俳句日記/高橋正子

高橋正子のブログ
俳句雑誌「花冠」代表

6月30日(土)

2007-06-30 22:26:13 | Weblog
俳句
 鞆の浦二句
石段を沈め夜の潮光けり
花火して潮の打ち来る音を聴き
ふるさとに祇園会ありて火が熱し
 湘南
サーファーに夏潮したたり海の紺

曇り一時雨

○元が来る。鮎と蕎麦が好物なので食べさせる。山葵は天城のかじかさんから生を送っていただいた。蕎麦は戸隠の生蕎麦が手に入った。
○元の勤務先は7月から横須賀から、三鷹に移った。NTTの横須賀研究所から武蔵野研究所へ。


★遠き世のごとく遠くに蓮の花/山口誓子★




6月29日(金)

2007-06-29 20:56:43 | Weblog
俳句
一握りほどが採れたる青いんげん
みず茄子の一個に重さじゅうぶんに
ハンモック撓みやすかり夏休み
蚊帳くぐる麻の匂いと藍匂い
七夕の牛を冷やして坂のぼる
牛冷やす渚に子らが待ちあそび
連れもどる冷やせし牛はうなだれて
麦扱ぎの前を走りて幼なかり
旅惜しみ香水くれし老婦人
籐椅子に上れば青田すべて見ゆ

曇り夕方より雨

○8月号再校。校了とする。

★山清水魂冷ゆるまで掬びけり/臼田亜浪★

6月28日(木)

2007-06-28 20:47:40 | Weblog
俳句
さくらんぼ顔近寄せて見ていたり
走り藷指ほどあればうれしくも
茗荷刻み手の窪ほどのきらめきを
胡瓜もみ早き夕餉の灯の下へ
高原の空気をほどきキャベツ剥ぐ
冬瓜をさっくと切って売りいたり
金魚鉢見れば金魚を飼うこころ
旅みやげレース瀟洒なハンカチを

 考古舘
蒲の穂よ夜は灯のなき村となる
 別子山村
銅山へ行く道細し夏薊
 富士山
いたどりのラバに花散り身のほてり
屋敷まわりの十薬刈って軒に干し
カルストの空を駆けゆき時鳥
山棲みにどこにもありぬげんのしょうこ
花屋より紅花ばかり買い戻る
砥部焼きにたっぷり挿して末摘花
真夏へとカスターニエンの青き実も

晴れ
○8月号初校了。
○愛媛県庁へ変更届。
○武谷三男「認識論」。「一人歩きする三段論」(著者?)
○brisk blended orange peco and peco.

★風呂沸いて夕顔の闇さだまりぬ/中村汀女

6月27日(水)

2007-06-27 01:45:21 | Weblog
俳句
真清水を筒に冷やして家族の水
梅雨冷えに襤褸ひょうひょうと纏いたり
昼顔に浄土浄土の雨が降る
梅雨に出て梅雨空ついとあおぐなり
蛍籠編むは麦藁束に掛け
青芭蕉その葉で水を飲みたかり
梅雨降れる伊豆の岬の梅の菓子
梅雨冷に人間たるは市川房江

○8月号校正中。
○角川平成の秀句集が届く。10年に一度のもので、前回546名の掲載俳人のうち、10年間に130名が物故者となる。

晴れ
○百合伐って崖を荒せり多佳子の忌/橋本美代子
(多佳子忌は、5月29日)

6月26日(火)

2007-06-26 01:46:11 | Weblog
俳句
 駒場公園
洋館の屋根にふわふわ青芭蕉
 和館
昼の蚊に喰わる書院に灯ともして
雑草に姥百合白のみどりがち
 近代文学館・一葉遺愛の文机
文机に茄子の水差しすずやかに
 松原を訪ねる
世田谷線の窓に見送り花樗

