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「 ニート 」 と 「 優秀ビジネスマン 」 の交流会

2008-02-23 02:28:55 | 時事


「 男の子を大学に行かせることはできるが、

  彼に考えさせることはできない 」

                    エルバート・ハバード ( アメリカの作家 )

You can lead a boy to college but you cannot make him think.

                                 Elbert Hubbard



オフィスの近くに コンビニ があり、よく若者が地面に腰を下ろしている。

彼らは “ ベジタリアン ” ならぬ 「 ジベタリアン 」 と呼ばれているらしい。


先日、50代後半の来客 ( 某中堅商社の重役 ) と コンビニ の前を歩いていたら、その日も、20歳ぐらいの男性が地べたに座っていた。

客人は、いかにも怪訝そうな顔で彼を眺め、一言も口には出さないけれど、「 世も末だね 」 という表情を私に向けてきた。

一応、立場上 「 いやはや、まったく 」 という表情で返したが、本音を言うと私自身は、さほど彼らを特殊だとも、不埒だとも感じていない。

俗に 「 団塊世代 」 と呼ばれる50代中半~60代前半の方々も、その昔、昭和40年代には、似たような生活様式を楽しんでいたはずだ。

サイケデリックなシャツを纏い、洗いざらしの安いジーンズを履き、当時の年配者が眉をひそめる 「 ヒッピー文化 」 に、すっかり洗脳されていた。


幼い頃の記憶を辿ると、昔も今も若者たちは小汚く、路上に座ってギターを弾いたり、絵を描いたりして、年配者から呆れられる存在に変わりは無い。

あえて違いを挙げるならば、国が豊かになった分だけ、今の若者のほうが平均的に ファッション・センス が良く、汚らしさも マシ である。

それでも人間は、自分にとって都合の悪い歴史を忘れる能力を携えているので、次世代の若者に対して、侮蔑と嘲笑を向けたがるようだ。

いつの世も若者が地べたに座るのは、ひょっとすると、「 子供の目の高さ 」 を維持し、そこから 「 大人の世界 」 を観察しているためかもしれない。

いつか彼らもまた、地べたから腰を上げ、渋々ながらも大人の世界に紛れ込み、何十年かの歳月を経て、若輩者を怪訝そうな顔で見るのだろう。


東京都が行った実態調査で、若者が 「 引きこもり 」 になる最多の原因は、「 就職や就労への挫折 」 にあることがわかった。

年齢的には、30~34歳の層が最も多く、就職や就労に挫折した原因は、「 職場不適応 」 と 「 病気 ( うつ病など ) 」 が25%を占めて一位だった。

彼らの特徴は、「 自意識が強く、状況変化に適応できない 」、「 人と争って傷つくことを嫌う 」、「 人間関係の訓練が不十分で逆境に弱い 」 などだ。

これもまた、出来の悪い中高年サラリーマンと似通った性質で、国が豊かになった分、働かなくても食べれるようになっただけの違いである。

会社に対して、「 やる気がある 」 と嘘をついて給料を騙し取るか、正直に 「 やる気ないです 」 と告げて面接に落ちるかの違いともいえる。


現在、クライアントである企業の 「 2009年度新卒採用第一次選考会 」 を手伝っているのだが、見た目は 「 優秀そう 」 な若者が集まってくる。

誤解している受験者も多いのだが、採用面接は 「 美人コンテスト 」 のように 「 応募者の中で最も優秀な人 」 を決める大会ではない。

たとえ学業成績が優秀でも、仕事に順応できず 「 使い物にならない人 」 は要らないし、多少の欠点があっても、貢献できそうな人は欲しいものだ。

致命的な欠点は看過できないが、「 一流校で何も学んでいない人 」 より、「 地べたに座って、社会をよく観察した人 」 が採用される場合もある。

少なくとも私の関わる面接では、学歴より 「 考える能力 」、情熱と、それを 「 維持する力 」 が決め手となるので、そういう人材に来てもらいたい。


いわゆる 「 ニート 」 やら、「 引きこもり 」 と呼ばれる人たちは、仕事をする楽しさ、面白さを 「 知らないだけ 」 の人たちである。

その原因は、駅前の赤ちょうちんで泥酔して仕事の愚痴を吐いたり、自分の出来が悪いだけなのに、ネットで憂さを晴らす中年オヤジの影響だろう。

質の良いビジネスマンに出会って、彼らの話を聴く機会を持てれば、多くの若者は仕事の面白さに気付き、自分もそこに参加したくなるはずだ。

これまでにも数十名のニートを職に就けてきたが、今後は、現役バリバリの優秀なビジネスマンと、ニートを交流させる機会を創りたいと考えている。

意外と、「 ニートで、引きこもりで、ジベタリアンでした 」 なんて人のほうが、ひとたび情熱に火が点くと、化ける可能性は大きいかもしれない。

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