last.fishing@2013

2013-12-29 | fishing or fish
今年最後の週末休・・つまりは大掃除・・
愛犬を戸外へ追いやり、床の雑巾がけに始まり、棚やクローゼットに粗雑に積まれたり無造作に突っ込まれた紙切れやら何やらを分別し破棄したり整頓したりと深夜まで・・
おかげで掃除しながら思い描いていた明朝の釣りは寝坊し逃すはめに・・。
二週間前の焼き直しを目論んでいただけに心地悪い目覚め。この二週間ミジュンを鱈腹喰らい更に肥えた魚と一戦交えられたかもしれないのに・・。
それでも、仕方なく夕方には一応は目的地へ出向く。
やはり、小さな漁港に似つかわしくない人数の釣り人が港を囲む。
つまり港にはいまだにミジュンの群れが溢れているということ・・朝を逃しながらも僅かな期待を繋ぐ・・

写真の黒い部分全てミジュン・・大量のミジュンが密集しジンベイザメなみの魚影を模っている。日没に獰猛な魚集団が現れ襲撃すれば、ジンベイザメは玩具のブロックキューブのように粉砕し分解され港は騒々しくなるだろう。冷静でない獰猛な魚の目先にフェイクを投じ喰らわすのだ。
しかしながらこういった状況下、ミジュン猟は獰猛な魚だけではなく鳥や人も挙ってやってくる。
特等席は既に釣り人で埋まっていて数羽の鳥までもが水面を狙っている。
いつもならこんな混み合った状況なら何処か別へと車を走らせるのが常だが、今年最後との釣行といった気負いから、今日に限っては遠慮は止めた。
内湾寄りの小さな防波堤に点在するミジュンのサビキ釣りをする人たちの後ろを順にすり抜け、対面の高い防波堤へと佇む鳥を勇み足の足音で追いやりながら、先端の空席を確保した。
ルアーを撃って操れる方角も狭まるうえに、特等席からの外洋への眺めも拝めない。それでもこの端っこの席でやり抜くことを決めた。
ひとたびナブラが起これば潮流の縒れも生じないこの場所は捕食する魚が留まらないだろうが、追いまわし通り抜ける一瞬を撃つことは可能だ。
明日と大晦日、続く元旦からの三が日と仕事であり、つまりは今年最後となるだけに大物一尾を区切りよく射止めたい。
パラつく小雨を避けるため深めにパーカーを被り、ついでに視線が隠れることをいいことに、瞬間を逃さないため波間を凝視し対面の高い防波堤に佇む鳥の動きを意識したりと視線を余計に廻らせ真剣に挑んだ。
状況の変化はなくとも先読みし、時に探り撃ちを入れる。瞬時に撃てるようにリールのベールを常に開けた状態で暫し一服し、腕時計の時刻を覗き呼吸を平静に整える。再び探り撃ちまた一服と繰り返す。
しかしながら待てども海辺の変調は訪れず、ナブラなどはからっきし起こらない状況が続く。
逆に探り撃ちのルアーの着水音が響き、他の釣り人がその度に反応し恥ずかしいくらいだ。
やがて日没と共にジンベイザメを模った無数のブロックの塊のままゆったりとミジュンの群れが移動し沖を目指す。同時に防波堤の先には獰猛な魚集団ではなく、ミジュン狙いの人々が移動してきて陣取り犇き、互いの竿も交差・・やむなく納竿とした。
そう、今年、最後の釣りはそうして魚を手にすることなく空虚のまま終わってしまった・・。

