辛口KOJIの 「キリリ」 といこう!!

HIV陽性者の家族と友人の会1st.geocities.yahoo.co.jp/gl/base_kobe

支援は大事なんですが、、、

2008年05月29日 | エイズの活動
陽性者支援の現場にいると、大きく二つの厳しい問題にぶつかることが多い。

一つは、もちろん健康上のこと。そしてもう一つは、仕事のこと。そして、どちらもカミングアウトできているかいないかで随分様相が違う。

前者は、治療の話なんだけれど、一人住まいの人たちが多いから心配になって不安になるのでしょう。

後者は、就職探しも難しいし、現職を続ける場合も、カミングアウトしない場合は、仕事を続けるのに支障がある場合があります。

中小零細企業に就労している場合も多いから、どうしてもカミングアウトできない場合が多いし、カミングアウトしていても、就業時間や条件を緩和して頂けない場合が多々あります。

ひどい場合は、賃金さえもらえない。遅支払い遅延や全額払いもままならない厳しさ。しかし、辞めると次の仕事が難しいと思っている場合は、使い捨てされている状態が続く。

労働基準監督署に行政指導を受けても、結局お金がなければ給与を支払うことはできないし、そんなところに限って各種社会保険も加入していない。つまり、労基法違反を反復継続しているのだれど、辞めたら再就職が難しいし、働き続けることになる。訴訟を起こしても、裁判を争うのにも随分負担が多いし、現実的には難しい。

最後は生活保護の申請ということになるのだけれど、諸般の理由からどうしても本人が納得しないとどうにもならない。

神戸近辺のクライエントなら、いつでもお会いしてアドバイスしたり、手続きのお手伝いができるけれど、遠方だとそれも難しい。こんなときに、BASE KOBEに活動資金を支援してくれるところがあれば、すぐにでもクライエントの支援に行けると思うけれど。

HIVの感染拡大とともに、予防啓発に使われる予算の一部でも、支援の現場に頂けないものかといつも思う。地方には、NGOもない場合があるし、あっても予防啓発だけしかしていない場合が多い中で、感染拡大とともに、社会から追い詰められる陽性者のみんなが増加しているのが心配になる。

平成20年度の厚労省のエイズ対策予算は、80億6500万円。

人権や社会的背景に最大限配慮しつつ、良質かつ適切な医療の提供、検査・相談体制の充実、正しい知識の普及など、きめ細かく効果的な施策を図るらしい。


この予算の内訳がどうなっているのかと思いますか?


まず、研究に41億3000万円。つまり、半分です。

次に、人権の尊重、普及啓発及び教育、関係機関との新たな連携にも15億4200円。啓発普及事業、エイズデーなど。つまり、行政による各地の歌と踊りのイベント等かな。

そして、医療の提供10億6500万円。血友病者等治療研究事業、地方ブロック拠点病院整備促進事業。(なぜかここにも研究事業がある)

原因の究明・発生の予防及び蔓延の防止に5億4300万円。ここに、保健所の検査・相談が入るようです。

研究と医療、予防啓発、保健所の検査・相談が主なところで、支援は、公的支援というシステムだけ作って、使える人だけ使ってくださいということかな?

こんなことをしていたら、感染拡大はまぬがれないと。エイズとの25年の闘いの歴史を学べは、何をすべきか分かるけれどしないということは、、、、それが日本の現実なのかと改めて思います。

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