の日本が、少子高齢化により、ますます、福祉などの公共サービスが求められる実情を見据えると、公務員の数を増やすことに問題はない。


国が立場を保障することを示す 「 親方 日の丸 」 云々については、単なる “ やっかみ ” というか、低次元の悪口であって、まったく話にならない。

この言葉を悪意で多用する人々は、民間企業の経営者、従業員なのだが、彼らの大半は、なりたければ 「 公務員になる チャンス 」 もあったはずだ。

定年まで安心して勤められ、福利厚生が充実している反面、他人の何倍も努力したところで、公務員の場合、一気に飛躍した昇給、昇格は望めない。

私も含め、そんな 「 定められた レール の上を走る 」 のは性分に合わず、競争の中に身を置く覚悟があったからこそ、公職に就かなかったのである。

いまさら、公務員の立場を羨ましがり、妬み、やっかむのは、「 競争に負けた途端に、不平等を訴える 」 負け犬根性の表れとしか、言いようがない。


実際のところ、「 親方 日の丸 」 というのは、公務員にかぎった話ではなく、たとえば、銀行や保険会社、一部の大企業なども、国が救済にあたる。

当然、破綻寸前の銀行は救済しても、そこで働く全ての銀行員が救済されるわけではないが、異業種に比べると、はるかに優遇されている。

中小、零細企業で働く人々からみれば、「 大企業の社員は恵まれている 」 と感じるのも必定で、事実、待遇面でも、精神面でも、それは否めない。

だから、公務員を総称して 「 親方 日の丸 」 だと無条件に批判する姿勢は好ましくないが、公務員に就く方も、その安定性だけに依存しないでほしい。

少子高齢化で税収が減り、高度な公共サービスが求められる将来の社会において、公務員に課せられる役割は大きいことを、十分に認識されたい。

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『 ニューヨーク・タイムズ 』 から引用したがる人々の “ 怪 ”

2009-02-21 00:49:09 | 時事


「 何も知らない者は、何も疑わない 」

                                   英語のことわざ

He that knows nothing, doubts nothing.

                                 English proverb



アメリカ合衆国領内の在留邦人数は、約 37万人にのぼる。

その内、研究者、留学生、語学研修生などの学生を、約 4万人ほど含む。


江戸末期、ペリー 提督の来日以降、日米の関係は、極めて良好な時期もあったし、波乱に満ちた困難な時期もあった。

近年は、緊密な同盟関係にあり、観光、商用出張や赴任、短・長期の留学など人的交流も盛んで、他に類を見ないほど、親しい間柄といえるだろう。

世界一の超大国だからという理由もあるが、渡米した経験の無い人でも、アメリカ がどのような場所にあり、どんな存在か、概ね、ご存知だ。

だが、お互いの国情や国民性、生活、文化などについては、よく理解できていない点も多く、「 知っているようで知らない 」 という事柄も多い。

また、同じ アメリカ でも、ハワイ へ観光に行った日本人と、仕事で シカゴ に長期滞在した日本人とでは、まったく、その印象が異なるはずである。


個人的に アメリカ には馴染みが深く、留学も、出張も、赴任もしたけれど、よく尋ねられるのが 「 大学は国立大ですか? 」 という質問だ。

アメリカ には国立大学が存在せず、学費の高い私立大学か、学費の安い州立などの公立大学しか無いのだが、意外と知らない人が多い。

唯一、独立まもない時期に、ワシントン大統領の肝煎りで国立大学を創設したが、運営、財政上に問題があり、数年後、民間に移管されている。

連邦政府は教育行政にまったく関与せず、カリキュラム の決定も、指導も、先生の任免や給与の決定も、すべて自治体の教育委員会が行う。

一応、連邦政府に 「 教育省 [ Department of Education ] 」 という名の組織はあるが、日本の文部科学省の カウンターパート ではない。


