『今日もみんなで良いモノつくります!』

『経営について』の考え方と従業員の『究極のモノづくり』に挑戦する姿を伝えたいと思います。

『世界経営者会議(第8回) 23日 ②(後半)』について

2006年11月01日 | 経営の事
今日は前回に続いて『世界経営者会議』の初日の後半部分につて書きます。

現在、世界経済は目まぐるしく展開している訳ですが、グローバル競争の大きな
うねりの中で、企業経営者は正しい経営判断をスピーディに求められています。

『世界経営者会議』の基調講演の内容は、属する業界によってそれぞれ受け取り
方も色々あると思いますが、世界経済が近い将来必ず進んで行く方向性であるこ
とは間違いありません。

世界的な様々な業界の経営者の方々の『基調講演』を、こうして知る事が出来る
機会を得られるのは、本当にすばらしい事だと思います。
また、世界の有名な企業のそれぞれの業界のトップの方々の、今現在の考え方で
もあり、これから先の世界経済の方向性を示唆する発言と言う事にもなり、これ
をオン・タイムに伺えるのは、どう言うアプローチであれ貴重な経験だと思います。

それでは、続きになります。
今日は、全てネット検索からになります。

(米)イーストマン・コダック アントニオ・ペレス会長兼CEO

『デジタル写真の登場で、市場のゲームのルールが変わるような革命が起こっ
た。写真を撮り印刷する方法が大きく変わり、写真フィルムを主力としてき
た我が社の根底を揺るがした。』

『このデジタル革命を迎えるに当たっても、コダックは依然として優れた知的
財産と強いブランドを持っている。』

『2008年にはいくつかの事業領域でリーディング企業になる計画を掲げた。
これは銀塩写真の領域を大きく変え、事業モデルを変えるものだ。』

『商業印刷ビジネスの事業分野に焦点をあてている。この分野では印刷技術や
印刷プロセスで知的財産が豊富で、2800件の特許を持っている。』

『カラーマネジメントやトナー、スキャナーなどの技術を開拓してきた長年の
努力もある。印刷業は変貌しようとしており、新しいデジタルイメージング
技術を適用することが必要だ。』

『2003年に新しいビジョンを発表した時点では、インターネットによる宣
伝や電子メールが普及し、印刷媒体に変わる領域もあった。しかし、印刷産
業の市場規模は依然として大きい。』

『商業印刷での変化はオフセット印刷にデジタル印刷が取って代わるという簡
単な話はなく、両者の混合型に移っている。その中で、我が社は多くの専門
知識と使いやすいソリューションを持っており、顧客の課題解決を手伝うの
に強みを発揮できると考えた。』

『デジタル印刷では、例えばクレジットの明細書に受け取り側のニーズにあっ
た内容の広告を一部ずつ印刷できる。いわば印刷の「カンバン方式」といえ、
それぞれの受け取り手に対し欲しいときに欲しい内容を提供することで、販
促につなげることができる。』

『デジタルイメージングを商業化するため早い時期から投資を続けてきた。ア
ナログと同様にデジタルのイメージングでも強力なリーダーとしての役割を
果たしたいと考えている。』

(スイス)ノバルティス ダニエル・バセラ会長兼CEO
※ノバルティスは総合医薬品メーカーで2005年度の全世界での研究開発費
は、約5300億円。

『正しい戦略を考えるとき、まず市場の大きなトレンドをみることが重要だ。』

『(医薬品産業の)成長に影響を与える4つの点は高齢化という人口動態の変化、
中国、インド、ロシアなどの新興国の台頭、コンピューターのよる生活の変
化、そしてヒトゲノム解読などの技術革新だ。』

『このトレンドから市場では、高額でも効果があって副作用の少ない医薬品が
求められたり、特許が切れた(安価な)ジェネリック(後発医薬品)が入ったり
している。』

『予防措置や大衆薬などで自ら体調管理する「セルフメディケーション」の需
要が高まる動きがある。』

『グローバル市場においてリーダーであるためには、技術革新が絶対に不可欠
だ。また、効果的なマーケティングも必要になる。それを実現するには人材
戦略が最も重要だ。我々は昇進のシステムを確立したほか、社内外の教育プ
ログラムにも力を入れている。こうした努力を続けることが大切だ。』

