【岡潔の思想】120岡潔先生と語る (2)西洋文明の限界
【1】 はじめに(其の1)
(岡)最初に雰囲気づくりのために少しお話しいたします。その雰囲気の中でいろいろ考えて、聞いて頂きたいと思います。
西洋人は心というもののあることを知らないと云ってよいんです。心理学や大脳生理学が対象にしているような極く浅い心、自我というものを中心に動いてるような極く浅い心は知ってます。しかしそれ以上深い心というもののあることを知らんのです。
東洋の大先達たちは、その心というもののあることをよく知っていて、それについていろいろ教えてくれてるんです。随分心というものについては、我々教えてもらっている訳なんですけど、明治以後西洋の云うことを聞いて、東洋自身を忘れてしまっていますから、心というもののことは忘れてしまってるんです。終戦後特にそれがはなはだしい。
仏教は特に詳しく心について云ってるんですが、仏教は大宇宙の中心は心であると、それで自然はよく調和がとれているのだ。個々別々になっていないのは、心が中心にあって主宰しているからだ。その心の一部を分かち与えられて生物はみなそれを持っている。それが生物の主宰性であって、生物が一個の生物でありうるのは、心が根底にあって主宰しているからだ。
心の最も基本的な働きは、二つの心が一つに合一することが出来ることである。人の中心は心だから、心が合一すると、その度合いに応じて人の心がわかる。また、自然の中心も心だから、それと合一すると、その程度に応じて自然というものがわかるのであって、総て本当にわかるのは、腑に落ちるというふうなはっきりしたわかり方は、心が合一することによって達せられる。心の中には時間も空間も無い、時間、空間を超越している。
※典比古
岡「心の最も基本的な働きは、二つの心が一つに合一することが出来ることである。」と、実にシンプルに「ココロ」の働きを喝破されております。
今、ワタクシは「四諦五蘊観(したいごうんかん)」を勉強しております。
テキストとして富永半次郎著『釈迦仏陀本紀』を参考資料としています。
「カタカムナ」を学ぶ上でかかせない資料でありますが、他「ココロ」のメカニズムを把握するうえでは、岡さんの言説、発言と、山崎辨栄上人の「無差別智」、そしてあと「四諦五蘊観」、これだけあれば十分なのではないかと思っています。
南瓜の葉が二階のベランダまで伸びちゃいました。
撮影(今朝) 典比古
次回【岡潔の思想】121岡潔先生と語る (2)西洋文明の限界【はじめに】(其の2)を記事にいたします。