唐黍は水のつめたさか土のつめたさか
昼顔へ走りきったる油虫
紫陽花の青のその後の変化(へんげ)せず
葉の色と分かれあかるき青葡萄
ある人のテラスを覆い青葡萄 
 コープ
夏菊を手向けの花として売りぬ
 小京都三次
山国の霧のあとよりのうぜん花
 米びつがありて
穀象のひたむきなるを憎みたり
おはぐろに海まで流る川の水

曇りどきどき雨。
○8月号校正中。

○愛媛県庁より、事業報告等提出に関する書類。
○松山市より水煙ネットの法人税均等割りの6万円を減免するとの通知。

★全長のさだまりて蛇すすむなり/山口誓子

6月23日(土)

2007-06-23 04:18:18 | Weblog
俳句
青葉薫る朝日の坂を上りきり
朝焼けの雲の散らばりのみ愛す
梔子の花大きくて手ふれけり
夏鶯きざはし高く高く来て
葛の葉にこまかき雨の残り露
甘藷苗根付きたしかに雨のあと
芋の葉の梅雨にもっとも育ちつつ
コスモスの垣根となって二花三花
夏至あけて朝日もっとも丘の街
雲運ぶ風の生まるる夏の空


晴れ
○句会。駒場公園内和舘。
句会のお菓子は、吉兆の紫陽花と淡むらさき。

○昔は、お米に穀ゾウムシというのがいた。梅雨の時期になると、米びつの匂いとともに思い出す。日本的な匂いではないか。今の世の中、いちゃもん化社会と呼ばれていると新聞で読んだ。コクゾウムシとあだ名される人は、まだましで、藪蚊のほうがうるさいかも、とこのごろ思う。

○今朝は、我が家にいて鶯の声を聞いた。耳を疑ったが、鶯の声。まだ山の状態のままのところが、わずかずつ残っている。そこにいるのかもしれない。私がゆくところ、どこにも鶯がいるとは、運がついていると思いたい。生家でも、砥部でも、衣山でも、日吉でも鶯が鳴いてくれます。

○日吉に来て、木苺も見つけたし、鶯も聞いた。柴もちも作った。四十雀は、雀よりもよく鳴く。自然がないといいながらも歩けばある。農家の畑もある。5丁目あたりは、幾分前にできた住宅地なのか、それぞれが木や植物を楽しんでいる。いい感じに木を植えている一軒があった。小住宅なので、数本の木だけだが、まるで木立に囲まれているような雰囲気だった。木にも品があっていい趣味の木だった。住む人の人柄が偲べる。

6月22日(金)

2007-06-22 11:48:23 | Weblog
俳句
梔子の匂いながるる雨の闇
扇風機まわり始めのややおそし


曇りのち雨
○明日の句会の準備。井の頭線で駒場まで。この前も雨だったが、今回も雨らしい。

○扇風機を出す。エアコンを除湿運転にする。今年は、まだ二度しかエアコンを使っていない。扇風機を眺めていると、アナログというか、機械という感じがする。
40年ほど前は、機械全盛だった。大企業が電化製品をどんどん作っていた。あれからそろそろ半世紀になろうとしている。産業社会というのもなつかしい響きを持って来た。

○日本全国、コンピューターに振り回されているのではなかろうか。コンピューターで人手を省力しようとしたが、省力ができるまでは、余計に人手がいる。それを早く人減らしをしてしまったのでは、と素人考えに思う。

6月21日(木)

2007-06-21 15:01:00 | Weblog
俳句

晴れ
○今日は、大変暑い。29度くらいにはなっているかも。

○イン俳協の会計と総会準備。(芭蕉記念館9月2日(日)20日予約、虹玉さんに記念館まで行っていただいた。)

6月20日(水)

2007-06-20 00:22:53 | Weblog
俳句

天気
○ことしの夏至は、22日となっている。大方の年は、21日。時間のずれを見るのも面白い。
2006年の夏至:2006年6月21日(時刻:21:26 太陽黄経:90度)
2007年の夏至:2007年6月22日(時刻:03:06 太陽黄経:90度)
2008年の夏至:2008年6月21日(時刻:08:59 太陽黄経:90度)
2009年の夏至:2009年6月21日(時刻:14:45 太陽黄経:90度)
2010年の夏至:2010年6月21日(時刻:20:28 太陽黄経:90度)