日本の メディア や、あるいは個人の ブログ などが、日本国内で起こった事件について、海外ではどのように報じているか、伝えることがある。

最近の例でいうと、中川 昭一 ( 前 財務・金融相 ) の 「 酩酊会見 」 などが記憶に新しく、アメリカ、イギリス、中国などの メディア が紹介された。

そんな際、いつも不思議に感じるのが、頻繁に 『 ニューヨーク・タイムズ 』 の一面や社説が取り上げられ、しきりに クローズアップ されることだ。

あたかも、それが “ アメリカ の総意 ” であるかのように伝えたり、あるいは “ 平均的 アメリカ 人 の考え ” であるように報じていることも多い。

大手の メディア ならば、企業間で同盟関係を結び、互いに情報を共有していることも考えられるが、個人の ブログ でも、よく記事を引用している。


アメリカ の新聞は基本的に地方紙で、日本の全国紙 ( 朝日、読売、毎日、産経など ) にあたるのは、比較的新しい 『 USA Today 』 だけである。

発行部数の順位は、『 ウォール・ストリート・ジャーナル 』 170万部、『 USA Today 』 140万部、『 ロスアンゼルス・タイムス 』 110万部 となっている。

4位には 『 ニューヨーク・タイムズ 』 100万部、5位に 『 ワシントン・ポスト 』 70万部 と続くが、3位以下はすべて地方紙である。

全米で 571の朝刊、1042の夕刊が発行されており、各州、各都市には、それぞれの地方に密着した新聞が育っている。

日本の大手新聞社と比較した場合、上位でも、発行部数が一桁少ないが、3万程度の部数でも、良質で、世論形成に影響力を持つ新聞は多い。


たしかに 『 ニューヨーク・タイムズ 』 は国際ニュースの掲載が多いけれど、地方紙には変わりなく、それ以上でも、それ以下でもない。

西海岸に長く居た私などは、滅多に読む機会もなく、取り寄せてまで読んだのは、NY が舞台となった 「 9.11 テロ 」 の時ぐらいである。

なぜ、アメリカ では一地方紙にすぎない同紙を、日本で有り難がり引用する人が多いのか、その点は長年の疑問であり、不可解に思う。

たとえば、日本の大臣が NY を訪れた場合、その記事が一面を飾ることもあれば、次回、別の都市を訪れても、一行も記事にならないことがある。

それは地方紙の特徴なのだが、全幅の信頼を寄せていると 「 今回は歓迎されていない 」 などと、誤った判断をする危険も大きい。


それが NY で起こった事件なら、『 ニューヨーク・タイムズ 』 の記事を引用する根拠が理解できるし、他紙より詳細な情報を期待できるだろう。

しかし、「 世界的に著名な新聞である 」 といった権威や、ネット でも簡単に情報が入手しやすいという利便性だけで使うのは、どうかと思う。

東京の住人が、四国や北海道で起きた事件について、毎度、「 琉球新報 ( 沖縄の新聞 ) 」 の記事を引用して語っていたら、奇妙に思うのと同じだ。

アメリカ の新聞の発行部数は、「 国内全域で広く読まれているかどうか 」 より、「 その地方の人口が多いかどうか 」 で差がつくことが多い。

海外の メディア から情報収集すること自体は悪くないが、その メディア の本質、得意領域、報道姿勢を知らずに鵜呑みにすると、思わぬ恥をかく。

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中川 昭一 : 「 帰ってきた ヨッパライ 」 の末路

2009-02-18 00:53:57 | 時事


「 侍なら、正気を失うほど酔いはせぬ 」

                              映画 『 七人の侍 』 より

A samurai never drinks enough to dull his wits.

