73第5話ハニスの気づき
ミーターの大冒険
エピローグ
第5話
ハニスの気づき
あらすじ
アルカディアが81歳で亡くなった。彼女の知人のジスカルド・ハニスはアルカディアに感銘を受けていた。そこでミーターとオリンサスとの面倒をみると同時に、ミーターから彼女の遺言の全てを聞く。ハニスは、ミーターとともに彼女の遺志を継ぐことを決意する。それは銀河復興を成し遂げることであり、危険で無謀にみえる挑戦でもあるのだが。
ミーターは、ハニスの人柄に感銘を受け、彼の並々ならぬ過去の業績を知る。
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ミーター ハニスさん。よく最近はここに来られるみたいですね!ここの景色は格別ですね!僕もアルカディアとよくここに来ました。なんか、アルカディアは、「銀河のふるさとの星がもし実在するなら、こんな風景の世界」だと僕に呟いたことを思い出します。
そして、確かベニス岬の洞窟ってこの裏側でしたよね。
ハニス ミーター君。俺を心配して来てくれたんだな。
この岬の夕日は、綺麗だ。沈みかけの太陽になにかしかの糸口があるとずっと思ってきた。キミのデータベースの情報の整理にはもってこいの場所だからな。
過去の銀河の歴史の神妙なからくりが見えてくるようなんだ。言ってみれば、隠されている盲点が沈みかけの瞬間に見える気がする。
例えば、銀河のふるさとの星とトランター、トランターとターミナス。消された人類の歴史記録の結束点の前と後。
ハーディンのターミナスとミュール。みんな裏と表が一回転して、真実相がなんとなく見え隠れしてきたんだ!
キミの独り言の中に出てくる、「分かるかね、ワトソン君!」ってねぇ。あれは、『児童のための知恵の書』の一部なのかい?
ミーター そんなこともハニスはご存知でしたか。お恥ずかしい限りです。そうなんです。よくアルカディアと話が盛り上がるときの二人のフレーズなんです。
僕が「流石、天下のホームズ」と言えば、彼女は決まって僕に「分かるかね、ワトソン君!」と答えたものです。
ハニス ミーター君。沈みかけの太陽になにかしかの糸口があるとずっと思ってきた。
yatcha john s. 「 ハニスの気づき 」
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