台風により、農作物、野山の草木、街路樹、庭園の草花など、強風にさらされ、葉が褐色になったものが多く見られました。「台風銀座」と呼ばれ、毎年、いくつもの台風がやってくる沖縄ですが、一時期、周りから緑が少なくなりました。
「モモタマナ」(2012/10/18、平和祈念公園)
街路樹や公園樹木の「ホルトノキ」「ホウオウボク」「モモタマナ」などは、葉が褐色になったり、落葉したりしました。「ガジュマル」「クロキ」などは影響が少ないようです。植栽のときは、沖縄の自然環境を考慮して選定する必要がありそうです。
植物は自ら移動できないので、環境の影響をもろに受けます。……しばらくすると、枝の先から芽を出し、日が経つにつれて、新緑の部分が増していきました。1ヶ月もすると、だいぶ緑が回復しています。亜熱帯沖縄のエネルギーと植物の力強さを感じました。
「サガリバナ(さわふじ)」はサガリバナ科の常緑高木で、海岸付近の低湿地、マングローブ背後の湿地または内陸の河川沿いの湿地に生育することが多いのですが、街路樹や公園樹木として植栽することもあります。
近くの「サガリバナ」も、台風の後、ほとんどの葉を落としました。その後、芽を出し、葉も新緑から濃い緑色に変わってきています。ここでは、6月中旬頃から12月頃までの間に3回ほど、花をつけます。
枝から「花軸」が垂れ下がる(2012/10/29)
「花軸」-「花柄」-「つぼみ」(2012/10/29)
「葉」は長い楕円形で、艶があり、毛は生えていません。葉の脇から「花軸」が垂れ下がり、花軸についた「花柄」の先に「つぼみ」をつけます。(花柄のある花が花軸につく総状花序です。)
「つぼみ」(2012/10/29)
「花」(2012/10/29)
「果実」(2007/07/02)
「花」(2007/06/29)
「花」(2007/07/10)
落ちた「花」(2007/06/29)
夕方、花が開くと、あたりにいい香りが漂います。花弁は白または淡紅色で4枚あり、多数のおしべがあります。花は、翌朝7時頃、「ポタッ」と落ちます。「サガリバナ」は、「一夜限りの花」なのです。
角張った長い楕円形をした「果実」は、鶏卵ほどの大きさになり、軽い繊維質の皮をもち、水に浮いて運ばれます。果実は有毒で、樹皮とともに砕いて、魚毒として魚を獲るときに使いました。
「サガリバナ」は、沖縄では、キーフジ、銭かけ木とも呼ばれます。
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