                                 Seven Samurai



深酒で ロレツ が回らないのは、ある意味、健全な証拠ともいえる。

本当に危険なのは、「 飲まないと ロレツ が回らない 」 タイプ の人だ。


ローマ で開かれた G7 出席の際に記者会見で見せた 中川 昭一 前財務・金融担当相の振る舞いは、日本政治史上、前代未聞の事件だった。

赤ら顔で、目はうつろ、しどろもどろした発言は、どうみても “ 酩酊状態 ” にあり、本人は 「 風邪薬の影響 」 と語ったが、信憑性は低い。

発言は二転、三転し、飲酒について 「 飲んでない 」、「 一杯だけ飲んだ 」、「 二杯ぐらい飲んだ 」 と、会見の度に答弁が異なる。

海外の メディア にまで取り上げられ、野党はもとより、有権者からも厳しい批判が相次ぎ、国会が空転する恐れも生じる事態となった。

結果、麻生 首相 に辞表を提出後、「 予算委員会の雰囲気を見て、自分がやめた方が国家のためだと判断した 」 と、中川 氏 は辞任を表明した。


元来、中川 昭一 氏 の 「 酒豪 」 ぶりは有名で、永田町の界隈に知らぬ者はおらず、ワイン の一杯や二杯で “ 酩酊 ” するとは、誰も信じていない。

おそらく、一杯~二杯ではなく、一瓶~二瓶は飲んだと思われるが、会見に臨ませた財務官僚は、なぜ、引き留めなかったのだろうか。

風邪薬のせいにするなら、マスク を付け、黙って座らせておけばよかったわけで、それなら、赤ら顔も、うつろな目も、言い訳が通ったはずだ。

就任当初から、「 いつか彼は、酒で大きな失敗をする 」 と大予言していた政界関係者もいたが、まさか現実に起きるとは、誰も想像し得なかった。

麻生 政権 にとっての大打撃であることは間違いなく、内閣支持率がさらに低下し、政局運営が困難になることも、避けられない模様である。


各国首脳との親交を深めるため、美酒を酌み交わすことについては、何の問題もなく、サラリーマン の接待と同じで、それは仕事の一部でもある。

あるいは、激務を癒す “ 愉しみ ” として、個人的に酒を飲むことも、別に、他人から咎められる筋合いのものではないだろう。

だが、自制できないほど酩酊するのは、緊張感が欠如している証拠であり、国民の代表として不適格だと判断せざるを得ない。

冒頭に挙げた 映画 『 七人の侍 』 の名台詞は、農民出身である 菊千代 が 「 偽侍 」 であることを、勘兵衛 が見抜く場面で使われた。

いつ敵に襲われても対処ができるよう、侍が警戒心を解かないのと同じで、閣僚たるもの、非常時に対峙できる心構えが、常に求められる。


大人と子供の違いは、「 自分を コントロール できるか否か 」 の差でもあるが、近頃は、中川 氏 のように、自制能力の欠けた大人が目立つ。

いつまでも遊び癖が抜けず、定職に就けない若者や、酒、麻薬などの中毒に溺れたり、ギャンブル に ハマ って脱け出せない大人が溢れている。

インターネット や ゲーム に夢中で、仕事が疎かになる人や、自分の体調管理、あるいは、ストレス管理ができず、心身を病む人も後を絶たない。

中川 氏 を非難する人の中にも、自分を律し、本能や欲望を抑える 「 侍 」 の心構えが出来ていない人は、かなり居るように思う。

未熟な部分は時間を掛けて直せばよいが、少なくともそれが 「 恥 」 であることを他人の醜態から学ぶべきで、そうしない人は、批判する資格もない。

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バレンタイン に 「 寄付しました 」 と語る “ 下品 ” さ

2009-02-17 00:41:16 | 時事


「 もし100人を養えないのであれば、ただ1人を養いなさい 」

                  マザー・テレサ ( ローマ・カトリックの尼僧 )

If you can't feed a hundred people, then feed just one.

