OTTER TAIL

犬を愛する人たちと、人と楽しく暮らす愛犬たちが、共に過ごす幸せな時間を、もっともっと大切に。

しあわせになっているであろうあの子

2006-08-28 21:12:06 | Weblog
この子はわたしが初めて訓練した犬です。

MIXのオスで、能勢にある動物保護施設で保護されていたこの子に出会ったのは二年前の春、わたしが専門学校の一年生のとき。

学校の訓練の授業の担当犬だったのですが、この子はもういつもへらへらへらへらしていて、アホか!!っていうぐらい引っ張るし(しかもやけに筋肉質で力も強い)ポメラニアンしか飼ったことのないわたしには衝撃的でした。笑

一緒に訓練していた一年間のことを最近良く思い出します。

同じ試験に7回も落ちたこと、
はしゃぎすぎて犬の癖に転んで足を痛めたこと、
暑すぎて川に浸かったまま動くのを拒否された夏、
川にいたカニにちょっかいを出して鼻を挟まれ聞いたこともないような悲鳴をあげてみんなに笑われたこと、
せっかくローカルテレビに取材されたのにカメラが怖くていつもみたいにジャンプできなかったへたれ具合、
寒いのに積もった雪に突っ込んでいって巻き添えになった冬、
初めてフセできた日のこと、
初めてシャンプーした日のこと、
訓練発表会でがんばってくれたこと、
久しぶりに会いに行ってもちゃんと覚えていてくれたこと、
初めて抱っこできた日のこと、
最後に会った日のこと。

いっぱいありすぎて思い出せないこともたくさんたくさんあります。

それがすごく残念です。

でも本当に大切な一年でした。

いろんなことを教えてもらいました。


今はもうこの子は保護施設にはいません。

今年の春、新しい飼い主さんにもらわれていきました。

そのことを聞いたときは嬉しいような寂しいような複雑な気持ちでいっぱいでしたが、今度こそしあわせになってくれていればいいなぁと今は思います。

どこにいるのかもう分からない、しあわせになった大事な親友に、いつかまた再会できる日を楽しみに、この子のような不幸な犬を少しでも減らせるように、犬にかかわる仕事を続けていきたいと思います。


かさはらさゆり