【岡潔の思想】303「1969年の質疑応答」
【現世教】
(質問) 先生、ちょっとお伺いします。今、ガンの話が出ましたけれども、私はある宗教のもとでですね、ガンになって医者がどうにももう手を離したような人がですね、その集団に入って私はかくかくこうガンが治りましたと、そういう風にですね堂々と体験を発表された訳なんですが、そういうことがあり得ることなんでしょうか。
(岡) 仮にあり得ることにしろ、現世における利益を目標にしてるという意味において、そんなのは「現世教」といって間違ってる宗教とするのです。それが正しくても、それが正しくなくとも、そんなものは問わない。この70年の生涯における利益に目標を置いてたら、そこが間違ってるから間違いとするのです。ことごとく退け去らなきゃいけません!
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横山賢二さんの解説が読めます。
🔶岡潔講演録(17):【17】 現世教 (okakiyoshi-ken.jp)
注)典 この【17】現世教の項目を抜かしていました。前後しますが本日記事にさせていただきました。
※典比古
ここは大変手厳しい指摘をなさっていますが、そこを岡さんは「現世における利益を目標にしているという意味において、そんなのは『現世教』といって間違ってる宗教とするのです」と。
人は宗教に奇跡や現世利益を求める傾向が多々あります。とくに新興宗教に入信すると、病気が治ったとか、急に運気があがって金回りが良くなったとかなどというのは、現世利益そのもを目指しているのであって、そこを岡さんは「70年の生涯における利益に目標を置いてたら、そこが間違ってるから間違いとするのです。ことごとく退け去らなきゃいけません!」と。
ワタクシは個人的には一切の宗教には属していませんが、ただ若き頃、様々な宗教書を読んだ経験があり、高校生の頃は谷口雅春さんの『生命の実相』と、禅宗、とくに道元禅師に関心がありました。
2021年7月27・29日の記事です。
🔷【岡潔の思想】5(わたくしの宗教体験 其の1) - 【岡潔の思想】 (goo.ne.jp)
🔷【岡潔の思想】6(わたくしの宗教体験 其の2) - 【岡潔の思想】 (goo.ne.jp)
注 典)上記の記事には書いていませんが、高校卒業後ありとあらゆる新興宗教書を読み漁っていました。とくに高橋信二の「GLA]、五井昌久の「白光真宏会」などの著書は相当数読んでいました。
話は変わりますが、今また「大本教」の出口王仁三郎に注目が集まっており、そこに所属していた岡本天明の『日月神示』の原典対訳が、最近出版されてもいます。この『日月神示』は中谷伸一さんの著書で、関心をもった一時期がありました。
さて横山さんは解説の最後で「そういう『現世利益』の宗教は岡の分際ではない。今日の人類の行き詰まりをいかに打開するか、これからの人類の進むべき道筋をいかにつけるか、人類の存亡をかけて岡はそれに全身全霊を傾けたのである。
岡自身がいうのだが、 岡は20世紀の人類の『専属医』であって、岡がここで診断を誤ると「人類はそれっきり‼」とそういっているのである。その乗るか反るかの診断が非常に難しいのであって、それ以外のトリビアル(枝葉末節)にはとても手が回らないのである。」と述べております。
7日(水)は畑 茄子の艶が眩しい! 撮影 典比古
西瓜も順調!