                                 Mother Teresa



今日は、オフィスに女性の来訪者が多かった。

14日が土曜日だったので、「 義理 」 を果たしにやってきたらしい。


渡す側も、受け取る側も、それが 「 義理チョコ 」 だとわかっているけれど、ちょっと照れ臭く、嬉し恥ずかしい空気が漂う。

若い頃は、ホワイトデーに “ お返し ” をするのが面倒で、義理チョコという習慣に否定的だったが、最近は、それを楽しむ余裕ができたようだ。

バレンタインに義理チョコをくれた人も、くれなかった人へも、3月14日には軽めのプレゼントを用意して、あちこちで配りまくっている。

その際、斜め後方から静かに忍び寄って、「 本気です 」 と呟きながら渡し、一瞬、相手がたじろいだ隙に、さっと走り去ると面白い。

ビル掃除のオバサンや、10代のバイト女史など、相手かまわずやるので、あるいは “ 変態 ” 扱いされているかもしれないが、なかなか快感である。


別に、「 くれないから腹が立った 」 なんて経験はなく、どんなに陳腐な品物でも、いただける物は有り難く頂戴するようにしている。

ただ、今日の来訪者で、「 バレンタインにチョコを渡す代わりに、寄付をしましたので、チョコは無しです 」 と、わざわざ伝えに来た人がいた。

しかも、そう言った上で、「 これは義理チョコじゃなく、寄付をした領収証の代わりなんです 」 と告げて、小さな包みを渡そうとする。

開けてみると、小さなチョコレートが数粒ほど入っていて、これはどう見ても 「 義理チョコ 」 以外の何物でもない。

その点を指摘すると、「 義理チョコに見えるけど、違うんですよ 」 と反論し、この寄付が、世界の困っている人々を救うのだと力説して帰った。


たぶん、この女性は 「 義理チョコなんてクダラナイ習慣に参加するよりも、自分は、もっと意義のあることに投資している 」 と主張したいのだろう。

なるほど、たしかにそうかもしれないが、だったら 「 普通に寄付する 」 だけで、わざわざ “ 領収書チョコ ” を渡しに来なくてもよいのではないか。

この女性にかぎらず、最近、これ見よがしに、「 私は寄付をしています 」 と宣言する人が、少しづつ増えているような気がする。

もちろん、寄付をする行為が悪いとは思わないし、困っている人に手を差し伸べたり、慈愛をもって救済する志は、尊敬に値する。

だが、それを 「 他人にアピールする 」 ことについて、あまり良い気がしないし、どちらかというと 「 不快 」 に感じるのは、私だけだろうか。


日テレの 『 24時間テレビ 』 では、小さい子供が貯金箱を抱えて募金の列に並ぶ姿を、MCが感動的に伝える光景が映し出される。

せちがらい世の中で、善行を眺める機会は少ないから、この番組を楽しみにしている人は多く、毎回、高視聴率を稼いでいるのも頷ける話だろう。

しかし、善行というものは、人の目が届かないところで、ひそかに行うのが美徳であり、あからさまに他人へ晒す類のものではないはずだ。

誰かが音頭を取らないと、なかなか寄付が集まり難いのも事実であるから、寄付をしましょうと訴えかけるのは、良い試みだと思う。

しかし、それで 「 私は寄付しました 」 と公言し、自慢げに発表する風潮を煽るのは、どうも “ 下品 ” に感じてしまうのである。


仮に、年収300万円ぐらいの人がいたとして、1日に100円づつを貯金し、年に一度、3万6500円を寄付すると、なんだか 「 いい人 」 にみえる。

かたや、年収3000万円の人がいて、まったく寄付をしなかった場合には、あまり 「 いい人 」 だと思ってもらえない。

実際には、年収3000万円の人物のほうが、はるかに納税額も多いので、社会福祉にも貢献しているが、世間には 「 金持ち=悪 」 の印象が強い。

冒頭の マザー・テレサ の名言は、「 世界を救おう 」 なんて大それたことを考えるより、先に、「 自分のすべきことをしろ 」 という教訓を含んでいる。

小さな善意も無駄ではないが、「 寄付しました 」 なんて自慢をしている暇があったら、自分の仕事に集中し、誠実に働くほうが、社会のためになる。

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海外赴任で成功する人、失敗する人

2009-02-15 02:05:09 | 時事


「 ビジネスの世界において、人は2種類のコインで支払いを受ける。

  現金と経験だ。 まず経験を取れ。 現金は後からついてくる 」

          ハロルド・ジェニーン ( イギリス生まれのアメリカ企業家 )

In the business world, everyone is paid in two coins : cash and experience.
Take the experience first ; the cash will come later.

