こ~んばん~わ
日向坂46の影山優佳が、7月19日に『影山優佳卒業セレモニー』を開催した。具体的な卒業時期はまだ明かされていないが、9thシングル『One choice』の活動をもってグループから卒業することが発表されている。
日向坂46 影山優佳1st写真集「知らないことだらけ」
影山は2016年に『けやき坂46(ひらがなけやき)追加メンバー募集オーディション』に合格し、けやき坂46(現・日向坂46)の一期生メンバーとして加入。当初からサッカー好きと公言し、「あなたのハートにゲーゲンプレス」という2010年代前半に一世を風靡したドイツのサッカーチーム、ボルシア・ドルトムントの戦術を取り入れたキャッチコピーとサッカーへの造詣の深さでサッカーファンをも虜にした。しかし、2018年6月には学業に専念するためにグループの活動を一時休止。その間にグループはけやき坂46から日向坂46へと改名し、1stシングル『キュン』をリリースしたが、影山の参加は見送られた。2020年5月に約2年ぶりに復帰を果たすと、大好きなサッカーや豊富な知識を生かしてスポーツ番組やクイズ番組などで活躍してきた。
活動休止期間を除く約5年のアイドル活動の中で、影山はグループ外にも活躍の場を見出してきたメンバーの一人である。中でも世間一般に知られるようになった出来事は『2022 FIFAワールドカップ カタール』期間中の活躍ぶりだ。サッカー関係者顔負けの知識と戦術理解度で、次々と予想スコアを的中させたり、各国の試合の流れを分析したりと、連日連夜の活躍にサッカーファンを唸らせた。SNSでは「勝利の女神」と称されるなど、アイドルファンを超えて影山の名前は広く浸透していった。ワールドカップといえば、普段からサッカーを見ているサッカーファンだけではなく、国民の多くが注目するビッグイベント。そんな一大イベントに影山がゲスト出演を果たしたということは、彼女がこれまで積み上げてきた努力にほかならない。
影山は当初はもう少し早い時期でのグループからの卒業を考えていたそう。しかし、影山優佳1st写真集『知らないことだらけ』(扶桑社)のインタビューで、「当初は新曲へは参加せずにスッと卒業したいという話をしていたんですけど、ワールドカップをきっかけにせっかく多くの方々に私の名前を覚えていただけたので、影山優佳ではなく『日向坂46の影山優佳』として活動することで、グループの名前を広めることが昔よりもできるんじゃないかと思って」「『あ、影山優佳って日向坂46っていうグループにいるんだ』というかたちで知っていただく活動ができるのではないか、それをしっかりやり切ってから終えるべきなのではないかと思い直しました」と卒業を遅らせた経緯を話している。
影山はワールドカップが終わった後も、『東大王』(TBS系)を始め、『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)や『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系)など、多くのサッカー番組やクイズ番組にも出演し、グループに貢献してきた。今年1月には人口上位2%のIQを持つ人だけが加入できる非営利団体・MENSAの会員になったことも自身のInstagramで報告するなど、サッカーにとどまらない知的好奇心の探求を続けている。同年5月29日放送の『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)では、大学生が選んだ「好きな戦国武将」に関する問題で学力王を決める企画において、戦国好きとして出演した影山が『Qさま』史上最年少での優勝を果たした。放送終了後に更新されたInstagramでは「今でも夢のようです…。素敵な体験をさせていただきました…!」と喜びを噛み締めながら、「何より、グループの一員でいさせていただいている間に嬉しい報告をみなさんに伝えることができてとっても幸せです」とファンへの感謝も伝えた。これは卒業を控えた影山がグループ、そしてファンに向けて、最後に残した贈り物だったように思う。6月には株式会社アーキテクトが実施した「タレントパワーランキング」における調査の中で、「2023年2月度版・タレントパワーが上昇した女性タレント」で1位を獲得したことが示しているように、この半年間で影山の名前は広く知れ渡った。
こう振り返ってみると、影山がもたらしたものはアイドルの枠だけでは語り切れない。これまでもサッカー関連番組に出演するアイドルは数多くいたが、あくまでもサッカー好きアイドルとしての目線、もしくはアイドルとしての立ち回りを求められるケースが多かった。影山はそれを大きく逸脱し、サッカーファン目線で魅力を解説するだけではなく、評論家としての目線でサッカーの奥深さを分かりやすく視聴者に伝えてきた。これこそがこれまでのサッカー好きアイドルと決定的に異なるところであり、アイドルファンとサッカーファンともに快く受け入れられた大きな理由なのだろう。このような探究心の根源は、影山が知的好奇心に溢れた人物であるということが大きい。前述した写真集のインタビューでは「いろいろ知りたくなったり、挑戦したりしたくなっちゃうタイプ」と語っているように、クイズ番組対策用の漢字ノートに、自分が出演していないクイズ番組に出てきた漢字をメモしたり、今後出題されそうな漢字を付け足したりと、どこまでも努力を惜しまない姿勢が外番組での活躍へと繋がっていったのだろう。
日向坂46『友よ 一番星だ』
影山が最後までやり遂げたいと願っていたのはグループの名前を広めること。それはグループを誰よりも愛してきた影山らしい恩返しだ。影山は同写真集で「新曲の活動に参加したくないって言っていたのも、私が新曲に参加して、その後のライブや歌番組には出ない、という状況を作りたくなかったからでした」「自分が新曲のMVに出てすぐいなくなってしまうと、残るメンバーたちに苦労をさせてしまうし、それが申し訳なく感じてしまう」と語っていたが、そうした常に“グループのため”を考えて活動してきたのが影山だった。“フォア・ザ・チーム”、それは何よりも日向坂46が結成時から大切にしてきたものだ。影山の最後のセンター曲となった「友よ 一番星だ」のMVの冒頭では、影山のナレーションとともに一期生から三期生というこれまで長きに渡って活動を共にしてきたメンバーと円陣を組んでいる。メンバーを”友”と表現する影山のナレーションからは、仲間であり友であるというメンバーへの影山の想いが反映された作品になっていたように思う。
卒業後どのような活動をしていくのか、その詳細は現在のところ明かされていない。だが、影山がグループに残してくれたフォア・ザ・チームの精神はこれからも受け継がれていくことだろう。影山の未来は可能性で満ち溢れている。
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