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大阪府立河南高校3年7組のRENT公開

2008年10月27日 | エイズの活動
大阪府立河南高等学校3年7組のみんなが、一生懸命取り組んだ文化祭の出し物である「RENT」をご覧頂くことができるようになりました。

奈良県立医科大学4年生の上野さんが、当日撮影し編集してくれたものです。彼は、エイズを治療する医師を目指して頑張っている若者です。そんなヘテロセクシュアルの彼をうならせた3年7組の生徒たちの熱演をぜひご覧下さい。

そして、京都の龍谷大学大学院で、福祉からセクシュアルマイノリティの研究を続けているスガさんが、当日この劇を見て、担任の安田先生や3年7組の生徒たちと私の交流を含めて解説を試みてくれていますから、それもご覧頂けます。

この取り組みは、進まない日本のLGBT(性的少数者)やHIV陽性者への理解を考える上でも貴重な示唆を与えていると考えています。つまり、当事者の可視化が難しい中で、当事者が直接的に訴えるパレードや講演ではなく、ヘテロセクシュアルの側からの深い共感をともなった市民社会への訴えが、教育の現場である公立高校から発せられたことです。

原作のRENTの素晴らしさに、自分たちの独自の学びを取り入れて、みんなで作り上げた世界に一つだけのRENTです。性的少数者とりわけ、ゲイやHIV陽性者のみなさんは、ぜひ見て欲しいと思います。河南高校3年7組の生徒たちの学びがいかに深く、彼らの発する言葉の一つ一つがいかに重いか。そして、日本のエイズ教育の有り方も考えさせられます。

HIVの感染経路やウイルスについて知識として聞いたところで、多少の予防効果はあるとは思いますが、河南の生徒たちのような人としての生き方を考えるような行動変容はないと思います。感染予防教育ばかりを学者や医師が研究し、実践として授業をしている日本の現状があります。彼らは、劇のせりふで、エイズの現実を伝えるのは、「学者ではなく、自分たちだ」とはっきり明言しています。

ひとつひとつのせりふを自分のものにした彼らは、練習の中で、せりふを自ら変えていきました。自分のせりふは、自分が責任を持って自分の言葉で伝えたいと…。

大人から押し付けられたものではなく、自らのRENTをみんなで作り上げて行く中で、作り上げたRENTから彼ら自身も大きな影響を受けました。そして、私は、大きな希望をもらいました。担任の安田先生は、

「繁内さんは、私たちのエンジェルだった」

と感想を寄せてくれましたが、私は、

「生徒たちこそが、LGBTやHIV陽性者のエンジェルだ」

と思っています。

エンディングで歌う『SEASONS OF LOVE』では、多くの生徒の目には、充実感の溢れる涙がありました。ソロ・パートを歌う彼女は、感極まって涙をこらえての熱唱となりました。

「あなたは、一年の長さを何で数えますか?」 

「私は、愛の長さで数えます」

という河南高校の生徒たちからの心からのメッセージですね。単なるエイズを予防することだけを目的にしたものではない、私のめざす「自分の生き方を考えるエイズ教育」がここにあります。

もうすぐ、大学受験が始まります。彼らの中には、推薦入学を受ける方もいます。そして、「高校生活で何に取り組みましたか?」という質問があったら、「RENTに取り組んだことを話す」と言っている生徒がいるそうです。

今日は、そんな河南高校3年7組の生徒たちから、みなさんと一緒に考えたいと思います。

生徒たちへのメッセージを募集します。ご感想をぜひ、コメントして下さい。

そして、一人でも多くの皆さんに、ご覧いただけるように、皆さんのミクシィやプログでもご紹介頂ければと思います。

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