                                 Harold Geneen



渡米したついでに、現地で働いている商社勤務時代の後輩と会った。

家族で赴任して3年目、その前はイギリスに4年ほど駐在している。


数年前、最初の海外赴任が決まった折、「 現地での心得 」 について尋ねられたので、色々と相談に乗ったが、その後、上手くやっているようだ。

海外で働く際、まず最初に不安を感じるのが 「 言葉の障壁 」 で、彼自身はもとより、家族が不自由しないだろうかと、かなり気をもんでいた。

英語圏の場合、「 明日から英語で話さなければならない 」 のだが、視点を変えて、「 英語が通じるのだから、なんとかなる 」 と思えば、気楽になる。

中学、高校、大学と、かなり長い時間をかけて英語を学んでいるわけだし、日常生活の中でも、無意識のうちに英語と接する機会は多いはずだ。

スワヒリ語やら、タガログ語など、耳慣れない言葉を公用語にしている国に行くことを思えば、ずっと楽であることを認識しなければならない。


職場では、自分が 「 外人 」、「 よそ者 」 であることを頭の片隅に置いて、現地のスタッフと、上手にコミュニケーションを保つ必要がある。

日系企業で働く現地の人々は、3~4年の任期で本社から派遣されてきた 「 日本から来た外国人 」 を、ある種の猜疑心をもって眺めやすい。

具体的に言うと、そうした日本人は現地に骨を埋める気などなく、帰国後の出世やキャリアにしか興味がないのだろうと、軽く見られているのだ。

事実、海外勤務が出世の登竜門みたいになっている会社も多く、現地法人の繁栄よりも、本社からの個人評価が気になって仕方のない社員も多い。

現地の外国人スタッフは、そういった “ 本社向けの姿勢 ” に敏感で、概ね気に入らず、それが原因で孤立する例は珍しくない。


自分の仕事に、誇りや情熱を抱くのは立派だが、功名心の強すぎる人は、職務能力でなく、地位やキャリアを 「 自分の仕事 」 と錯覚しやすい。

海外赴任が決まり、自分は 「 選ばれた人間 」 なのだというエリート意識が芽生え、ますます、本来の仕事よりも “ 評価 ” を気にする人もいる。

そのあたりは、やる気を引き出す策として、意図的な企業側の計算もあるのだが、人によっては効果が大きすぎて、裏目に出ることもあるようだ。

昔から 「 郷に入れば郷に従え 」 という格言もあるように、遠く離れた本社の目など気にせず、現在の居場所で、最善を尽くすことが望ましい。

良い仕事をして、現地の仲間から信頼、尊敬されることは、出世や昇給に直結しないが、仕事に対する情熱や自信を持てる、大きな経験になる。


仕事以外では、特に、家族への配慮や、いたわりについて、日本で暮らす場合よりも、数倍の気遣いを示すことが肝要となるだろう。

現地に日本人学校があればよいが、アメリカのパブリックスクールなどは、かなり教育レベルが低いので、子供連れの赴任では気になるところだ。

奥さんが外国暮らしに馴染めず、うつ病などの精神疾患に陥って、それが原因で任期満了まで赴任できず、やむなく帰国したという例もある。

前述した “ 出世欲の塊 ” みたいな人は、外国に馴染めない奥さんに対し、「 お前のせいで、俺は出世できなかった 」 と責め、怒りをぶつける。

奥さんからみれば、自分は 「 出世欲の強い旦那の犠牲者 」 であり、むしろ慰謝料を請求したい心境であることが多く、家庭不和は避けられない。


要約すると、① 海外赴任は貴重な経験なので、積極的に引き受けるべし、② 現地では現地のための仕事をする、③ 家族の協力に感謝し配慮する。

この3点を守った人は、概ね、海外赴任を成功させており、帰国後も要職に就いて、その経験を役立てながら、溌剌と活躍している。

逆に、出世を目論んで海外赴任をしたものの、職場でも、家庭でも孤立し、満足な成果を挙げられず、帰国後も精彩を欠く 「 最悪 」 の事例もある。

社員や、その家族を海外へ赴任させるには、相応の経費が掛かるわけで、命ぜられた人々が、「 期待された人材 」 であることは間違いない。

だからこそ、成功させねばならないのだが、上手くいきすぎると私の後輩のように、なかなか帰れぬ 「 浦島 太郎 」 状態に陥る宿命も背負っている。

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詐欺の手口

2009-02-06 01:27:41 | 時事


「 知識の不平等こそが、売り込みの カギ である 」

         ディール・O・ガスターフソン ( アメリカの不動産会社役員 )

Inequality of knowledge is the key to a sale.

