能勢謙三の鹿児島まち案内日記

案内日記こぼれ話6

 「まち案内」の私の名刺には、業務内容として「道案内・バス案内・店案内」と記しています。今のところバス案内が過半数を占めますが、「店案内」ももっとしたいところです。しかも、観光ガイドブックなどに載っていない、地元の自分たちがよく行く普通の店を紹介したいと思っています。
 もし自分が知らない街に行ったら、そんな店を地元の人に紹介してほしいと考えるからです。安くておいしくて気取らない、庶民的なそんな店。
 ただ、街で声をかけると「○○はどこでしょうか?」と店の所在を名指しで質問されることが少なくありません。名指しされた以上、そこを教えないわけにいきません。案内人として悩ましいところです。その○○があまり薦めたくない店だったら、なおさらです。
 以前、新聞記者時代に夕刊に「独断てんもんかんマップ」を手書きで書いたことが何度かあります。自分が行く、ぜひ薦めたい店を紹介したかったから、でした。店の好みは人それぞれでしょうが、こんな独断と偏見に満ちた案内マップもあっていいのでは、と考えました。独断マップは、飲食店編を2度、ラーメン店編を2度、それにトイレ編を1度書きました。
 あるとき天文館で、ラーメン店マップを切り抜いて持ち歩く親子の姿を見て、うれしく思ったことがあります。ありきたりでない、こんなマップもあっていいのではないでしょうか。
 まち案内をしていて「どこか良い食べ物屋さんはありませんか?」と当方に丸投げで質問されることもあります。そんなときは、そこからあまり遠くない、なじみの店を紹介しました。
 たまには、自分が大好きな名山堀をどうしても紹介したくて、天文館から名山堀までご足労願ったこともあります。最初は8月10日、ぴらもーるで声をかけた兵庫県宝塚市の夫婦でした。2組目は10月4日、文化通りで出会った3世代女性たち。87歳という祖母は岡山県備前市、母親は神戸市、娘さんはオランダ・ロッテルダム在住とのことでした。3組目はG3アーケードで声かけした関西の70代の夫婦。
 3組とも「地元の私たちがよく行く店でよければ」との私の誘いに、すんなりと応じてもらいました。しかも2組目の母親からは、「ガイドブックの店に一応行ってみたけど、いかにも観光客向けに見えた。地元の人が行く良い店はありませんか」と言われて、待ってましたとうれしくなりました。
 いずれも、お連れしたのは名山堀の「串幸」という店。名山堀では一番広くて、いつ行ってもまず入れるのでここにしました。安くてメニューが豊富なのも魅力です。
 案の定、皆さんに大変喜んでもらいました。うち2組は、私が飲んでいた近くの店へさらに誘って「二次会」に。居合わせた常連客とも会話が弾みました。こんなふれあいは、とてもうれしいものです。
 そうそう、2組目の母親はとても気さくな人。名山堀に向かう途中でした。ジュンク堂前で地図を広げた夫婦に私が声をかけたのに対して「どこか食べる所は?」とご主人が答えるのを聞いて、「よかったらご一緒しませんか」と誘い、夫婦も同意。結局2組計5人をまとめて名山堀へお連れしたのでした。

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