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ミーターの大冒険 第八部 地球 第10話 カビレの意味

2023-01-24 18:39:36 | 地球
182第10話カビレの意味
ミーターの大冒険
第八部
地球
第10話

カビレの意味

あらすじ


 ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

 人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

 R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

 はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

 そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

 そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

 新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

 そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

 ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

 ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

 直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

 ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

 ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

 イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

 案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

 流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

 ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

 その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

 その粉末の正体は、種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。

 イルミナは、忘れていたニュースをミーターに報せる。歓喜のニュースだった。

 ミーターがその作業の最終段階でかつてオーストラリア大陸と呼ばれていた地域のタウンゼント山頂で早朝シルクベットから起き上がった時だった。しっかりとして威厳のある響きが頭上からあった。
 ダニールはミーターに、2つの任務を依頼した。

 地球の古代の伝説「ノアの方舟」にあるような大量な雨が1ヶ月以上も地表に降り注いだ。

 その結果、大気中の放射能濃度は、驚くほど減少していった。

 1番目のダニールからの任務を終了後、ミーターは、約束していたミーターはニフの中央東に位置する海岸から切り立った小高い山頂に夜明け前に到着した。

 そこにダニールとペイリー・リャンが待ち受けていた、3人は、海中から浮かび上がる緑色の光を目撃する。

 それからほどなく、東の水平線上に陽が昇って来た。

 ダニールは、ミーターに「カビレ」の本当の意味を解き明かす。

182

ミーター ダニールさん、あなた様はペイリー・リャンも同行されたのですね。
 
ダニール そうだ。この子にも、この光景を見せたかったのだよ。
 この子は私の助手というよりも、養女なのだよ。コンポレオンのリャン家にいたこの子を私が預かった。
 実はこの子は、もとは、ガイア人だ。訳あってコンポレロンに移された。

 君も存じているだろう、ハリの養子のレイチ。

ミーター はい、アルカディアから
セルダン家の顛末についてはよく聞いてます。サンタンニでなくなったとか。

ダニール そのレイチには、他の人間にはない能力があって、その能力が長女のウォンダに引き継がれたのだよ。それが、後の第2ファウンデーションの構想に繋がったのだ。

 それと同じくらい意味のある現象を、私は捉えたのだ。

 ウォンダに、後のガールの妻になる妹のベリスがいたように、リャンにも、双子の妹がいる。

ミーター もしや、ペイリーさんの姓は、センノビアレラではありませんか?

ダニール よくぞ、知っていたな。

ミーター ダムさんから聞いて覚えていたことから推測しました。

ダニール そうだったか。
 この子の性格は、またひと味違う。
 知識欲が豊富で、冒険心に富んでいる。
 君とイルミナに同行させてもらいたい。
 きっと新しい銀河復興に役に立つに違いないと思う。

ミーター そうですね。次の大きな課題を私は忘れるところでした。
 それでも、どうしてペイリーさんを手放すのですか?あなた様の身の回りのことはどのように。

ダニール それなら心配はいらない。ルナその他にも、第零の仲間がいるからな。
 
 ペイリーは、太陽の子だと思ってる。
 それが尊い生き方だ。
 他を利し、決して返報を望まない。
 そして、自ら、銀河の中を、宇宙潮流に沿って移動して行く。
 それが「カビレ」の心なんだよ、ミーター君。

ミーター はい、承知しました、従僕様。

 ※『ミーターの大冒険』第92話の『冷凍の星の地下温泉』をご覧下さい。


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