                               Deil O. Gustafson



ある日、先物取引の予想家から、一本の電話が掛かってくる。

彼は、「 100% 確実な “ 儲け話 ” がある 」 と話し始める。


突然の電話で、そのように荒唐無稽な話をしても、当然、誰も信用しないのだが、彼は 「 来週、大豆の値が確実に上がる 」 と告げ、電話を切った。

翌週、たしかに大豆の値は上がり、不思議に思っていたら二度目の電話が鳴り、今度は、値下がりする品物の名前を教え、また電話を切る。

またも彼の予想は的中し、感心しているところへ三度目の電話が入って、今度は 「 私に投資してくれたら、確実に儲かりますよ 」 と持ちかけた。

度重なる的中により、すっかり信用した人々から、彼は大金を預かったが、投資家たちにとって不幸だったのは、彼が “ 詐欺師 ” であったことだ。

種を明かせば、実に簡単な手口なのだが、なぜ、彼が連続して予想を的中できたのか、その方法がわからずに、多くの被害者が発生した。


まず彼は、投資家の リスト を手に入れ、その半分には 「 大豆が値上がりする 」 と電話し、残り半分には 「 値下がりする 」 と告げた。

翌週は、予想が的中した側にだけ電話し、その半分に、今度は 「 値下がりする 」 と電話し、残り半分には 「 値上がりする 」 と告げたのだ。

最初に電話をしたのが 200人 だと仮定すれば、この方法で 50人 には、あたかも 「 予想が連続して的中した 」 ように見せかけられる。

これは、数十年前から使われてきた 「 古典的な詐欺の手口 」 なのだが、意外と見破られ難いようで、いまだに騙される人が少なくない。

用心深く、「 振り込め詐欺 」 などの類には引っ掛からない人も、“ 儲け話 ” の誘惑に負けてしまうと、痛い目に遭うので注意が必要だ。


たまに アメリカ では、新しい ガソリンスタンド が出来たときに、その近所にある会社や学校の食堂へ、石油会社の制服を着た男がやってくる。

そして、「 オープン記念に ガソリン が半額になる クーポン を販売します 」 と告げ、大勢から現金を徴収する。

これも詐欺で、騙された人は給油の際に クーポン は 「 ただの紙切れ 」 だと気付くわけだが、職場や学校に来たことで、警戒心が薄くなるようだ。

古着屋に行けば、石油会社のロゴ ( Shell や Esso など ) の入った服が簡単に入手できることも、つい、忘れてしまいがちである。

被害が小額であるなら、笑って済ますこともできるが、予期せず大金を失う羽目にならないよう、特に “ 儲け話 ” は警戒したほうがよい。


健康寝具販売会社 「 L&G 」 の 会長、波 和二 容疑者 (75) ら22人が、組織犯罪処罰法違反 ( 組織的詐欺 ) の容疑で逮捕された。

彼が被害者らに語った “ 儲け話 ” は、どう考えても 「 あり得ない話 」 なのだが、人は冷静さを欠いてしまうと、判断力を失う生物のようだ。

報道だけを見ると、「 こんな ホラ に騙されるかな 」 とも思うが、おそらく、出資者を信用させるために、何らかの工作を仕掛けていたのだろう。

罪名が詐欺でなくとも、食品の賞味期限を偽ったり、中国産なのに国産だと表示したり、昨今は 「 詐欺まがいの偽装 」 が後を絶たない。

耐震偽装の マンション を建てたり、「 カシミア 入り 」 と表示しながら、実は入っていない セーター を売ったり、よく考えると、詐欺師だらけである。


ただ、詐欺や偽装を非難する我々も、100% 正直な姿勢で生活しているかといえば、いささか疑問であり、堂々とは胸を張れない現実がある。

冒頭の言葉にあるような、「 相手の無知を利用する 」 場面や、嘘も方便だなどといった言葉で誤魔化している事柄が、いくつか頭に浮かぶ。

企業は従業員を不当解雇し、やる気の無い従業員も企業に 「 一生懸命、働きます 」 と騙し、親は子を騙し、子は親を、妻は夫を、夫は妻を騙す。

女性の 厚化粧 や、 アンチエイジング や、ブラジャー 内に パット を足して “ 増量 ” するのも、工夫といえば工夫だが、ある意味、偽装でもある。

だから、「 付き合い始めた頃 “ 仕事より君が大事 ” って言ったじゃない 」 なんて一方的に責められても、こちらとしては困るわけで …

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「 首切り列島 」 の先にある未来

2009-02-02 00:08:08 | 時事


「 成功するには、成功したいという気持ちが、失敗することへの

  恐れを上回っていなければならない 」

                ビル・コスビー ( アメリカの俳優、コメディアン )

