やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

2016読書その8

2016-12-17 | 読書

12月20日(木)         「六本指のゴルトベルグ」(青柳いづみこ著)

     

  ピアニストであり、大の読書家でもある著者が、小説やミステリーに出てくるクラシックやジャズのシーンを切り口に、音楽と音楽家の神秘に分け入る書。タイトルは『羊たちの沈黙』のレクター博士が好むバッハの楽曲からとられた。クラシックは苦手という読者も、とりあげられている音楽を是非聴きたくなってくる。以下に列挙してみる。

 1.「羊たちの沈黙」(トマス・ハリス著) 2.「悪魔に食われろ青尾蠅」(ジョン・フランクリン・バーディン著) 3.「大いなる聴衆」(永井するみ著)

 4.「ケッヘル」(中山可穂著) 5.「ピアノソナタ」(S・J・ローザン) 6.「血染めの部屋」(アンジェラ・カーター著

 7.「ピアノ・ソロ」(ジャン・エシュノーズ著) 8.「ピアニスト」(エルフリーデ・イェネリク著) 9.「余白の愛」(小川洋子著)

 10.「ベル・カント」(アン・パチェット著) 11.「負け犬のブルース」(ポーラ・ゴズリング著) 12.「ラヴェル」(ジャン・エシュノーズ著)

 13.「鳥類学者のファンタジア」(奥泉光著) 14.「オルガニスト」(山之口洋著) 15.「いざ言問はむ都鳥」(澤木喬著)

 16.「マエストロ」(篠田節子著) 17.「ある夜クラブで」(クリスチャン・ガイイ著) 18.「最後の恋」(クリスチャン・ガイイ著)

 19.「マルヴェツィ館の殺人」(ケイト・ロス著) 20.「ポルポリーノ」(ドミニック・フェルナンデス著) 「ナポリ魔の風」(高樹のぶ子著)

 21.「レクイエム」(ジェイムズ・エルロイ著) 22.「ドンナアンナ」(島田雅彦著) 23.「マエストロ」(ジョン・ガードナー著)

 24.「サド・ゴヤ・モーツァルト」(ギィ・スカルペッタ著) 25.「ホーラ死都」(篠田節子著) 「モルヒネ」(安達千夏著)

 26.「田園交響楽」(アンドレ・ジッド著) 27.「風の歌を聴け」(村上春樹著) 28.「従兄ポンス」(バルザック著)

 29.「ジャン・クリストフ」(ロマン・ロラン著) 30.「モデラート・カンタービレ」(マルグリット・デュラス著)

   「ある人生の音楽」(アンドレイ・マキーヌ著) あとがき 「魔王」(伊坂幸太郎著)

 興味深い作品をいづれ読んでみたくなる!

 


12月26日(月)         「坊ちゃんのそれから」(芳川泰久著)

  

 超大型新人の登場である。文芸批評家にしてフランス文学研究者、翻訳家、大学教授の立場で現代文学を作ってきた芳川泰久が、本格的に小説家デビューした。その最初の作品は、大暴れして教師を辞め、東京に帰った坊っちゃんと山嵐。激動の明治を駆け抜ける二人の「それから」を描く、驚愕の「続坊っちゃん」!

 この小説の面白さは、語りの自由闊達(かったつ)さにある。研究者として培った正確な実証性に基づく史実描写と、フィクションである坊っちゃんや山嵐の行動とが絶妙に溶け合い、明治後期が現代に感じられるほどの臨場感を読者に与えてくれる。

 漱石三部作も予告されていて楽しみです。



1月4日(水)         「アウシュビッツの図書係」(アントニオ・G・イトゥルベ著)

  

 1944年、アウシュヴィッツ強制収容所内には、国際監視団の視察をごまかすためにつくられた学校が存在した。そこには8冊だけの秘密の“図書館”がある。図書係に任命されたのは、14歳のチェコ人の少女ディタ。その仕事は、本の所持を禁じられているなか、ナチスに見つからないよう日々隠し持つという危険なものだが、ディタは嬉しかった。彼女にとって、本は「バケーションに出かけるもの」だから。ナチスの脅威、飢え、絶望にさらされながらも、ディタは屈しない。本を愛する少女の生きる強さ、彼女をめぐるユダヤ人の人々の生き様を、モデルとなった実在の人物へのインタビューと取材から描いた、事実に基づく物語。



1月9日(月         「フランス組曲」(イレーヌ・ネミロフスキー著)

  

 一九四〇年初夏、ドイツ軍の進撃を控え、首都パリの人々は大挙して南へと避難した。このフランス近代史上、最大の屈辱として記憶される「大脱出」(エクソダス)を舞台に、極限状態で露わとなる市井の人々の性を複線的かつ重層的に描いた第一部「六月の嵐」。ドイツ占領下のブルゴーニュの田舎町を舞台に、留守を守る女たちと魅惑的な征服者たちの危うい交流を描く第二部「ドルチェ」。動と静、都会と地方、対照的な枠組みの中で展開する珠玉の群像劇が、たがいに響き合い絡み合う。

 20世紀が遺した最大の奇跡アウシュヴィッツに散った作家のトランクに眠っていた、美しき旋律―1940年初夏、ドイツ軍の進撃を控えて南へと避難するパリの人々。占領下、征服者たちとの緊迫した日々を送る田舎町の住人たち。それぞれの極限状態で露わとなる市井の人々の性を、透徹した筆で描いた傑作長篇。’04年ルノードー賞受賞。

 12/21に映画を見たが原作を図書館で見つけて読んでみた。映画は第二部を描いていてラストは脚色したようだ。







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