能勢謙三の鹿児島まち案内日記

1739 2つの「うなぎ屋」

2018年8月18日(土)晴れ。

たまにはぜいたくな昼ごはんを、と人吉まで車を走らせて、うなぎを食べてきました。
行こうと思ったのは、前から評判は聞いていながら、これまで1度も入ったことがない「上村うなぎ屋」。入ろうとしたことはあるのですが、いつも店の前に客の列ができていて、あきらめ敬遠していた店です。今日はどうだろうと思いながら、恐る恐る通りに車を乗り入れると、案の定、長い列ができていました。

やっぱりダメかとあきらめて、そのまま店の前を通過し交差点から左折して回り込むと、うなぎの「しらいし」という看板が。通りの右手にある店の駐車場がたまたま1台分空いていたので、エイとそのまま駐車しました。

立て看板に導かれ、建物の横の、それこそウナギの寝床のような細い通路をずっと進むと、小さな入り口がありました。案外こんな店がおいしいのかもと期待しながらドアを押すと、店内は満席のようでした。しかもまだ注文の品にありつけないのか、客席から何人かがこっちに目を向けました。左にあるレジにいた店の女性に「入れますか」と尋ねると、「満席なので、店の外で並んでお待ちください」と奥を指差しました。

その奥の引き戸を引いて外の通りに出ると、どうやらこっちが表の入り口みたい。しかも「上村うなぎ屋」の隣であることがわかり、ちょっと驚きました。さっきここを通ったのに「しらいし」に気づかなかったのは、この店に列ができていなかったからだろうと推察しました。
ということは、「しらいし」は「上村」と比べて、人気がないのか。やばいかな、と感じたものの、他に並ぶ客もなく、乗りかかった船、ま、いいか、と待つことにしました。すると、なぜか続いて列ができ始めました。並び仲間ができて、少し心強い気持ちに。

ところが待てども、店を出る客がなかなかいません。ということは、席が空きません。そのうち、「上村」側の列の方がハケがいい、つまり流れがいいのに気づきました。これを見て、私の後に並ぶ人の中には、「上村」へ乗り換える人も。迷うところです。それにしても、どうなってるの「しらいし」。店の人が説明に出てくるわけでもなく。不人気の理由がわかような気もしました。

どれだけ待ったでしょうか。やっと1組が出てきたので、押し入るように中に入りました。するとさらに2組が店を出て、10席分くらいの空席ができました。「掛けて待ってもいいですか?」と先の女性に尋ねると、「片付けるまで外でお待ちください」と熊本なまりで事務的に突き放されました。こんなときの熊本弁は、きつく感じられます。

少しカチンときたものの、我慢我慢。ここであきらめてはシャクです。乗りかかった船です。そのまま店内に立って待っていたら、10席ほどのテーブルの上が片付けられ、先の女性からようやくお呼びがかかりました。念願の着席でした。頼んだのは「うな丼の上」(吸い物、漬物付き)。「上」とはいっても、4ランクの上から3番目。確か2330円でした。
さらにしばらく待って、やっとやっと、うなぎと出会えました。思っていたより、身が大きくて肉厚。そして口にして、味わって、これまでのモヤモヤが次第に消えていきました。結構おいしいのです。うなぎも、ごはんも、吸い物も。悔しいながら。値段もリーズナブルに思えてきたのでした。いいじゃないの、と。いかにも熊本らしく武骨で無愛想な応対も許せる気になったのでした。

人の評判はわからないもの。飲食店にできる列もわからないもの。つい、鹿児島の白熊「天文館むじゃき」を想像しました。ともかく1度は「上村」も味わってみよう、と思っています。

西南戦争時に西郷軍が拠点にした永国寺


国宝の青井阿蘇神社



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