In order to succeed, your desire for success should be greater than your fear of failure.

                                     Bill Cosby



誰でも失敗は怖いが、それ以上に 「 成功したい 」 と強く願うことだ。

夢を実現させるためには、積極的で、大胆な精神が必要となる。


日本人の多くは、引っ込み思案で、控えめな性格をしており、良く言えば 「 謙虚 」 なのだが、外国人の目には 「 自信がない 」 ようにも映る。

たとえば、「 この仕事が出来ますか? 」 という質問を投げかけた場合に、アメリカ人や中国人は、自分がやりたければ即時に 「 Yes 」 と答える。

日本人は、まず、それが自分の 「 やってきたこと 」 なのか、「 やれること 」 なのか、「 やりたいこと 」 なのか、3つの角度から分析を始める。

そして、すべて揃っていれば 「 やれます 」 と答えるが、2つならば曖昧に 「 やれそうです 」 と答え、1つなら 「 わからない 」 と答える。

たとえ不慣れな仕事でも、続けている間に上達することもあり、やりがいを感じることもあるはずだが、失敗への恐れが、不安な気分にさせるようだ。


不況の影響から、連日のように大手企業の 「 派遣切り 」 や、正社員をも含めた解雇の計画が発表され、いまや日本は 「 首切り列島 」 と化した。

このままでは、春までに 40万人規模 が職を失うのではないかという試算もあって、景気回復の目処が立たぬ中、行き場のない失業者が溢れている。

働く気があっても、職がないのなら仕方ないと、世間は彼らに同情的だが、不思議なことに、いまでも 「 人手不足 」 な業界は存在するという。

大手の外食チェーン店、タクシー会社、介護ビジネスなどでは、ご丁寧に 「 未経験者歓迎 」 と告知しているが、あまり人は集まっていないらしい。

求職者の中には、「 仕事があるだけでも有り難い 」、「 贅沢は言えない 」 と、異業種に挑む人もいるが、職種を選び、二の足を踏む人も多いようだ。


こうした状況をみて、「 けしからん 」 とか 「 甘い 」 と批判する人もいるが、仕事を選ぶだけの “ 余裕 ” があるのなら、他人が干渉する必要はない。

求人案件があるのに働かないのは、いますぐ働かなくても生活できるだけの余力があるか、そこまでして働く気が無いか、どちらかである。

政府に 「 雇用対策 」 を求める声も多いが、国が用意できるような仕事に、さほど魅力的なものは期待できないので、やはり応募者は少ないだろう。

世間には、生活保護レベル以下の収入しか得られない職場に従事する人もいて、それでも頑張って働いている現実を忘れてはならない。

各々に、職に就けない事情があって、景気対策が必要なことは認めるが、現在、職のある人も、不平不満や、将来への不安と無縁ではないのだ。


人によっては、転職して、収入が減ることへの不安もあるだろうが、まず、働いて収入を得ることが先決と考えるべきだろう。

以前、アジアの貧しい国の人に、「 日本で2日働けば、1万円以上の収入になり、1万円の米が買えれば、1ヶ月以上は餓死しない 」 と言われた。

その気になれば、少ない収入でも生活できるわけで、収入に見合う以上の生活をしようとするから、高望みをし、それで職に就けない人も現れる。

新しい仕事への挑戦を恐れず、贅沢や虚栄心を捨て、収入に見合う生活を心がければ、成功へのドアが開く可能性は高いはずだ。

たとえ絶望の淵にあっても、未来は、それに向かって果敢に挑戦する者を待っているのだと、信じて突き進む姿勢が望ましい。

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