思い起こせば昨年の最後の釣行も今年同様に不甲斐ない結果であった。
昨年は宮古島の海はなく千葉県の湖が最後の釣行だった。
偶然にも昨夜の大掃除の途中で手にした皺くちゃの紙切れで鮮明にその記憶が蘇ったばかりだ。正月前後はここ数年は仕事の為、昨年はクリスマスを含む時期に里帰りしていた。羽田空港へ到着するとその日は千葉の浦安へ寄り道し一泊した。
翌日、娘二人と嫁がディズニーランドを満喫している間に、息子と男二人で逆に人混みを避け木更津へ向かった。浦安の河川でシーバスを狙うという案もあったが、あえて多難な釣りに挑戦した。
そうして午後には人生初の亀山湖にボートで浮き、ボートが借りられる制限時間までブラックバスを狙った。耳と指先が千切れそうな極寒の湖で頑張ったのだが見事にノーフィッシュをくらった。
女子のファンタジーであるミッキーマウスは3時間並べば出遭えるが、男のロマンであるラージマウスバスは3時間捜しても出遭えないこともある・・。それが昨年の最後の釣行だった。
昨年も、もう少し早めに亀山湖へ出かけていればと不完全燃焼を同じように悔やんだ。
納竿し、貸しボート小屋の待合室で羨むように壁に飾られた大物を手にした写真を眺めながら暫し温んでいると貸しボートの名簿に住所と名を記したことから、ただでさえ少ない極寒の時期の釣り客の中で沖縄の離島から遥々やってきた親子の珍客に注目が集まった。
貸しボート屋の主、若旦那やその嫁さんから遠方からきて頑張ったのに残念と慰められた。その輪にいた漁協長さんが態々バス停まで送迎してくれたりと皆が親切で優しくしてくれた。
その後、バス停でも息子と自動販売機で購入した温かい缶コーヒーをカイロに暖をとり震え凌いでいると、バス停前の料亭の兄さんが年末の道路工事の為にバスが昨日も遅れてるんだ・・と外にストーブを運び出してくれた。
やたら寒かったけど釣りを介してやたら皆さんがあたたかかった。

昨晩、大掃除していると皺くちゃの亀山湖のフィールドマップが出てきた。
上に述べた記憶の鮮明化に貢献した紙切れだ。
地図上、この時期に釣れる深場を自らの経験をもとに、わざわざ赤ペンで記してくれたのは事前に立ち寄った木更津の釣具屋の気さくな兄さんだ。
湖の地図の上にあの時ボートを操船した経路を思い出し辿ってみたりした。
釣具屋の兄さんは深場をダウンショットリグで攻めると良いと助言してくれ、そのつもりが、出船前に貸しボート屋の若旦那は寒いし時間も限られてるので思い切ってハードプラグを投げ倒しましょうと助言してくれた。
息子に投げ倒しの役割を任せ、俺はボートを操船しながら合間にちまちまとダウンショットリグを湖底に落とした。去年のことながら既に懐かしい記憶として風化してしまっていた。
そう、またいつか亀山湖に再び挑むかもしれない。
皺くちゃの地図は捨てずにとっておくこととした。
今夏に芦ノ湖で満足の一尾を手に出来たのもこの悔しい経験があってのことだと思っている。
たかが釣り、されど突詰めると釣りは結構奥深いもんだ。
各々が描く浪漫も画一的ではないし自由で無限大である。
本日のように意気込んで気負ったって駄目なときもあるぞと教訓すら説くのだ。
一年前の記憶がやたら鮮明にあるのも釣りの凄いことだ。
こんな簡素な地図だけで湖全体の風景が例えば湖面に浮く落ち葉まで鮮明に呼び覚まされてくるのだから・・・その前後の細やかな記憶は既にとぶっ飛んで消えてしまっているにもかかわらず・・。
作成中の宮古島ルアーフィシングの自己流フィールドマップ・・
マップじゃなくブログだけど・・記してるこれもそういう意図を孕んでいるかもしれない・・

埋め立てられてしまう前に辺野古で釣りしとけばよかった・・悔やむ・・。
いつだか沖縄本島への家族旅行中に提案したが却下されたんだ。
強行しとけば何かしら切に感じ、苦言のひとつでも呈せたかもしれない・・。

ブログ・・今年はおしまい・・




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