『医療業界においては世界に対して、責任ある企業市民であることを示す必要
がある。資金がなく適切な医療を受けられない人たちに無料で医薬品を提供
している。シンガポールの研究所ではデング熱などのほか最新のマラリア治
療法についても研究している。企業の社会的責任(CSR)を果たす会社への
投資が増えるなか、こうした貢献は投資家の判断材料として大切だと考えて
いる。』

『持続的成長に重要なのは、専門分野での競争力とこころざし、技術革新の3
つだろう。』

資生堂 前田新造社長

『ブランドは企業にとって組織の存在理由そのものであり、代々の経営者と1
人ひとりの社員の熱い血が流れる生き物と考えている。』

『社長就任後に手がけたのマーケティング改革のコアと位置付けたのも「ブラ
ンド再生」だった。』

『1923年に始めた「チェインストア制度」は商品知識や手入れの方法を顧
客に示せる化粧品店だけに商品を流す仕組みで、全国どの店でも同じサービ
スが受けられると高い信頼を勝ち取った。32年には美容技術を顧客に指導
できる美容部員を各店舗に派遣する制度を導入した。』

『70年代以降、総合スーパーや通販などの新しい業態が成長し、業績が低迷
するようになった。挽回しようと多くの新商品投入を繰り返すうちに、小ブ
ランドが乱立して売り上げが落ち、さらにブランド数が増えるという悪循環
に陥った。』

『マーケティング改革では小粒化したブランドを峻別し、商品分野ごとに№1
を目指す「メガブランド」を導入、昨年から6つのブランドを投入して成果
を上げた。』

『1万人弱の美容部員の評価で大きな比重を占めていた売上金額や販売数量を
項目から外し、応対した顧客のアンケート結果を重視するようになった。』

『ブランドは顧客と得意先の支持がなければ成り立たない。商品や日々の活動
を通じ資生堂自体をそうしたブランドに育てるのが最も重要な仕事と考えて
いる。』

ベネッセコーポレーションン 森本 昌義社長兼CEO

『コーポレートガバナンス(企業統治)と意思決定プロセスの確立こそが企業が
持続的な成長を達成するのに必要な繁栄の源だ。』

『ソニーでの経営改革、アイワの経営立て直し、そして当社で達成した業績回
復を踏まえこの思いを強くしている。』

『パソコンに例えればコーポレートガバナンスは企業経営のOS(基本ソフト)、
ビジネスはアプリケーションの関係にある。OSが盤石であればアプリケー
ションはしっかり働く。』

『コーポレートガバナンスとはトップ経営者の独走や暴走を許さないメカニズ
ムであり、組織ぐるみで違法行為を阻止できるシステムを確立することだ。』

『経営効率を高め、社員が企業理念の実現のために働きやすい環境が整備され
ているかどうかという点も重要な柱だ。』

『ガバナンスを機能させるポイントの一つは最高経営責任者(CEO)に緊張感
を与えること。経営の監督と執行を分離し、意思決定のプロセスをガラス張
りにして明確化するなど経営トップの心構えを明文化しておくことだ。
二つ目は社外取締役や社外監査役などの活用だ。これを機能させていくこと
が、まさに「仏を作って、魂も入れる」にほかならない。』

『ガバナンスの向上は社員のやる気を高め、生産性と創造性を生む。当社の業
績回復はまさにその効果である。』

三菱UFJフィナンシャル・グループ 畔柳 信雄社長

『グループは時価総額で「グローバルトップ5」という経営目標を掲げている。
単に「量」を拡大するだけでなく、「質」も兼ね備えた金融機関グループを目指す。』

『成長のカギは、グローバル化への対応と日本的経営の両立だ。』

『これまでの合併で、トップ5を達成するための総合力は強まったが、合併で
生じた巨大化リスクのコントロールが大きな経営課題と感じている。』

『貸出資産が巨大であれば信用リスクが高まるし、保有する有価証券の規模が
大きければ市場リスクに注意が必要だ。さらに国内外で12万人のグループ
社員が働いているので、法令順守など様々なリスクのコントロールする難し
さを抱えている。』

