ノーやん日記パート2

花は正直

 ここ数日毎朝、パンジーの花がら摘みをしている。きょうは見落とししないぞ、と決意して採りかかるのだが、毎日のように見落としていた花がらが見つかる。レジ袋いっぱいになる。きりがない。適当なところで打ち切って、「はい、おみやげや」と花がらを管理事務所の職員さんに渡す。タクシーの運転手さんが「ここへ来るたんびに、(花壇が)きれいやなあ、と思うてます。そうやって手入れしてはるんですねえ」と褒め言葉。「花がらを摘まんと花はあきまへんねん」。なんやわかったようなわからんような返事をした。はずかし嬉し。
 朝8時にはわが花壇の花がら摘みを終わって9時からは花とみどりの相談所の花壇の花がら摘みに。こちらは広さも花の量も十数倍はある。花がらのあまりの多さにとても一人や二人では太刀打ちできない。そう思いながら鉄道高架下の花壇の花がら摘みをしていると。男性が二人寄ってきて「たいへんやねえ。ご苦労様です」と激励の言葉。「花はいいねえ。うそやごまかしがない。正直やから」と1人がいう。もう一人が「花はものもいわずに正直に咲きよるが人間は悪いことを平気でする」という。なにを言い出すのかと思ったら「けさのテレビ見てたら、国民健康保険料を十億円も使い込んで博打していた、いうてたけどわれわれ、そんな金見たこともないカネや」。どうも二人ともリタイヤ風の年恰好だ。話はそれでおさまらず「福田さん(首相)もあかんな。年寄りは、はよ死ねと年金からカネふんだくって」「花はいい。人の心を慰めてくれる」。何事もそうだが、「カネ」を理由に手抜きしたらあかん。絶対あかん。「花を育てるのもいっしょや」。どきっとした。じつは、花は文句を言わないから手抜きをしようと心のうちでは思っていたのだ。
遅れ咲きいまの落花に加はらず 誓子
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