○「バカの壁」という超ベストセラーがあった。立ち読みはしたが買うほどではないと思って買わずにいた本だが、我が家に転がっていた。手にすると、
「わかる」ということについて書いてある。いろいろと書いてある。

これに関連して思うのだが、俳句をわかろうとして、「私は、俳句がわかった。」という。わからなければ、「わかるように説明してくれ。」という。こういう人たちは、「俺は世の中漕いできた。世の中は良く知っている。わからないことは、説明してもらえば、たいがいわかる。」と思っている。この世界には、説明してもわからないことの方が多いということが、わかっていない。こういう方は、俳句は無理です。関心のないことには、人間の脳は働かないらしい。見ようと思わないと見えない経験は、日常よくあること。

6月19日(火)

2007-06-19 09:19:42 | Weblog
俳句
提げるほどトマトを買いて夕道を
梅雨の灯を外に残して寝静まる
梅雨の夜ワインを思い切り冷やし

晴れ
○水煙8月号入稿済み。
○久しぶりに梅雨らしい蒸し暑さ。
○現代俳句1日1句鑑賞、6月30日までアップ。テンプレートを変える。
○俳句日記のテンプレートを変える。

6月18日(月)

2007-06-18 01:28:31 | Weblog
俳句
はやばやと梅雨の店頭甘藷の紅
紅色をほっと刷かれしさくらんぼ
さくらんぼ値がつくこともあわれなり
さくらんぼ集まりあってつややかに
花つきし胡瓜の水をよくはじき

くもりのち晴れ
○8月号編集を終えた。明朝、エックスパックで印刷所に送る。20日入稿予定だったので、少し早くできた。

○しまづやすひろさんが、入会された。やすひろさんは、屋久島在住。
先月の宮本和美さんもそうだが、添削教室に投句されずに、入会を申し込まれる方が、すこしずつではあるが、増えている。

○俳句四季7月号郵送。綱島郵便局から。支局とか、支店といわれるものがたくさんあるが、そこが牧歌的というようようなことでもなくなった日本。マニュアルどおりに動くので、必要もないとこちらには思える無駄なことをしている。必要も無い順番札を取らせ、お客の顔を見ない。これは牧歌的というものではない。

6月17日(日)

2007-06-18 01:11:20 | Weblog
俳句
一枚に二枚を重ね青紫蘇摘む

晴れ
○オンライン6月句会。54名参加。
○8月号編集を終える。明日入稿予定。
【オンライン投句】
★青葉鳴る朝の空気はややさむし
夏になったとはいえ、青葉を鳴らすほどの風が吹く朝は、肌寒さを感じることがあります。そんなひんやりとした空気感が漂っている御句と思いました。実感の「ややさむし」を平仮名にされたのは、「青葉」の季節感の邪魔をしないためと想像いたします。(臼井虹玉)

★朝焼に染まりて鳥のアンテナに
★紫陽花の青るいるいと此処の庭


○俳句四季7月号が届く。その中の「季節を楽しむ~七月(引地冬樹)」に、正子の「竹落葉わが胸中を降るごとし」が採り上げられていたので、驚いた。この句は、『月の樫』に入れてある句で、砥部に自宅があったときの句。裏庭に笹竹を少し目隠しに植えていた。筍も伸びたし、七夕笹にも役立った。当時は、砥部に住んで一生を終えるものと思っていた。焼き物の町だが、ずいぶんさびしい気持になる町で、植木も草花も野菜も一生懸命育てて手入れをして可愛がった。庭石も置かない庭だったが、いつの間にか、俳人か茶人の住む家らしい雰囲気になっていたようだ。それから、松山市内へ引越さねばならなくなり、まさか横浜まで来るとは思わなかったが、横浜に住むようになっている。

○句会の今日は、父の日であるが、父の日の句は、無かったようだ。