『金融機関を取り巻く環境は国内外で激変し、海外ではメガバンク化が進んだ。
欧米のメガバンクは当グループより広い地域、より広い従業員を抱えながら、
グローバル競争に打って出ている。』

『総資産では欧米のメガバンクと伍しているが、収益力では見劣りしている。
「早く収益力を高めてほしい」という外国人株主の声もあるが、株主だけでなく、
顧客、社会、従業員など幅広いステークホルダーを意識した経営を実践したい。』

『グローバル化と日本的経営を両立することが、収益力を高める道だ。日本には
顧客や従業員を大事にしながら、グローバルに戦っている企業が多い。金融機関
は自由化が遅れたため、その体制づくりができていない。この点は日本の事業会
社を見習いたいと思っている。』

『貯蓄志向が強かった個人顧客は投資信託や株式などリスク商品を選ぶようにな
ってきた。顧客ニーズをつかみながら、商品やサービスを高めていきたい。』

『現場で起きている問題を把握するために、従業員を大切にする経営も必要だ。
様々なステークホルダーに支持されることが選ばれる企業の条件だ。』

初日の討議を終えて、
この日の会議を総括した、IMDのピーター・ロランジュ学長は持続的な企業の
成長を達成するために重要なポイントとして

(1)成長にかかわるジレンマを把握・理解すること。
(2)人的資源。
(3)革新的な製品。
(4)世界的な人口増加などメガトレンドを理解すること。
の4点を挙げた。
そして、投資する事業を選ぶ際には「すでに強みをもっている分野にしなければ
ならない」と語った。
成長に係わるジレンマの例として「低コストで高品質な製品」などを挙げ、「正し
いポイントをここだと絞ることはできないので、ジレンマを理解、把握することが
重要になる」と指摘した。

以上が、初日の『世界経営者会議』の基調講演の内容になります。

それでは、簡単に私なりに初日全体を要約しておきたいと思います。

経営者は経営のことを考えるのが本分で、全てと言っても過言ではありません。
企業も得意分野で勝負した方が良いのと同様に、企業内においてもそれぞれ各人
が自分の得意分野、すなわち適材適所で働き、考えることが一番会社のみならず、
社会にも貢献することになるのではないかと思います。

『持続的な成長の条件のために』という言葉を‘枕言葉’にして、以下(1)~(5)
の言葉を続けて読んで見て下さい。以下が要約です。

(1)得意分野に資本と人材を‘選択と集中’して、アイデアを出すことだ。

(2)メガトレンドを理解した上で、グローバル化の趨勢の中で、市場を分析し正
しく理解し、ビジネスを構成するあらゆる要素を再評価してみる事も大事だ。
  そして、‘需要とリスク’を理解して、市場に挑むことだ。 

(3)技術革新を通じて、顧客を満足させ、支持をされない企業には明日はない。

(4)‘コーポレートガバナンス’を向上させる事が経営の責任を明確にし、ひい
てはそれが従業員のモチべ-ションを高め、業績向上に反映されれてくる。

(5)企業は大きな目標を掲げ、それを目指す事で生じてくる様々な問題を解決す
ることで、成長の源泉を手に入れることが可能になる。

(6)株主だけでなく全ての利害関係者を意識した経営を目指さなければならない。
  社会貢献する事は、既に全ての企業にとって当然の義務であり、何も特別な
  事ではない。

以上が、私の簡単な要約ですた。

最後にこうして‘基調講演’を伺ってみて、どんな世界企業でも、どんなエクセレ
ントカンパニーでも、まだ盤石ではない事がく分かります。
どんな企業においても、様々な課題があり、それに真摯に取り組む事でしかグロー
バル競争では生き残れない恐さを感じました。

競争相手が国内だけの時代であれば、大企業の看板があれば知名度だけで、
シェアーを取れた時代は終焉しました。グローバルなコスト競争時代に突入した
現在、先にそれに気付いて効果的な手を打った企業が、最後は‘美酒’を飲める
のではないかと思います。

今日から東京ビッグサイトで‘第23回日本国際工作機会見本市’が開催されま
す。                   (JIMTOF2006)
初日から見学に足を運びたいと思っています。
2~3回は行って見ようと思っていて、色々な新製品が出展されているのを楽し
みにしているところです。


今日もみんなで良いモノをつくります。



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