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ミーターの大冒険  第七部  太陽系  第7話  宇宙潮流理論

2023-01-10 20:18:43 | 太陽系
169第7話宇宙潮流理論
ミーターの大冒険
第七部
太陽系
第7話

宇宙潮流理論

あらすじ

 ファウンデーション暦492年、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を駆除することができるのか?

 ミーターは、太陽系と地球についての最終的情報を得ようとしてアルファに降りることにした。
 その前にメルポメニアで入手した図書館の蔵書に記されていた地球と地球人類、そしてアルファの住民の起源の土地、ニフについての恐怖の出来事について驚嘆する。

 その古文書のなかに、メルポメニアの滅亡寸前に記されたであろう『スペーサーとアルファ』なる書物をミーターは、イルミナに提示し、その概略の説明をさせる。

 ニフの起源と核戦争の事実であった。

 イルミナはまたニフ人が二種類いることを語る。

 ニフ人たちは、核融合という理想のエネルギーを人類に提供するものの、謙譲の美を進んで実行し、祖先がそうであったように、移動の民に目覚め、密かに宇宙に出て行った。
 彼らは後にシンナックス人として知られるようになる。それは、ナックの思想に同調していたニフ人以外にも地球全土に人種を越えて散らばっていったからである。

 残ったニフ人たちは、地球各地で放射能に汚染された環境浄化をしつつ、最後まで地球を守り続けた。が、最終的には地球を手放さなくてはならなかった。そして彼らはテラフォーミングを必要としていたアルファに移住した。

 イルミナは、銀河の歴史的収束点前後の大事件について繙(ひもと)く。

 それは、ケルドン・アマディロ博士の「核反応増強装置」による「地球放射能汚染計画」であった。

 アマディロは、イライジャ・ベイリーとハン・ファストルフ博士への恨み骨髄に達するほどに執念を燃やし、ついに復讐の刃を地球人撲滅という悲惨で残酷なシナリオを完成させようとしていた。

 ついに太陽系の入り口にたどり着いた。人類の母なる太陽系。そして夢の地球。

 ミーターは、ロボットには病原菌は感染しないことを承知のうえで、万全の防備態勢でアルファに降り立った。そこには一人の少女が待ち受けていた。

 ミーターは、まずこの少女が語る彼らの星の名称がメルポメニアで入手したデータと食い違っていることに驚嘆する。

 さらにミーターはアルファ人の特異性について知らされる。

 そしていよいよ待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

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イルミナ 「沈みかけの太陽」ですね!

 ミーターさん、ターミナスの天体物理学者が惑星ターミナスの天文学、地学的論文のデータについてですが。

ミーター どんな?

イルミナ 私、あの地球と月についてのデータを見て、驚いたんです。

 ターミナスの太陽とターミナスの距離、及びターミナスの岩石惑星としての構造です。玄武岩構成の大陸なだ構造と花崗岩構成の大陸構成の違いから惑星ターミナスの生成についての報告ですよ。
 このカビレ星系、いいえ太陽系における地球とターミナスの太陽と惑星ターミナスとの類比が99.5パーセント同じなんです。

ミーター なんだって!ほぼ同じ?
 単なる偶然にしても不思議だ。
 どういうことだ?

 ターミナスが誰かによって造られた、という訳じゃないのだろうが、銀河系における両者の位置関係も似てはいないだろうし、どう考える、イルミナ。

イルミナ 言われる通りだわね!

ミーター でもターミナスの月と地球の月とはだいぶ違うような?こっちの月は地球サイズの惑星の衛星としては破格にデカい。

イルミナ ですから、ターミナスはファウンデーションが入植する以前には生態系がまるでない。かたや地球には惑星内部のコアやマントル対流が大いに水と緑と適度な大気を構成したんじゃないのですか。
 それと共に大きな要因というのは、月の存在だということですね!地球に生命が誕生し、その生命が進化し、その生態系と深く関係してホモ・サピエンスが誕生した、と考えられますね。

ミーター じゃあ、訊くが、その大きな月の存在は、どう説明するんだ?

イルミナ そうですね、ジャイアント・インパクト理論というものがありますよ。今から約46億年前、銀河円盤が自ずから大きな渦巻きの腕を回転させて行き、それに沿って太陽系が微妙な波をたてるように動いて、銀河の腕と太陽系外縁部のオールトの雲と接触した、ということです。
 そうすると、オールトの雲の気迫な原始雲がそれに触発されて、重力凝縮を起こし、ある天体となっていった。それが彗星ということですね!そして太陽系の内的引力に引っ張られて太陽系中心部に落下して行った。
 そして元の地球と衝突した、と考えられますね。

ミーター な~るほど。よくできた理論だこと!
 だけどな、イルミナ、よく考えてみるとだなぁ、ターミナスが太陽系の極似関係にあるってことは、誰がわかっていたんだ。説明できるか?

イルミナ ミーターさん、説明できますよ。ベリスが見つけた「涙の太陽」よ。ドース・ドーニックさんが記した日記をベイタ・ダレルさんがまとめ・保存した文書に、ありますよ。
 旅するシンナックス人の話ですよ!

ミーター な~るほど、フムフム。道理で。わかってきたぞ。

イルミナ なにがですか?

ミーター なぜ不死の従僕は月で我らを待っているか。銀河系の回転速度と太陽系の波打ち。
 みんな、ダーク・エネルギーによる「宇宙潮流」の仕業なんだ。地球が巨大彗星と衝突して、今の地球と月を造ったのも、「宇宙潮流」のせいなんだ。
 そして、彼は、俺を、月から地球に送り出す。

イルミナ なんとまあ!

ミーター それだけじゃあ、ないぞ。ダニール・オリヴォーは、シンナックスのある一派のように銀河系を離れようとしている。
 その行き先は、小マジェラン銀河か大マジェラン銀河だ!

イルミナ まあ!!



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